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「元サヤ」の意味とは?
そもそも「元サヤ」とはどういう意味が知っていますか? 年齢によっては、この言葉自体初めて耳にした、なんて人もいるかもしれませんよね。
実は「元サヤ」は、「元の鞘に収まる」という慣用句を略した言葉。辞書で調べてみると、
元(もと)の鞘(さや)に収(おさ)ま・る
いったん絶交または離縁した者が、再びもとの関係に戻る
小学館『デジタル大辞泉』より引用
とあります。
「鞘」とは「刀剣類の刀身の部分や、筆・鉛筆の先や、またはメガネ等を入れて保護するための覆い」のことを指します。
つまり元サヤとは、「元々あったところに戻る」ということです。
「元サヤ」の使い方を例文でチェック

「元サヤ」の意味がわかったら、続いては実際に例文を用いて使い方を見ていきましょう。「元サヤ」は、一度破綻した人間関係が修復されるという意味ですが、一般的には恋愛に限定して使われることが多いでしょう。
「別れてからしばらく会っていなかったが、最近偶然再会し、なんと元サヤに戻ってしまった」
別れた恋人とその後接点がなかったのに、たまたま仕事や飲み会で顔を合わせることがあり話をすることに。かつては親密な関係を築いていた者同士、しゃべっているとつい心地よく感じられることもあるでしょう。話の中でお互いにフリーだったことが判明し、「また付き合う?」なんて話に発展するというのは、そう珍しくもない話ですよね。
「一途な彼は、振られてからも元サヤに戻ることをあきらめていない」
恋人に一方的に振られてしまうと、そう簡単に思いを断ち切ることはできないもの。相手に対する一途な思いは日増しに募るばかり。さりげなく連絡を取り続けたり、記念日にプレゼントを贈ったりと、あの手この手で元サヤに戻れるように努力する人もいます。
「元サヤに収まったはいいものの、相変わらずの脳天気さにイライラしてしまう」
何か不満になる原因があって別れたのに、ズルズルと会い続けているうちに、なんとなく元サヤに戻るなんてことも恋愛あるある。でも、そこで根本的な話し合いがされていないと、結局また同じことの繰り返しになるでしょう。一度別れたのに、何も反省していないの? なんていうイラ立ちにつながってしまうことも、往々にして起こるものです。
現在でも「元サヤ」という言葉を使う?
※アンケートは20〜39歳の日本全国の女性を対象にOggi編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数120名(未回答含む)。
まずは、100人の女性に、「元カレとまた付き合うことを『元サヤ』という言葉で表現することがありますか?」と質問。結果は、「ある」…35%、「いいえ」…65%となり、「元サヤ」を使う人は全体の約1/3と少数派なことがわかりました。
以前はもっと多く使われていたように思いますが、今はほかの言葉に置き換える人が増えているのでしょうね。
「元サヤ」を今では何と言う?

ネットで調べたりしても「元サヤは今や死語」という表現にぶつかることも。そこで、今はみんなどのような言葉を使っているのかリサーチしました。
復縁
ふたりの関係について「ご縁」があって付き合っていたという意味から、ご縁が復活する「復縁」という呼び方が浸透しつつある様子。周囲の人に対して説明する際にも「ご縁がまたつながった」というイメージが湧き、幸福な雰囲気が感じられるのもいいところかもしれないですね。
「普通にそのまま復縁という」(20代・東京都)
「純粋に復縁」(20代・千葉県)
「元カレと復縁」(30代・神奈川県)
ヨリが戻る
ヨリとは「ロープなどの繊維がねじり合って解けなくなっている状態」のこと。それがバラバラに解ける=つながりが失われることを意味するので、また付き合い出すことについては「ヨリを戻す」という表現になるんでしょうね。わりとカジュアルな表現として使われやすいようです。
「ヨリが戻る」(30代・大阪府)
「ヨリを戻すと言います」(30代・栃木県)
元恋人と「元サヤ」経験はある?
※アンケートは20〜39歳の日本全国の女性を対象にOggi編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数120名(未回答含む)。
元サヤの意味がわかったところで、「実際に元サヤに戻った経験があるかどうか」を、女性100人にリサーチしました。結果については、「ある」…21%、「ない」…79%となり、2割近くの人が「元サヤ」を経験していることがわかりました。
元恋人と「元サヤ」に戻ったその後とは?
※アンケートは20〜39歳の日本全国の女性を対象にOggi編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数120名(未回答含む)。
次に気になるのは、「元サヤに戻ったその後はどうなったのか」という点。そこで追跡調査してみたところ「そのまま付き合った」…14.8%「別れた」…74.1%、「結婚した」…11.1%との結果に。
1/4近くを占めたのが「別れた」という答え。一度別れるような理由があったことを考えると、その後の復縁したとしてもそう簡単ではないのが本音といえるのではないでしょうか。
ただ、見逃してはならないのが、少数ではありますが「結婚した」人もいること。復縁という勇気のいるステップを踏んだことにより、絆が深まった結果といえそうですね。
「元サヤ」に戻れば一件落着…ではないのが恋愛の難しさ
「元サヤ」が示す「復縁」、「ヨリを戻す」は、恋バナにおける頻出ワードといえるでしょう。すっきりとせず未練が残ってしまうような別れ方を経験をしていたり、一方的に振られてあきらめることができなかったり…その気持ちを引きずったまま相手と再会したなら、元サヤを期待してしまうのも納得です。
また、付き合っているときから「もう別れる!」なんてやり取りを何度も繰り返しているようなカップルは、周りから「なんだ、結局元サヤじゃん〜」なんていじられることも多そうです。でも、それって本人たちにとっては幸せなことですよね。
もし、かつての恋人と元サヤに戻った場合は「これで一件落着!」とひと安心してしまうのではなく、そこからより良い関係を築けるようにお互いに話し合ったり、歩み寄る必要があります。その努力が、これからのふたりの人生を大きく変えることになると心得ておきたいものですね。
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