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2022.07.12

「できる自分」でいたかった20代前半は鬼みたいだった。今は「怒ってもしょうがない」という境地に。

選択の多い女性の人生に、決断は欠かせないもの。各界の第一線で活躍する先人たちは、どんなターニングポイントを迎えてきたのか。人気コスメブランド『Fujiko』立ち上げから携わり、数々のヒット商品を生んできた和田佳奈さんにお話をうかがいました。〈第一線の女性たちもアラサーで「選んで」きた The Turning Point~私が「決断」したとき~〉

化粧品メーカー・代表取締役社長 和田佳奈さんインタビュー

仕事も育児も抱え込んでぐちゃぐちゃになって初めて、「できない自分」を許せた

ティーンマーケティングの会社で働きながら結婚・出産したのが25歳のとき。10代の学生時代からアルバイトで参加し、社員として入社してからも毎日夜遅くまで全力疾走で仕事をしていたので、ある程度やり切ったかなという思いもありました。

元々早く子供を産んで早く社会に復帰したかったのですが、夫とは知り合って1年くらいで「この人が、パパだったら素敵」とふと思い立ち、私から「結婚したい! 子供つくろう!」と直球でアプローチ(笑)。

ほどなく息子を授かり、出産したら妊婦さんやママにまつわる課題が目に入ってくるように。

東日本大震災が起きたことで「ここからは会社に合わせるよりも、私に合う職場を選ぼう」と思考回路が変わったタイミングでもあり、声をかけてくださっていた知人の紹介で転職を決めました。

転職先ではママ向けのフリーペーパーや携帯のビューティコンテンツの編集を担当。経験はなかったので見よう見まねで修業して、新しい世界が広がっていく感覚で充実していましたね。

転職にワンオペ育児… 人に頼らないとダメだと気づいて、自分を許すことを学んだ

ただ、夫の仕事の事情もあって育児はいわゆる“ワンオペ”。仕事も家庭も友達との時間も全部大事にしたかったけれど、身近なロールモデルがなく、何もかもが手探りでした。

多忙を極めていた28歳くらいのころ、撮影当日にインフルエンザにかかったんです。

遠隔で部下に指示を出しながら進めていたのですが、今みたいにリモート環境が整っていないのでうまく伝わらずにイライラしてしまうし、息子はぐずりだすし、自分は体調が悪いしで張りつめていた糸が切れるみたいに大泣きしてしまって。

ぐちゃぐちゃになって気づいたのは、ひとりでできると思いすぎていたけれど、やっぱりもっとちゃんと人に頼らないとダメだということ。

そこから自分を許すことを学んだというか、「できなくてもいいんだ」と思えるようになりました。

その後、取引先の美容・健康雑貨メーカーに出向して事務のお手伝いをすることに。

社内ベンチャーとしてコスメブランド『Fujiko』を立ち上げ

社長の直属でさまざまな業務に関わりながら、思いつくまま「もっとこういう商品があったらいいんじゃないですかね?」と提案していたら面白がってくださり、32歳のときに社内ベンチャーとして新規事業を任せていただくことになりました。それが、コスメブランド『Fujiko』の始まりです。

立ち上げから2番目に出した「眉ティント」は、塗ってはがすことで自眉のような自然な色づきを楽しめるアイテム。3日ほど落ちないので「『寝起き』かわいい」と打ち出したところ、半年で販売80万個を突破し、手応えを感じましたね。

前職のティーンマーケティング時代、毎日高校生とおしゃべりをして、女の子たちの変わっていくところと変わらないところをキャッチアップした経験が糧になっていたのかなと。

ブランドは子供のような存在。「自分が思い描く形で世の中に出していきたい」と独立を決意。

ブランドは自分の子供のような存在。育てていく過程で、商品企画も人員もPRも、もっと自分が思い描く形で世の中に出していきたいなという思いが強くなって、貯金をはたいて株を買い取り、2018年には親会社から独立することを決めました。

