「大風呂敷を広げる」とは?
「大風呂敷を広げる」ということわざを知っていますか? なかなか使う機会の少ないことわざかもしれませんね。しかし、実は「大風呂敷を広げる」人が身近にいるという人も少なくありません。
本記事では、「大風呂敷を広げる」の意味や成り立ち、似た意味を持つ表現から、「大風呂敷を広げる」の英語表現、「大風呂敷を広げる」人の特徴、そんな人との関わり方について紹介します!
「大風呂敷を広げる」の意味
「大風呂敷」は、「おおぶろしき」と読みます。「大風呂敷を広げる」とは、「実際の実力に見合わないことを喧伝する」という意味。つまり、見栄っ張りな人と言えるのではないでしょうか。
例えば、「あの人は大風呂敷を広げてばかりで、行動が全然伴ってないよ」「彼は酔うと大風呂敷を広げてばかりいる」などと使われることが多いです。
「大風呂敷を広げる」の成り立ち
そもそも「風呂敷」とは、昔から日本で重宝されてきた正方形の大きな布のこと。物を包んで持ち運ぶために使われていました。勿論現在でも使われていますし、風呂敷をアレンジしてバッグのように使う人も多いです。
「大風呂敷を広げる」が、大それたことを言うというニュアンスを持つようになったのは、大きな風呂敷に対して包む中身が少ないという様子から生まれたのではないかと、一説には言われています。
「大風呂敷を広げる」と似た意味を持つ表現
「大風呂敷を広げる」はユーモアがあって面白い表現ですが、日常会話に取り入れるにはなかなかハードルが高いかもしれませんね。似たような意味を持つ言葉として、「大言壮語」「大口を叩く」などがあります。
「大言壮語」は「たいげんそうご」と読み、「大口を叩く」は「おおくちをたたく」と読みますが、いずれも「実力以上に自分を大きく立派に見せるさま」を表す言葉です。
「大風呂敷を広げる」は英語でどう表現する?
日本のことわざの意味を英語で表現するのってなかなか難しいですよね。そこで、ここでは「大風呂敷を広げる」の英語表現を紹介します。日頃触れる機会の少ない英単語が多いため、使えると周りから一目置かれるはず。「あの子大げさだよ!」と伝えたい時は、ぜひ試してみてくださいね。
1:brag(自慢する)
「大風呂敷を広げる」には、自分のすごいところを周りに伝えるというニュアンスがあるので、英語では“brag”という動詞を使って言い換えることが多いようです。
例えば、「My brother brags that a girl confessed her love to him yesterday」で「弟(兄)は、昨日女の子から告白されたと自慢している」と表現することができます。
2:exaggerate(誇張する)
より大げさ感を出したい場合は、“exaggerate”を使うと良いでしょう。「My boss exaggerates our sales」と言えば、「上司は会社の売り上げを誇張している」という意味になりますよ。
また、誇張していることに対して不満に思う時は、「Don’t exaggerate」を使うと「誇張しないで」と伝えることができます。ただし、強い口調で命令しているようにならないよう気をつけましょう。
「大風呂敷を広げる」人の特徴とは?
続いては、実際に「大風呂敷を広げる」の中身について見ていきましょう。「大風呂敷を広げる」人にはどのような特徴があるのか紹介します。
1:プライドが高い
「大風呂敷を広げる」人は、周りよりも優れていたいというプライドの高い人が多い傾向にあります。プライドが高いため、自分のことを少しでも良く見せるために、実力以上のことを言ったり、大きく見せたりしがちです。
2:承認欲求が強い
人一倍周りから認めてもらいたいという気持ちが強い人も、「大風呂敷を広げる」傾向にあります。「すごいね!」「さすが○○さん!」と自分の価値を認めてもらったり、注目されたりしたいがために、話を盛ってしまうのです。
3:言い訳が多い
「大風呂敷を広げる」人は、実力以上のことを言う場合が多いです。そのため嘘をついたり、結果的に失敗してしまったり、周りから間違っていると指摘されたりすることがあります。しかし、プライドも高いため、それを認めることができません。言い訳をして、自分の間違いを認めることができないことも多いです。
「大風呂敷を広げる」人との関わり方とは?
「大風呂敷を広げる」人の特徴は掴めましたか? 自分のプライドのために嘘をついてしまうなど、子どもっぽいところがある「大風呂敷を広げる」人とトラブルにならないようにするためには、どうしたら良いでしょうか。最後に、「大風呂敷を広げる」人との関わり方を一緒に考えていきましょう。
1:距離を保つ
「大風呂敷を広げる」人は、自分を良く見せたいという気持ちが強いだけで、決して悪い人ではありません。しかし、時には嘘をついてしまったり、話を脚色したりすることがあるので、思いもよらない場面で飛び火を食らう可能性も。そのため、適度な距離感で関わるように心がけたほうが安心かもしれませんね。
2:否定せずに聞き役にまわる
「大風呂敷を広げる」人は、自分の話をすることが好きな人が多いです。それは、自分を認めてもらいたいという気持ちで話しています。したがって、話の中で「ん?」という違和感があっても、突っ込まずに聞くことを優先しましょう。
プライドが高い「大風呂敷を広げる」人は、否定されるとムッとして不機嫌になってしまうこともあるため、真に受けすぎず「うんうん」と聞いてあげると、トラブルを避けられるのではないでしょうか。
最後に
「大風呂敷を広げる」とは、「実際の実力に見合わないことを喧伝する」こと。「大風呂敷を広げる」という表現を使う機会は少ないかもしれませんが、「大風呂敷を広げる」人は少なくないのではないでしょうか。
本記事では、意味や由来の他に英語表現や「大風呂敷を広げる」人の特徴、関わり方について紹介しました。日本語独特の面白い表現なので、ぜひ覚えて活用してみてくださいね。
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