「緊張」するとは?
皆さんは、どんなときに「緊張」しますか? 失敗できないプレゼンを控えているときや、新しい職場で働くときなど、どんなときに「緊張」するかは人それぞれ。全く「緊張」しないという人もいれば、些細なことでも「緊張」を感じてしまう人もいます。
そこで、本記事では、「緊張」してしまうメカニズムや、「緊張」しやすい人の特徴、「緊張」する場面での対処法について紹介しましょう。
「緊張」の意味
ここまで述べてきた「緊張」は、いわゆる心理的な「緊張」です。これから起こることに対して、心が張りつめている心の状態をさします。
「緊張」には、他にもいくつか意味があるのを知っていましたか? もともと「緊張」とは、生理学や力学などの分野で使われる言葉でした。生理学では、筋肉や腱が収縮を一定の間隔で繰り返し持続していることを「緊張」といいます。
また、力学では、物質の均衡が保たれているという意味で用いられ、それが発展して、相互の関係が悪化し、一触即発の状態になることも「緊張」と言うようになりました。
「緊張」してしまうメカニズムを解説
「緊張」しやすい人は、「緊張」する悪循環に陥ってしまっている場合が多いです。そこで、「緊張」するメカニズムについて、少し考えてみましょう。
「緊張」の悪循環
慣れないことをするときや、大勢の人前に出るときなど、プレッシャーのかかる場面では、「失敗したくない」「恥ずかしい思いをしたらどうしよう」という気持ちが強くなります。人は、こうした強い不安感を抱いたときに、交感神経が刺激され、神経伝達物質が盛んに分泌されるのだとか。
交感神経が刺激されると、心拍数が上がり、いわゆる「緊張」状態になってしまうのです。他にも、手に汗をかいたり震えたりすることもありますね。これらの身体に表れる症状によって、「緊張」をより自覚し、悪循環に陥ってしまうといえるでしょう。
「緊張」しやすい人の特徴とは?
続いて、「緊張」しやすい人とはどんな人なのか、「緊張」しやすい人の特徴について迫ってみましょう。自分が「緊張」しいだったり、あがり症だなと感じている人は「分かる分かる!」という特徴が多いかもしれません。
1:完璧主義
完璧主義の傾向がある人は、「緊張」しやすいと言われています。何事も100%の成功を求めるため、少しの失敗も許せないというプレッシャーを感じやすいのです。その結果、他の人が「緊張」しないようなことでも、「緊張」してしまうのでしょう。
2:自分と他者を比較しがち
「周りと比べて私はおかしくないかな?」「同じようにできなかったらどうしよう」など、自分と他者を比較してしまう人も、「緊張」しやすい人です。周りの目が気になってしまうため堂々と行動できずに、「緊張」してしまいます。
3:生真面目
他の人なら「まあいいか」と受け流せるようなことでも、根が真面目なので真剣にとらえてしまいます。責任感も強いため、自分を追い込んでしまいがちに。そのため、人一倍「緊張」しやすくなっていると考えられます。
4:自分を良く見せたいという気持ちが強い
失敗して恥ずかしい姿を見せたくないという気持ちが強い人ほど、「緊張」しやすくなります。むしろ、失敗を恐れずにどっしりと構えられる人は気楽で「緊張」しにくいものです。
「緊張」しやすい場面ではどうしたらいい? 対策を紹介
「緊張」してしまうことで、かえって失敗してしまう…。そんな経験をした方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、最後に「緊張」しやすい場面での対処法について紹介します。「緊張」しやすくて悩んでいる方は、ぜひトライしてみてくださいね。
1:自分に自信をつける
「緊張」しやすい性格を直すためには、自分に自信をつけることがいちばんです。「緊張」しやすい人は、失敗をすることで周りの人が離れていかないか、失望されないかなどを気にする傾向にあります。
そこで、自分に自信をつけて自己肯定感を高め、「緊張」しにくい人になりましょう。しかし、自分に自信をつけるためには、それなりの「緊張」も必要。例えば、一日に一度は自分から提案をしてみるなど、小さな目標を立て、それを着実にクリアしていきましょう。
このように成功体験を積んでいくことで、自分の自信に繋がります。加えて、ステップアップしていくうちに「緊張」する場面に自分が慣れて適応していくはずです。はじめは多かれ少なかれ誰でも「緊張」します。場数を踏むことで、「緊張」しにくくなるのではないでしょうか。
2:万全な準備をする
一朝一夕に自己肯定感を高めることはできません。そこで、少しでも「緊張」を減らすために、準備は万全にして臨むように心がけましょう。自分に自信がなかったとしても、ここまで頑張って準備してきたんだという自負があれば、「緊張」も少しはほぐれますよ。
3:ゆっくり呼吸する
「緊張」していると、心拍数が上がります。心拍数が上がると、無意識のうちに呼吸が浅くなりがちです。「緊張」した際には、腹式呼吸を心がけると、リラックスすることができますよ。
腹式呼吸は、口から長くゆっくり息を吐いて、鼻から空気を吸う呼吸法のこと。息を吐くときは、最後まで息を吐ききること、そして吸うときは下腹部に空気を入れ込むイメージをします。
これを繰り返すことで、気持ちが落ち着き、リラックス効果を得られますよ。この呼吸法はヨガなどにも取り入れられていて、古くから人々が実践している呼吸法でもあるのです。
最後に
本記事では、「緊張」しやすい人の特徴やメカニズム、対処法などを紹介しました。「緊張」すると疲弊しますが、必ずしも悪いこととは限りません。「緊張」によって、交感神経が刺激されることで、集中直が高まるとも言われています。
そのため、パフォーマンスの向上には「緊張」が必要不可欠なのです。また、「緊張」しているということは、困難に挑戦している証であり、決して「緊張」はデメリットではありません。
自分の「緊張」と向き合いながら、新しいことに積極的にチャレンジできると良いですね。
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