「旧態依然」の意味
「旧態依然(きゅうたいいぜん)」は、「もとのままで変化や進歩のないさま」「昔のままで進歩や改善がないさま」を表す言葉です。
昔のままなの古い体制や状況を表す際に用いられる四字熟語で、あまりいい意味ではなく、批判や皮肉を含んだニュアンスで使われます。
「旧態依然」の由来・語源
「旧態」は「昔からの状態、ありさま」「以前のまま」という意味があり、「依然」は「前と変わらないさま」という意味があります。
どちらも似たような意味を持ち、それぞれ単体でも使われることがあります。
由来は解明されていませんが、明治から昭和初期に活躍した小説家・正宗白鳥の作品に文言が記されています。
「旧態依然」の使い方を例文付きで紹介
「旧態依然」は、「旧態依然とした〜」という使い方をすることが多いです。
ビジネスシーンで「旧態依然」を使う場合、「昔のままで進歩がないさま」を表すことから、「古い体制・体質のままで変化がない」「時代遅れ」という意味になるので、使い方には注意が必要です。
転職をして、前の会社が旧態依然とした会社だったことを実感した
会社によって働き方や評価制度などは様々です。特に、長い歴史を持つ会社と立ち上げから間もない会社では、制度や方針も大きく変わってきますよね。
働いている時にはそれが当たり前でも、働く場所が変わることで違いを実感した経験がある人も多いのではないでしょうか。
いまだに年功序列や残業する人が良しとされるような旧態依然とした文化が残っている
バブル崩壊前、日本企業の多くは年功序列の制度をとっていました。
会社のためにがむしゃらに働く社員を「モーレツ社員」「企業戦士」などと揶揄する時代もありましたが、現在は働き方改革もあり、ワークライフバランスを重視する方が多いのではないでしょうか。
休日出勤や残業をして会社に貢献することを良しとする文化が残っていると、「旧態依然としている」と言われるかもしれませんね。
旧態依然とした働き方を変えないと、人手不足を解消することはできない
前述した「モーレツ社員」や「企業戦士」といった働き方は、現代の日本では敬遠する人も多いかもしれません。
時代に合わせて評価制度や働き方、会社の方針などを変えていかないと、人材不足や社員の不満の原因になってしまうかも…。企業にとって教訓にもなる言葉ですね。
旧態依然の考え方をしている両親とは馬が合わない
働き方だけではなく、価値観も時代に合わせて変わっていきます。例えば、終身雇用が当たり前だった時代もあれば、今は副業やフリーランスでの働き方が増えてきている時代。
大人と子供では如実に価値観の違いが出ますよね。たとえ家族でも、考え方が違えば衝突があって当たり前。時代に合わせて価値観や考え方、常識も変わることを忘れないようにしたいですね。
テクノロジーがこれだけ発展してるのに、いまだ行政は旧態依然としたシステムが多い
技術の進化でDXも進んでいるとはいえ、まだまだ昔ながらのシステムを使い続けている所は多くあります。
例えば選挙。これだけインターネットが普及していても、いまだWeb投票が整備されていません。
役所に行って手続きをしないといけないことも多いことや、給付金の誤送金で大きな話題になった「フロッピーディスク」もその一つかもしれませんね。
「旧態依然」の英語表現
old-fasioned
「古風」「昔ながらの」という意味があります。伝統を重んじたり昔を懐かしむなど、人の行動や考え方に対して良い意味で使われることが多いようです。日本でも商品名に使われるなど親しみのある表現ですね。
remaining unchanged
ややネガティブな意味で用いる場合は、「remain unchanged」を使います。「変わらないまま」「昔の状態のまま」といった意味があります。
最後に
「旧態依然」は、会社や制度、考え方など、いろんなものに対して使える言葉です。
ただ、「古臭い」「昔のままで進歩がない」といったネガティブなニュアンスで使われることが多いので、使う場面には気をつけたい言葉でもあります。
正しい意味や使い方を理解することはもちろん、教訓としても覚えておきたいですね。
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