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2022.08.09

米国出産のリアル#2 産後の苦しみ。娘の難聴疑惑と流暢でない私の英語力との葛藤…<元テレビ朝日プロデューサー転職実録#51>

仕事と自分の人生を見つめ直す社会人10年目。今回は、娘の新生児スクリーニング検査で判明した、聴力についての疑念について。元バラエティ番組の女性プロデューサー 古瀬麻衣子が考える「理想の人生」への近づき方。

古瀬麻衣子

これまでの連載はこちら

産後で一番悩んだ、娘の聴力

8月に入り、暑さも加速する日々ですね。私は今月末で38歳になります。

なかなか大人になってきたなと数字だけを見ると思うわけですが、何歳になっても新しい境遇や試練は付きもの。結局、自分の未熟さや情けなさを日々痛感しながら、3歩進んで2歩下がる毎日です。

今回はそんな私が今年最も涙して、苦しくて、憔悴した話をします。

前回からの続き。

NYで生まれたばかりの娘と2人きりの生活に毎日悪戦苦闘だった今年の1月。

実は私を一番悩ませていたのは、娘の聴力についての疑念でした。

生まれてすぐに新生児スクリーニングという身体能力の検査があり、36時間しかない入院中に小児科医が何度も病室を訪れ、様々な検査がありました。その中で唯一、娘の右耳の聴力に医師が首を傾げました。

その検査だけでは難聴という判断は出来ないものの、検査の結果は正常とパスできず。ただ、生まれたばかりの赤ちゃんは羊水が耳に残っている可能性が高いので、明日もう一度やってみましょうと。

私の心臓がドクンと大きく音を立てたのを今でも覚えています。

医者と患者
(c)Shutterstock.com

その翌日、退院を目前に再度検査。

検査技師が器具を丁寧に扱いながら波形を見るも、表情が曇ったまま。私はその顔を一度も瞬き出来ないくらいの真剣さで見つめるしかありませんでした。ただ、すでに涙が溢れ出しそうで、ギリギリ堪えて堪えて。

結果、2度目も正常とパス出来ず。産後のホルモンバランスも手伝って、急に声を出して泣き出した私を医師とナースと夫が3人がかりでなだめるという、なんとも悲惨な光景。

小児科医は「新生児には珍しくないことだから、2週間後に再度検査しましょう!」とvery commonと何度も言うのですが、私はそれでも泣き止むことが出来ませんでした。

まだたった2日しか一緒に過ごしていないのに、今すぐ私の内耳を取り出して、娘にあげようと思ったほど、親の愛とはすごいものです。

このままアメリカで検査を続けるべきか、万一のために家族のそばで日本に帰って検査するべきか

そして、さらに2週間後。すでに夫は日本に帰国しており、私はUberで40分もかけて1人で病院へ娘を連れて行きました。結局、精密検査したら大丈夫だったというパターンだろうと鷹を括って。

しかし、その検査でも右耳は問題なしというお墨付きをもらうことが出来ませんでした。

検査技師は「これで難聴と診察された訳ではない。生憎今日はドクターがいないので、また後日ドクターと話してください」と。

おいおい、再再検査なのに、なぜ医師がいないんだ。往復$100以上の交通費をかけて、また医師に会うために病院に来なければならない。しかも日程は追って連絡すると。

苛立ちはあったものの、私はもう泣きませんでした。検査室を出た後、ベビーカーを引いて目の前にあった椅子に座り、これからどんなことを母親としてやっていくべきか頭をフル回転させました。

このままアメリカで検査を続けるべきか、万一のために家族のそばで日本に帰って検査するべきか。

その先は、、、。今できる最善を、と必死でした。

悩む女性
(c)Shutterstock.com

そんな私の想いとは裏腹に、次回の医師の診察や精密検査の日程連絡が1週間経っても来ませんでした。問い合わせても、別の担当から連絡させますと言われるだけ。

もっと英語が出来ていたら食い下がれたと思うのですが、ゴネることが出来ず、言われるがままに待つしかない自分。

毎日、愛する娘に対して、右側が聞こえていそうか、音を鳴らしてみたり、話しかけたり、意味があるか分からない行動を取り続け、2週間ほど経ったところで病院から電話が。「次の予約は2ヶ月後です」と。

その瞬間、私の中の糸がプツッと音を立てて切れました。いくらコロナ禍で予約を制限しているとはいえ、そこまで予約が取れないのか。2週間も待たせて、そんな話かと。

しかし、知り合いの医師に相談するも、他の病院に行ったら、また一からの検査になるから、もっと時間がかかるかもしれない。苦しくても、待つしかない。アメリカではこれは珍しいことではないと。

なんて苦しいんだ。ここに居たら出来ることがない。

問題は片耳とはいえ、もし聞こえていないのであれば、早めに音が入るように出来ることがあるかもしれない。

このまま、ニューヨークでいたずらに時間を過ごすことが私にはどうしても出来ませんでした。

毎晩、夫に電話で相談し、一度日本でしっかり検査すべきかどうか、それは早めに可能かどうかを調べ続けました。いくつかの病院に連絡をしたところ、帰国すれば隔離後、1〜2週間以内に検査が出来ることが分かり、私は心を決め、マンハッタンにある日本領事館へと向かったのです。

その先のお話はまた次回。

(ご心配頂かないために結論だけお伝えすると、最終的に娘の聴力に問題はありませんでした。そこまでの道のりは平坦ではなかったものの)

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古瀬麻衣子

1984年生まれ。一橋大学卒。テレビ朝日に12年勤務。「帰れま10」などバラエティ番組プロデューサーとして奮闘。2020年、35歳で米国拠点のweb会社「Info Fresh Inc」代表取締役社長に就任。現在NY在住。日本人女性のキャリアアップをサポートする活動も独自に行なっている。

Instagram:@maiko_ok_
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