ついうっかり!? コーヒーを淹れる際のNG行動3選
コーヒーを淹れるときの基本的なステップのなかには、もっとおいしく淹れることのできるポイントがいくつかあるそう。
コーヒー専業メーカーUCCで、初心者から上級者までを対象にコーヒーの奥深さを教える教育機関「UCC コ ーヒーアカデミー」の講師を務め、優れた抽出技術を競う「ジャパンブリュワーズカップ 2014/2015」にて準優勝した経験を持つ村田果穂講師に、自宅でコーヒーを淹れるときにとってしまっている間違った行動と、よりおいしくコーヒーを楽しむための正しい知識を教えていただきました。
◆NG行動1:朝一番の水道水を使う
朝一番の水道水をそのまま使用してコーヒーを淹れるのはNG行動。水道管に一晩留まっていた水は、塩素が薄くなり殺菌作用が弱まっているため飲料用には向かないとのこと。
特に旅行などで長期不在だった際の水道水には要注意で、初めにバケツ1杯分程度の水(約1〜2分ほど)を蛇口から流し、その後沸騰させて使用するとよいそうです。
◆NG行動2:沸騰したてのお湯で抽出する
沸騰したての熱すぎるお湯を使用しての抽出もNG行動のひとつ。実は100度近い高温のお湯は、苦味、渋味、雑味といった成分が出やすくなってしまい、おいしさが半減。コーヒー抽出には92°C〜96°Cの沸騰から少し落ち着いた温度が最適といわれており、苦味、酸味、甘さをバランス良く出すことできるのだとか。
正確な温度を測ることが難しい場合は、煮立ったお湯をいったんドリップポットに移し替えると◎。移し替えるツールがない場合は、沸騰後1〜2分待ってから使用することがおすすめ。気泡がない穏やかなお湯の状態になり、92°C〜96°Cに近しい温度帯で抽出できるそう。
そのほか、急須などの口先が細くなったツールで代用することもできると言います。
▲ボンマック|ワンドリップポット350ml
◆NG行動3:メジャースプーンの容量を知らずに使用する
コーヒーのおいしさを決めるものとして、コーヒー粉とお湯の量は重要な要素のひとつ。コーヒー粉1gの違いだけでも味わいに違いが出るため、メジャースプーンできっちり測ることが大切なのだそう。
でも、一見同じように見えるメジャースプーンもメーカーによりさまざまなサイズが存在し、容量も異なりますね。どうすればよいのでしょう?
「ドリッパーなどに付属していたメジャースプーンを長く使い続けている場合やお使いのメジャースプーンの容量がわからない場合には、一度容量を計量し、把握しておくと良いでしょう。
ちなみに、UCCでは、140ccほどのスタンダードカップの場合、コーヒー粉12gに対してお湯160ccを使用するレシピを推奨しています。
ただし一点注意すべき点は、同じすりきり一杯でも、焙煎度合いによって体積が変わるということです。一般的に浅煎りは重く、深煎りは軽くなります。おいしさを突き詰めるのであれば、1グラム単位や0.1g単位で測れるスケールの使用することがおすすめです」(村田講師)
▲コーヒー用メジャースプーン一例
コーヒーの味を損なわないための保存方法
コーヒーのおいしさを損なう大敵は、酸素、湿気、高温、紫外線の4つ。コーヒーを守るには、保存方法が一番重要だと言います。
「そもそも劣化はコーヒーの油脂成分が酸化することによって起こり、酸味が強くなったり香りがなくなったりしてしまいます。劣化は温度が高いほど早くなり、逆に保存温度が10°C下がると劣化のスピードも半分になります」(村田講師)
おすすめ保存方法はこちら!
◆おすすめ保存方法1:密閉できるコーヒー保存容器を使って
「コーヒーを劣化から守るには、遮光性のある密封できるコーヒー保存容器を使うのがベストです。ガラスの保存容器を使う場合は、コーヒーの入っている袋のまま開けた口をテープで止め、そのまま容器に入れるのがおすすめです。コーヒーが入っている袋は元々、酸素、湿気、高温、紫外線の影響を受けない作りになっています。なお、容器の大きさは、飲む頻度、量によって選ぶようにしましょう」(村田講師)
▲袋のまま容器に入れるイメージ
◆おすすめ保存方法2:長期保存したい場合は冷凍庫へ
「コーヒーの保存期間は、常温で、豆なら1ヶ月、粉では7日〜10日程度です。長期に保存したい場合は、冷蔵庫より冷凍庫保存がおすすめです。ただし解凍の際に、空気中の水分が結露してコーヒーに触れてしまうと劣化を早めてしまうので、空気に触れない真空包装などで保管します。
電子レンジや湯煎での解凍も、熱が劣化の原因となる可能性が高いため控えましょう。また、冷凍、解凍を繰り返すのもコーヒーにとって好ましくないため、一度に使う分を小分けにして冷凍保存するのがベストです」(村田講師)
◆ポリ袋保存は避けましょう
「チャック付きポリ袋などの口が閉じられる透明な袋に入れて保存するのはなるべく避けましょう。遮光性と密閉性に欠けるため、コーヒーの大敵である紫外線、湿気や酸素を遮ることが難しいためです」(村田講師)
◆インスタントコーヒーの内蓋は少し残して使うとおいしさ長持ち!
インスタントコーヒーの場合、シール等で内蓋がされているケースがありますが、取る際には完全に取り除いてしまおうとせず、口の周辺だけ残しておくようにしましょう。蓋と瓶の口の間でパッキンの働きをし、湿気を防いでくれるのだそう。
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すぐにできそうなものばかりでしたね! ちょっとしたことを心がけることで、いつもより美味しくできるなら、やらない手はないですね。ぜひ取り入れてみてください。
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