【略奪婚に至った30歳女性のケース】
愛花さん(仮名)は28歳から1年間不倫をした末に、いわゆる略奪婚に至ったのだそう。愛花さんから不倫相手である田村さん(仮名)に離婚を迫ったわけではなく、田村さんが自発的に離婚をして愛花さんとの再婚を決めたと話します。
「もちろん、彼が離婚して私と再婚してくれると言ってくれたときは嬉しかったし、不倫中も彼の離婚を密かに望んでいました。でも既婚者である彼と付き合った以上は、結婚できなくても仕方ないと思いながらの交際だったので、私から離婚を強く望んだことは一度もないんです」
田村さんと前妻の結婚生活は5年で、二人の間には子どもがひとり。親権は前妻がとり、田村さんは定められた養育費を支払う形で協議離婚をしたそうです。
「田村さんは私より収入がよかったし、養育費の支払いがあっても私との家計にはあまり影響がなさそうだったので、特に心配はしていませんでした」と愛花さんは当時を振り返ります。ところが…。
略奪婚2年目から「全てがうまくいかなくなった」
「結婚して2年目から、なぜか全てがうまくいかなくなりました。田村さんの勤務先はコロナ禍の影響もあって売上が激減。従業員のスリム化を目指すとかで、田村さんは正社員から業務委託へと契約が変更になって、事実上の減給に。少し減るくらいではなく、大幅に収入が減ってしまったんです。
それに加えて、フリーランスで働いている私も仕事の受注が減ってきて…。“お金に困ることはないだろう”と思って結婚したのに、毎日カツカツで節約をしないと日々の生活もままならない状況になってきたんです。
進めていた妊活も、まったくうまくいかなくて。だんだんと夜の生活がお互いに義務のように感じ始めて楽しくなくなり、もはやレスにもなっています。
さらには、命にはかかわらないものの田村さんに長期で通院が必要な病気が見つかったり、私が階段から落ちて足を捻挫したり、車をぶつけたり、買ったばかりの家電がすぐ壊れたりと明らかに災難続きで…」
周囲の状況が悪くなるにつれ、夫婦仲も落ち着かなくなり、心の距離ができてきたと話す愛花さん。今では、夫婦で一緒にいても楽しめず、なんとなくギクシャクした関係が続いているそうです。
「これって、不倫をしたバチが当たっているのかなぁと思います。略奪したくてしたわけではなかったけれど、略奪婚をしたことには変わりがないので、やっぱり因果応報というのはあるのでしょうか。
スピリチュアルや占いなどはまったく信じないタイプだったのですが、ここまで嫌なことばかり起きると、田村さんと結婚したことが間違いだったんじゃないかと考えてしまいます。今は、地獄で生活しているような感覚。あまりにも毎日が不安で、独身時代とは全然違う世界で生きているような感覚に陥っています。
このまま田村さんと一緒にいてもいいことが起きないような気がしていて、毎日がしんどい。とてもじゃないけれど明るい気持ちになれません。不倫の末に結婚をしても幸せになれないと聞きますけど、こういうことなのかもしれないなぁと痛感しています」
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並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。