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2022.10.17

部下や後輩のモチベーションを引き出す! 陥りがちな罠と知っておきたい新常識

仕事にもプライベートにも役立つ、リーダーシップやコミュニケーションの考え方をご紹介する連載、第5回のテーマは、「モチベーション」です。企業向けの人材育成サービスに携わる、リクルートマネジメントソリューションズの児玉 結さんが解説します。

リクルートマネジメントソリューションズ 児玉 結

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あなたのやる気のスイッチは? モチベーションが高まるポイントを探る3つの質問

あなたはどんな時に仕事のやりがいや充実感を感じますか? あなたの部下・後輩はどうでしょうか? モチベーションが高まるポイント、つまりやる気のスイッチがどこにあるか、人それぞれ異なります。

ここで、やる気のスイッチを探る簡単な方法をご紹介します。まずは自分自身に問いかけてみてください。

◆やる気スイッチを探る3つの質問

・仕事をしていて、最もやりがいや充実感を感じていたのは、いつ頃の、どんな仕事ですか?

・その時、どんなことがあり、どんな気持ちになりましたか? 特に嬉しかった・わくわくしたのはどんなことでしたか?

・今思うと、何があったから頑張れたのですか? その時、どんなことを大切にして仕事をしていましたか?

陥りがちな罠1… 自分と相手のやる気のスイッチは同じだと思い込む

いかがでしょうか? 上記の3つの質問をすることで、その人が仕事をする上で重視していることや、大切にしている価値観がわかります。それらの「大事にしていること」が仕事の中で得られると、人はやる気のスイッチが入るのです。

実は、企業の研修でこの質問をすると、100人いれば100通りの異なる答えが返ってきます。つまり、自分のやる気スイッチと、部下や後輩のやる気スイッチは全く異なる可能性が高いといえます。

特に近年、働く人の価値観は多様化しています。これを知っておかないと、相手のモチベーションを高めようとして言ったこと・やったことが全く的外れだった、ということになりかねません。ぜひ、前述の3つの質問をあなたの部下や後輩にしてみてください。思いもよらない答えが返ってくるかもしれません。

ビジネス街を歩くさまざまな年齢のビジネスマン
(c)Shutterstock.com

外発的動機づけと内発的動機づけ

人のモチベーションには、外発的動機と内発的動機の2種類あります。

外発的動機づけとは、報酬や賞罰など外部からの刺激を与えることによってモチベーションを高める方法です。

内発的動機付けとは、相手が「仕事そのもの」に意欲を感じられるように働きかけることです。

相手のモチベーションを高めるには、この2つの違いを意識することが有効です。

外発的動機づけが有効なのは、やるべきことが決まっていて、頑張れば一定の成果が出るような仕事や場面です。「営業活動で○日までに○件のアポイントを獲得する」「書類を○月中に○件、ミスなく処理する」といった仕事では、それが達成できたら何らかのご褒美(インセンティブ、表彰、皆の前で褒めるなど)を設定しておくことが、モチベーションアップにつながります。

陥りがちな罠2… 「アメとムチ」が逆効果になることも

ただし最近は、そんな風に頑張れば頑張った分、確実に成果につながる単純な仕事というのは昔に比べ減ってきました。仕事そのものの難度や複雑性が増しているのです。

外発的動機づけは、いわゆる「アメとムチ」のようなものですが、短期間で終わる比較的単純な仕事には効果的である一方、そうでない仕事の場合は実は逆効果になる可能性があることが、近年の研究でわかっています※。

これができたらインセンティブがもらえる、とわかった瞬間に、インセンティブをもらうことが目的になってしまい、必要以上の努力をしなくなったり、失敗を回避しようとしたりして、かえって成果が出せないということが起こるのです。

もし皆さんの仕事が、新しい価値を生み出す仕事、失敗を恐れず挑戦することが求められるような仕事であれば、アメとムチは役に立ちません。

自分で決められる裁量・力が発揮できている実感がモチベーションを高める

そのような仕事や場面では、内発的動機づけが有効です。

仕事の中で、「難しくても、自分自身で目標や計画を決めてチャレンジしているんだ」と思えたり、「自分の力が発揮できている。手ごたえがある」と感じられたりすることで、モチベーションが高まりますし、モチベーションが長期にわたって継続しやすくなります。

内発的動機づけを行うには、部下や後輩に仕事を任せる際に、相手が自分で決めたり工夫したりする余地を持たせてあげること、相手が本来持っている力を発揮できるように支援することが大切です。

明日からの一歩

空を見上げる女性会社員
(c)Shutterstock.com

最後に、相手のモチベーションを高めるために明日からすぐに実行できる方法をご紹介します。ぜひやってみてください。

やる気スイッチを探る3つの質問を、周りの人にしてみてください。友人でも同僚でもかまいません。やる気スイッチにはどんな種類があるか、できる限りたくさんサンプルを集めてみましょう。

あなたの上司や周りの人が、部下や後輩をどのように動機づけているか観察してみましょう。それは、外発的動機づけですか? 内発的動機づけですか? そのやり方は効果を生んでいるでしょうか? あなただったらどうしますか? 自問自答してみてください。

※参考文献:『モティベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』ダニエル・ピンク著・講談社α文庫・2015年

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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リクルートマネジメントソリューションズ 児玉 結

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ HRDサービス開発部主任研究員。広告業界などを経て2008年に同社に入り、以来一貫して企業向け研修など人材育成サービスの企画に従事。新入社員~管理職まで、幅広い領域の企業研修の企画を担当。マネジメントやリーダーシップ、学習や成長といったテーマでの調査・研究も行っている。


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