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2021.12.13

海外で妊婦。家も身内の助けもナシ!? 状況を打開する策はたったひとつ!<元テレビ朝日プロデューサー転職実録#46>

仕事と自分の人生を見つめ直す社会人10年目。今回は、私の妊婦としての珍道中の話。元バラエティ番組の女性プロデューサー 古瀬麻衣子が考える「理想の人生」への近づき方。

古瀬麻衣子

どんな状況でも楽しむ! アメリカでの妊婦経験談

これまでの連載はこちら

12月も中盤に入りまして、わたくしもとうとう臨月真っ只中! 出産前にあれもこれも終わらせなければ! と慌ただしい毎日を送っています。

そんな今回は、ちょっとレアケースな妊婦経験をしている私から、これまでを振り返って、シェアしたいことを書いてみようと思います。

こんな経験を自らやりたい人はあまりいないと思いますので、大して実践的な参考にはならないと思いますが、妊婦の珍道中として読んでください。

妊婦と思えない状況に陥ったニューヨークでの出来事

妊娠5ヶ月に入るところで日本からニューヨークに戻りました。夫は日本、私はニューヨークの遠距離婚ですので、当然ひとりで渡米です。

つわりは終わりかけていたので、14時間のフライトもそんなに苦ではなく、妊婦ということでCAさんから手厚いケアを受けて、他の乗客よりも、パンやらフルーツやら、いっぱい食べ物を与えられ、快適に飛行しました。

(c)Shutterstock.com

そこから急に、人生初めてのシェアハウスでの生活がスタートします。まさか妊娠してニューヨークに戻ると思っていなかったので、家賃を押さえるため、英語を上達させるためにこの選択をしていました。

日本人2名、フィリピン人2名の女だらけの家。

妊娠して入居してきた私に、みんな笑うしかないと言った状況でしたが、結果として、体調を気遣ってくれたり、話し相手になってくれたり、栄養のあるものをお裾分けしてくれたり、ここで過ごした4ヶ月は私のメンタルを安定させてくれるに足りる、貴重な時間でした。

とにかくフィリピン人の2人はお米が大好き、毎日ご飯を炊いてくれるので、いつでもご飯にふりかけが出来る生活でした。米が切れたことがない、お国柄。

しかし、出産後もこのシェアハウスに住み続けるかどうかという点で議論が起こったことは言うまでもありません。

みんな働き盛りの20〜30代で、全員リモートワークなので、日中はオンラインの会議だらけ。会議が被ると、静かな場所を家の中で確保するのに、みんな必死でした。

そんな場所に新生児が現れて、昼夜問わず泣くことになったら…。ひとり暮らしの寂しさに戻る不安があった私は、自分から引っ越しを言い出せないままでいたのですが、あるルームメイトから率直に相談をされました。

赤ちゃんと一緒に、この忙しい毎日を過ごせる自信がない」と。

正直なところ、最初はショックでした。受け入れてくれていると思い込んでいた部分もあり、また引っ越し&妊婦ひとりニューヨークで暮らすと思うと、不安が増大してしまいました。

普通なら、赤ちゃんを迎えるために家の中を整えたり、巣作りをする時間に、私は不動産情報を毎日検索し、最後はAirbnbまで視野に入れて、頭を抱える日々でした。

赤ちゃんが住む家がない」。こんな母親のところに産まれてくるのが不安だろうなと内心思いつつ。

とまあ、早々に妊婦と思えない状況に陥ったわけですが、捨てる神あれば拾う神ありな訳で、年内に日本に本帰国する友人が現れ、「今のマンションの契約が残っているから、うちに住んでいいよ!」と、いくら感謝してもし切れないくらいのボールが飛んできました(私、やっぱり運を持ってるなと急に自画自賛)。

第一関門クリア。

アメリカ故に身内のヘルプはなし

(c)Shutterstock.com

続いて、出産後のヘルプに日本から母親が来てくれない問題。

コロナ禍にあって、60歳超えの母親をアメリカまで来させること自体が難儀な話ですが、さらに私たち世代の母親は、自分の親の介護の時期とも重なっており、老人か新生児か、選択が難しい。

まだまだ現役で仕事もしているので、「そんなに長期で仕事を休めないんだよね〜」とも言われ、母親の渡米は期待出来ません。身内のヘルプがゼロか、、、と一瞬は暗い気持ちになったこともあります。

ただ、あるニューヨークの友人からこんなエピソードが。

「アメリカに住んだこともない、英語も話せない親が家に泊まり込みで来ると、出産後疲れ切った状態で、結局気を遣う領域が増え、親に当たってしまい、最後は親がホテルに宿泊して、距離を置く羽目になった」と。

容易に想像出来ました。実家に里帰り出産するわけじゃない。上げ膳据え膳は期待出来ない。それなら、親の渡航費をベビーシッター代に代えて、ビジネスライクにやるべきことをやってもらう方がよっぽど気楽だと。

退院した夜からベビーシッターに来てもらうことが決まり、少なくとも産後1週間は毎日、夜から朝にかけて勤務をしてもらいます。私は授乳の時だけ起こしてもらうという段取りです。

これで1週間で約20万円。安くない。でも、まさに飛行機代です。

日本にいる夫とは当然会えない

(c)Shutterstock.com

最後は、夫と出産ギリギリまで会えない問題

これは予期せぬ事態ではありませんが、5ヶ月も離れていると、寂しさが募るのは当たり前。

ある整体師の人が、旦那さんがお腹を触ったり、手を繋いだりスキンシップすることで、幸せホルモンとかいうオキシトシンが分泌されて、お産が楽に進むなんて話をしていました。

私は、どの妊婦さんよりも、オキシトシンが出てないじゃないかと愕然としました。夫がニューヨークに来るのは出産予定日の5日前です。早めに産まれたら間に合わない可能性も大。

オキシトシンには頼れない。

それでもポジティブなことは?

(c)Shutterstock.com

しかし、ひとつだけうまく いっている事があります。

現在、ひとり暮らしである私は、全て自分のペースで過ごす事ができるので、仕事も、家事も、誰かを気遣ったり、合わせたりする必要がありません。

夫の食事を準備する必要もなく、掃除も気が向いたらすればいい。好きなだけ朝は寝て、自分の大事な仕事のために心ゆくまで働いています。

意外と、ストレスフリー

出産直前、ひとり暮らしも悪くありません。この先、ひとり暮らしなんてまず戻ってこないわけですから。

と、長々と3つの視点から私の近況をシェアしました。

要は、どんな状況でも、好転させながら、楽しんでいけば、それが最善と思えるという事です!

◆これまでの連載はこちら

古瀬麻衣子

1984年生まれ。一橋大学卒。テレビ朝日に12年勤務。「帰れま10」などバラエティ番組プロデューサーとして奮闘。2020年、35歳で米国拠点のweb会社「Info Fresh Inc」代表取締役社長に就任。現在NY在住。日本人女性のキャリアアップをサポートする活動も独自に行なっている。

Instagram:@maiko_ok_
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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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