初のメンバーは5~6人で、ほとんどが前の会社からついてきてくれたスタッフ。ひとりひとりが戦士のように頑張ってくれていましたね。

みんな勢いと情熱があって攻める体制としては強かったと思うのですが、管理やリスクヘッジなど守りの部分は課題でした。

何万個というロットを生産するので、工場で大きなミスがあったときは本当に多くの方にご迷惑をおかけして、人生終わった… ぐらいの気持ちに。

でも、それがきっかけで、さまざまな企業や店舗の方が私たちに足りないところを教えてくださって勉強になりましたし、社員もなんとか力になろうと動いてくれた。

ピンチのときこそ自分たちにできることを粛々とやってとにかく前に進むしかないんだと、会社としての胆力をつけることができたと思います。

みんなで同じ方向をむいて走りたいけど、自分が正しいというふうにはなりたくない

現在、社員は100%女性で、20人を超えました。平日は夕方までに帰宅し、土日はイベントなどがない限りしっかり休んで家族の時間を楽しんでいます。

息子が小学生のうちはずっとサッカーを続けていたので、ついこの間までマネージャーとして送り迎えをしてチームの子供たちの面倒を見て… と毎週にぎやかでしたね。

私自身、会社員時代は「9時から6時まで会社にいれば業績が上がるわけではないし、やるべきことをちゃんとやって結果を出せば働き方は柔軟でいい」と思っていたタイプ。

謎の朝礼もムダな会議もいらないし、自分がこうだったらいいなと思える会社にしたいなと。

規模を拡大するつもりはあまりなくて、若手でも社長と気軽に飲みに行けるくらいの人数と風通しのよさが会社をマンネリ化させないコツなのかなと思っています。

みんなで同じ方向をむいて走っていきたいけど、いつも自分が正しいというふうにはなりたくない。人によって事情や志向があるので、話を聞きながらいい循環をつくっていけたら。

マネジメントで少しだけ意識しているのは、それぞれに責任のある役割をもってもらうこと。

自分が主体になると面白さを見つけてもらえて、モチベーションにつながるんですよね。振り返ると「できる自分」でいたかった20代前半は、鬼みたいで(笑)。

当時を知る人には「どうしたの?」と言われますが、今は「怒ってもしょうがない」という境地に。

「できない自分」をいかに助けてもらいながら幸せに過ごすか、スタッフ全員が充実できるバランスをどう見つけるか。

そう考えられるようになったのも、子育てで世の中にはうまくいかないことがあると学んだおかげです。

伸びしろを知ると、自信になる。メイクの力で自分を好きになるきっかけに

実は『Fujiko』を手がけるまでは、仕事と育児で時間がないし、メイクに関心がなかったんですよ。

でも、サンプルで普段とは違うお化粧を試すうちに、私ってまだ伸びしろがあるんじゃない? って、自分でも知らなかった全然違う顔が見えてきた。しかも人からほめてもらえる。その楽しさを伝えたい! …というところから、お手ごろ価格でラクにかわいくなれる『Fujiko』をつくり上げてきました。

本質的には、周りに左右されず、自分で自分を認めてあげて好きになれたら幸せだと思うのですが、いきなりはできない。

子供を見ていても、やっぱり人にたくさん触れて認められて自己肯定感が育っていくんだなと感じます。お金も時間もかけずに変われるメイクの力で自信のきっかけになれたらうれしいなと。

ありがたいことに近年はアジアやアメリカなど世界にユーザーさんが広がっています。今後は海外のいいものを日本にも取り入れていきたいですね。化粧品にこだわらず、新しい価値観や新鮮な喜びを提供できるようチャレンジし続けたいです。

2022年Oggi8月号「The Turning Point〜私が『決断』したとき」より
撮影/石田祥平 構成/佐藤久美子
再構成/Oggi.jp編集部

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和田佳奈(わだ・かな)

1983年、東京都生まれ。かならぼ代表取締役社長。2004年、ティーンマーケティングを手がけるアイ・エヌ・ジーに入社。食品、コスメ、プリントシール機、携帯キャリアなど幅広い企業のリサーチ~プロモーションまでをプランニング。’11年にIDOへ転職。住宅メーカー発行のフリーペーパー編集長を担当。また、NTTドコモのwebマガジン「美BEAUTE」の立ち上げに携わる。’15年、化粧品メーカー・かならぼのブランドマネージャーとして、『Fujiko』を立ち上げ。’17年にかならぼの筆頭株主となり、代表取締役に就任。数々のヒット商品を生み、現在は『Fujiko』『B IDOL』『4U』『MENCOS』の計4ブランドを展開。海外市場にも進出している。


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