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「みみっちい」とは?
「みみっちい」という言葉を聞いたことはありますか? 何となく言葉の響きから「方言じゃないの?」と思う人もいるかもしれませんね。しかし、「みみっちい」は特に限定した地域で使われている表現というわけではないようです。
一般的な辞書にも載っている表現なので、今まで使う機会がなかったという人は、この機会にぜひ使い方をマスターしてみましょう。
「みみっちい」の意味
「みみっちい」とは、「いちいち細かくてけちくさい性質」を表す言葉です。ちなみに、「みみっちい」の語源はよく分かっていないのだとか。とはいえ、なんとなく良いイメージを抱かない言葉の響きに感じるのが面白いですね。
「みみっちい」の言い換え表現とは?
「けちくさい性質」や、「気が細かい性格」を表す言葉は他にもあります。日常会話でも役立つ表現なので、ぜひ覚えてみてください。
1:しみったれ
「みみっちい」と最も近い意味の言葉が「しみったれ」です。「しみったれた性格」など、人や性格などの名詞の前について形容するときに使います。意味は「けちであるさま」。特に、金銭などを惜しんで出さないことや、そういう人に対して使うことが多いです。
2:吝嗇
「吝嗇」は、あまり見慣れない表現かもしれませんね。読み方も難しいのですが、「吝嗇」は「りんしょく」と読みます。意味は、「しみったれ」と同じように「けちであること」です。
「吝嗇なる父は奢侈なる子を生む」ということわざを知っていますか? 「奢侈」は「しゃし」と読んで、ここでは「浪費癖」を指します。つまり、「父親がけちだと、その反動で子どもは反対に浪費癖がつく」という意味の、皮肉的なことわざです。
3:せこい
くだけた表現で、恐らくみなさんにもなじみがある言い換え表現といえば、「せこい」ではないでしょうか。「みみっちい」の「けちくさい性質」というのは、言い換えれば自分が損をしたくないということです。
「せこい」は、自分が損をしないように器の狭い言動をすることといったニュアンスがあります。
「みみっちい」や言い換え表現の使い方を例文を用いて紹介
「みみっちい」の意味や言い換え表現は理解できましたか? 続いては、それらの具体的な使い方を紹介します。例文を参考に実践を繰り返すことで、語彙がきっと身につくはずです。
1:「10円でとやかく言うなんて、みみっちいにもほどがあるよ」
例えば、友人との食事でお会計をするとき、割り勘で会計をすることも多いでしょう。そんなときに、どちらか一方の手持ちが足りない、小銭がないなどの理由で、払う金額に差が出てしまうことがあります。
1000円、2000円ならまだしも、10円の差額で不満をぶつけてくる人も中にはいるようです。こういった細かいことでもけちけちしている人を「みみっちいにもほどがある」といいます。
2:「君は節約というが、これはもう吝嗇といっていいだろう」
「節約」も「吝嗇」もお金の使い方をコントロールすることですが、「吝嗇」は自分が損をしたくないというニュアンスが強いです。一方で、「節約」は必要なものがあれば購入します。「なるべくお金を使わない」という点では似ていますが、度を越してお金を使いたがらない、必要なものすらお金を出すことを惜しむという点で、「吝嗇」と「節約」は異なっているといえるでしょう。
3:「せこい手を使ってお金を稼ごうとしても、後で痛い目を見るだけだ」
金銭を出し惜しみして自分が得をするように立ち回ることを指す「せこい」。しかし、このような立ち回りをしていても、卑怯な手段はいつか自分に返ってきます。
例えば、アーティストの公演チケットを、定額以上で他人に売りつけて儲けようとする転売行為などは、もちろんペナルティを課せられることでしょう。場合によっては、重大な犯罪になってしまうかもしれません。
「みみっちい」人の特徴とは?
「みみっちい」人には、どのような特徴があるのでしょうか。身の回りに「みみっちい」人がいたら、トラブルに巻き込まれる可能性もあるため、要チェックです。
1:ものを捨てられない
「みみっちい」人は、いかに自分が得するかを考えがちです。そのため、「これは使える機会があるかもしれない」というように、ものを捨てずにとっておく傾向にあります。
2:余裕がない
態度や気持ちに余裕が見えないことも「みみっちい」人の特徴といえるでしょう。器が小さく、我先にと目先の利益に飛びついてしまうなんてことも。
3:過去のことを気にする
「みみっちい」人は、過去の栄光にいつまでもとらわれる傾向があります。特に、現状の自分に満足できていない人は、過去の栄光を語り、自分が大物であることをアピールしようとするのです。
「みみっちい」性格を直すにはどうしたら良い?
「みみっちい」人の特徴は分かりましたか? できれば「みみっちい」人にはなりたくないですよね。最後に、「みみっちい」性格を直す方法について紹介します。
1:自分を客観視できるようになる
「みみっちい」性格の人の特徴を見てきましたが、第三者の視点で見ると、格好いい人とはいえないですよね。まわりから、このような悪印象を抱かれたくないと思うことで、自分を律することができるようになるのではないでしょうか。
2:憧れの人を見つける
自分がこうなりたい、と思える人を見つけるのも効果的です。憧れる人はきっと器が大きく、けちけちしている人ではないはず。憧れの人を見つけ、その人のようになりたいと思う意識が、「みみっちい」自分をセーブしてくれます。
最後に
「みみっちい」とは、「いちいち細かくてけちくさい性質」のこと。度が行き過ぎると、かえって自分が損をしてしまうことも。自分の欲をコントロールできる、自律した人間は格好よく見えます。一度きりの人生、せっかくなら周りから憧れる人になれるように努力してみてはいかがでしょうか。
「みみっちい」人生は、出し惜しみをすることで、自分に影響を与えてくれる人と出会えなかったり、お金に変えられない体験を逃したりしてしまうこともあります。豊かな感性や経験はお金よりも大切なことではないでしょうか。
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