この花は何の野菜? 秋の味覚をさらに美味しくさせる食材
秋の味覚といえば、みなさんは何を思い浮かべますか? さんま? さつまいも? くり? 美味しいごはんがたくさんありますね。
今回は、そんな秋の味覚をもっと美味しくさせる名脇役的な野菜の花を紹介します。
この花は何の野菜か知っていますか?
正解は、「すだち」の花です!
正解は、すだちの花でした! あれ、すだちって果物っぽいけど? と思った方もいるはず。
すだちは農林水産省によると、野菜的果樹として扱われ、生産の面では果物、流通の面では野菜という区別があるようです。
結局どっち? と言いたくなっちゃいますが、どちらも正解と言えそう。
すだちは、ミカン科カンキツ属の食べ物で、旬は8月~10月ごろ。
日本国内の生産は、徳島県がトップ。全国シェアが98%で、2位は佐賀県、3位は高知県と続きます。
また、漢字では「酢橘」と書き、英語では学術名「Citrus sudachi」です。最近になってすだちが輸出されるようになり、その際は「sudachi」と表記されるようになりました。海外の人に説明するときは「similar to a lime(ライムのようなもの)」と伝えた方が良いでしょう。
◆すだちの歴史
清々しいさわやかな酸味をもつ、すだち。歴史はどのようなものがあったのでしょう。
上記で説明した通り、すだちは日本が原産。
起源は明らかになっていないですが、1700年代前半の書物には、すだち(当時はリマンという名前)が記されているそう。偶発的に生まれたとも言われています。
すだちは、しばらく徳島県や近隣の地域で親しまれることが多かったのですが、1960年代に入ると商業生産が本格化。1993年に生まれたイメージキャラクター「すだちくん」の活躍もあり、全国に広がっていきました。
ちなみに、徳島県ではすだちの古木を大切に育てていて、名西郡神山町にはある木は推定樹齢200年あまりのものがあるそう! いつか見てみたいですね。
◆すだちの栄養
すだちは、ビタミンCやクエン酸、スダチサンなどの栄養素が含まれています。
ビタミンC… 免疫力向上・美肌効果・貧血の予防と改善に役立つ
クエン酸… 疲労回復・食欲増進
スダチチン… 糖質の代謝をサポートし体重増加を抑制、糖尿病やがんの予防・改善が期待できる
また、すだちの香りには免疫機能とホルモンバランスを正常に保つ効果があるそう。入浴剤や芳香剤の香りに使われているのは、その効果を狙っているのかもしれませんね。
◆すだちの選び方
美味しいすだちの選び方はこちら!
・ツヤとハリがある
・果皮全体が濃い緑色
・持った時に比較的重みを感じる
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すだちの花から種類・栄養・選び方まで紹介しました。すだちのもつ香りと酸味は、食材をおいしく引き立ててくれます。焼き魚(特にさんま)、刺身、麺類、冷やっこ、お酒とも相性抜群です。ぜひ秋の食卓に取り入れてみてください。