「愛想笑い」とは?
意味
「愛想笑い」とは、相手の機嫌をとるために笑ったり、笑顔でいることを指します。愛想というのは人当たりの良い態度のことで、他人へよい感じを与えるために「愛想笑い」することが多いでしょう。例えば友人や上司がジョークを言い、それが面白くないと感じた時に、その場の雰囲気を壊さないようにニコニコしておくことは「愛想笑い」していると言えます。
「愛想笑い」する人の心理
日本人は「愛想笑い」をすることが多いと言われています。中には「愛想笑い」が癖付いてしまった方もいるのではないでしょうか。ここでは「愛想笑い」する人の心理について触れていきたいと思います。皆さんも当てはまるものがあるかチェックしてみてくださいね。
1:場の雰囲気を壊さないようにするため
ビジネスや友人同士の会話で、周りのノリについていけない時ってありますよね。でもそんな時、あきらかに不機嫌な顔をしたり、退屈そうな顔をしてしまうと周りの人の気分を害し、雰囲気も悪くなってしまうでしょう。心の中で楽しさや面白さを感じていなくても、表情は笑顔でいることで、楽しい雰囲気のままその場を乗り切ることができるのです。これは気遣いの一種ですね。
2:言葉でのコミュニケーションが苦手である
相手の話に対して上手く反応できない時に「愛想笑い」はよく使われます。コミュニケーションが苦手な方は特に「なんて返答するのが正解なのだろう」と戸惑ってしまうことが多くありませんか? そんな時にとりあえず笑っていれば、話す内容を考えなくても会話が成立するので、「愛想笑い」をしてしまうのです。
3:本音を隠すため
本音をはぐらかすために「愛想笑い」をすることもあります。例えば、あまり答えたくない質問をされた時に笑ってごまかすなどの経験はありませんか? ビジネスやまだ仲が深まりきっていない友人同士だと、「愛想笑い」が増えてしまうかもしれません。
4:相手に良い印象を与えるから
やはり真顔でいるのと笑っているのでは、後者のほうが印象が良いですよね。皆さんも、笑顔で話を聞いてもらえるとなんだか良い気持ちになりませんか?
「愛想笑い」は面白くないのに作り笑いしている、というネガティブなイメージがあるかもしれませんが、一概に悪いことではありません。愛想を良くするための手段ですので、相手に良い印象を持ってもらいたいと思うと自然と「愛想笑い」をしてしまうのです。
「愛想笑い」しない人とは?
ここまで「愛想笑い」する人の心理について解説しました。気を遣うためや、相手に良い印象を与えるために「愛想笑い」をするようですね。では反対に「愛想笑い」をしない人とはどんな人なのでしょうか。以下では、「愛想笑い」しない人の特徴を3つ挙げています。
1:八方美人ではない
誰からも好かれようと思うと、自分自身を取り繕ってしまいますよね。「愛想笑い」をしない人は、たくさんの人に好かれようとはせず、ありのままの自分を受け入れてくれる人がいればそれで良いと考えます。たとえそれが少数であっても、自分にとって無理のないような人間関係を作るのです。
2:狭く深い友人関係を持っている
「愛想笑い」をしない人は、少数の友人と仲を深めていく傾向にあります。ビジネスでは難しいですが、プライベートの友人関係では「愛想笑い」をしなければいけないような付き合いを選ばず、気を許せる友人と深い関係性を築くことを重視しているのですね。
3:自分の素を出している
「愛想笑い」をしない人は、無理をしない素の自分の姿を保っています。「愛想笑い」をする人は、何を考えているか分からず信頼しにくいというデメリットがありますが、素の姿を出してくれている人は信頼関係を築きやすいですよね。「愛想笑い」していないから、愛想が足りないというわけではなく、無理のない等身大の姿で接しているのです。
「愛想笑い」をやめて楽に話せる方法
「愛想笑い」しなくても楽にコミュニケーションをとりたいですよね。ここでは、無理せずコミュニケーションをとるポイントを4つ紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
1:嫌われてはいけないと思いすぎない
「この人に良く思われないと…」と思い込んでしまうと、かえってストレスになってしまいます。相手側としても、あなたがずっとこわばっていると話しづらいと感じるはず。お互いが話しやすい環境を作るためにも、まずはリラックスして、考えすぎずに会話を楽しみましょう。
2:思ったことを言っても良い
なにも思ったことを心の中に全部とどめる必要はありません。素直なコミュニケーションを取れた方が、相手との心の距離も縮まるでしょう。大切なのは、言い方に気をつけることです。言い方1つで相手の気分を悪くさせてしまうのでそこは慎重に。
3:無理にその場にいなくてもOK
ずっと「愛想笑い」をしなくてはいけない関係性ならば、そこはあなたには合っていないのかもしれません。そんな時は無理してその場の雰囲気に合わせておくのではなく、他の環境へ移るのも良いでしょう。無理をしていないありのままのあなたが楽しめる場所は他にもきっとあるはずです。
4:「愛想笑い」の概念を変える
ビジネスにおいては、「愛想笑い」をやめること自体難しい場合もあるでしょう。そんな時は「愛想笑い」に対する意識を変えてみてはどうでしょうか。「無理して笑わなくてはいけない」ではなく、「相手への思いやりや気遣いとしてのマナー」として考えてみてください。このように「愛想笑い」を割り切って考えてみると、少しは楽になるかもしれません。
最後に
「愛想笑い」は悪いことではありませんが、相手にとっても自分にとっても、距離を縮めづらい原因となってしまいます。まずはなぜ自分が「愛想笑い」してしまっているのか考えてみましょう。その場の雰囲気についていけないのか、言いたいことを言えずにいるのか、などの場合によって、改善方法も変わってくるはずです。
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