「現金な人」とは?
皆さんは「現金な人」と聞くと、どのような人をイメージするでしょうか。「図々しい人」「遠慮がない人」など、実際に身の回りにいる具体的な人を思い浮かべた人もいるかもしれません。
そもそも「現金な人」の定義とは何でしょうか。まずは、意味から確認していきましょう。
「現金な人」の意味
「現金な人」とは、「自分の都合やメリットを一番に考えて、場合によって全く違う態度を取る人」を指します。例えば、初めはAさんの悪口を言っていたにもかかわらず、Aさんが立場のあるえらい人だと分かると、急に媚びた態度を取って誉めそやしたりするなんてことも。
そういった、180度違う態度を取る相手のことを、「あの人は現金な人だ」や「現金だなぁ」と言ったりします。
「現金な人」の語源
では、人や場合によって自分の都合の良いように振舞う人のことを、なぜ「現金な人」と呼ぶのでしょうか。ポイントは「現金」という言葉にあります。
江戸時代までさかのぼってみましょう。一説によると、江戸時代はツケで支払いをする人が多かったのだとか。現代でもそうですが、「今度払うからツケといてよ」と言われるよりも、その場で支払われた方が、商売をする側にとってはありがたいですよね。
そのため、商売人は、ツケ払いをする相手よりも、現金で支払ってくれるお客さんにより良いサービスをするようになったのだとか。そのえこひいきをするような様子から、「現金な人」という言葉がうまれたという説があります。
「現金な人」の類語表現とは?
「自分にメリットがあると分かると、あからさまに態度を変える」というようなニュアンスを持っている言葉は、「現金な人」以外にもいくつかあります。続いては、「現金な人」の類語表現について、紹介しましょう。
1:お調子者
「お調子者」の読み方は、「おちょうしもの」です。「態度や調子をころころと変える人」のことを「お調子者」といいます。「現金な人」は、自分のメリットがある場合に態度を変えることが多いですが、「お調子者」は、「いい加減に調子を合わせる人」というニュアンスが強いです。
どちらかというと、適当に意見を合わせて、その場をのらりくらりとかわそうとする人に対して使われます。
2:打算的
「打算的」は「ださんてき」と読みます。「打算的」の意味は、「何をするにも損得を考えて行動すること」です。
例えば、「打算的な計画によって、今回のプロジェクトは大成功に終わった」「物事を打算的に考える人とは、うまく恋愛ができる予感がしない」など、「な」や「に」をつけて形容動詞として使われることが多い表現といえるでしょう。
3:御都合主義
「御都合主義」の読み方は「ごつごうしゅぎ」。「御」という接頭語をつけて敬意を高めているという点で、やや皮肉的な表現といえるでしょう。「ご都合主義」という場合もあります。
「御都合主義」とは、「自分の意見を持たず、その場の雰囲気や都合に合わせて、態度を変えること」、そしてそういった性質を持っている人のことを指す言葉です。
「あの人は御都合主義でうらやましいことだ」など、自分の損得にあわせて態度を変える人を皮肉る時に使われることが多く、あまり良い意味ではありません。
「現金な人」の特徴を紹介
続いて、「現金な人」はどのような特徴を持っているかについて具体的に迫ってみましょう。周りに特徴が当てはまる人はいませんか? そして、自分に当てはまっていないかどうかも、あわせてチェックしてみてくださいね。
1:周りからの評価を気にする
「周りから良く思われたい」「高く評価されたい」という気持ちから、その場にとって自分の株が一番上がる選択をしてしまうという特徴が。その場限りの都合で意見を言ったり、態度を変えてしまうため、別の場面では矛盾が生じてしまうことも。
2:言い訳が多い
「現金な人」は嘘や言い訳が多くなる傾向にあります。なぜなら、先述したように場合によって意見や態度を変えるため、矛盾が生じた場面ではその弁明をしなければならなくなるからです。
加えて、なるべく自分の評価を落としたくないと考えるため、嘘をついてしまうことも少なくありません。
3:やる気の差が激しい
自分にメリットのある活動や相手の前では、やる気を遺憾なく発揮するのですが、自分に必要のないことには興味をしめさないところも、「現金な人」の特徴といえるのではないでしょうか。得られるはずのメリットが得られないと分かると、途端に投げ出してしまうなんてことも。
「現金な人」への対処法とは?
場合によって態度や意見を変える「現金な人」に翻弄された経験がある人も、少なくないのではないでしょうか。一緒にいることで、こちらに被害が及ばないようにするには、どのように対処すれば良いのでしょうか。
最後に、「現金な人」への対処法を紹介します。
1:日頃から信頼関係を築く
「現金な人」の中には、自分が得をするためにこちら側の嘘を言ったり、誇張した表現をしたりして評価を下げようとしてくる人もいます。それを周りに鵜呑みにされないよう、日頃から周囲の人との信頼関係をしっかり築いておきましょう。
「現金な人」が何を言っても、自分のことを信じてもらえるようにしておくことで、被害を受けにくくなるのではないでしょうか。
2:口約束は控える
目に見えない口約束は、いざという時に証拠がなくなってしまうため避けた方が得策です。メッセージでのやり取りにしたり、記録を取るようにして対策しておきましょう。
3:自分の意見は明確にしておく
「現金な人」にうっかり自分の意見まですり替えられないように、自分の意見や思いは明言しておきましょう。そうすることで、「現金な人」へのけん制に繋がるのではないでしょうか。
最後に
「現金な人」とは、「自分の都合やメリットを一番に考えて、場合によって全く違う態度を取る人」のこと。「現金な人」は、時に周りを巻き込んでしまうことも。特にビジネスシーンにおいては、今後の利益や取引にも直結しますので、日頃から対策を考えておいた方が安心できるかもしれませんね。
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