この記事のサマリー
・「締結」とは、条約や契約などを結ぶこと。
・「取り結ぶ」という結果の意味が強い。
・「妥結」は折衝した結果、条約や契約を結ぶこと。「締結」はプロセスを問わない。
ビジネスニュースなどを通して耳にする、「締結」という言葉。普段の会話ではあまり使わないため、正確な意味や使い方に不安を覚える人も少なくありません。
特に契約書や条約文などの書面で使う場面では、意味や使いどころをきちんと理解しておきたいものです。
この記事では、「締結」の正確な定義や「妥結」との違い、締結日にまつわる注意点まで、辞書の情報をもとに確認していきます。
「締結」の意味と使用場面を整理
「締結」という語について、意味とどういう場面で使う言葉なのかを整理していきましょう。
「締結」の意味
『デジタル大辞泉』に、以下のように記されています。
てい‐けつ【締結】
[名](スル)条約・協定・契約などを結ぶこと。「講和条約を―する」
「締結」とは、条約や契約を取り結ぶことを意味します。
特に公的・法的文書や国際的な協定など、効力を伴う内容を取り交わす場面で多く用います。
参考:『デジタル大辞泉』、『日本国語大辞典』(ともに小学館)
「契約」と関連する語句
「締結」という言葉は、特に「契約」とセットで使うことが多く、「契約を締結する」という表現は、法律文書やビジネスでも使います。
この場合の「契約」とは、文書を交わして取り決めをすること。法的効力が生じることが多いでしょう。
その契約内容が正式に成立する行為を「締結」といいます。
例文:「両社は新しい業務委託契約を締結した」
さらに「契約」に至るまでの段階や交渉に関する言葉として、「合意」「妥結」を確認しましょう。
「合意(ごうい)」
「合意」は、互いの意思が一致することを意味します。法律上では、当事者がそれぞれ意思表示を行い、それが合致することで合意が成立します。
例文:「基本的な契約条件について、両者は合意に至った」
「妥結(だけつ)」
「妥結」は、対立や主張がある中で、双方が歩み寄り、最終的に合意に達することを意味します。交渉の場面で使うことが多く、合意に至るまでの過程に重点を置いた表現です。
例文:「長時間にわたる交渉の末、労使交渉は妥結した」
参考:『デジタル大辞泉』、『使い方の分かる 類語例解辞典』(ともに小学館)
契約等以外で使う「締結」とは?
「締結」という言葉は、「かたく結ぶ」という意味もあります。例えば医療の分野では「輪状締結」という言葉を使ったり、「ねじ締結」といえば、ねじを用いて2つ以上のものをかたくしめて結ぶことを指しますよ。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)
「締結日」とは?
契約書に記載される「締結日」とは、契約を正式に取り交わした日付を指します。多くの場合、この日付が契約の「効力発生日」と一致しますが、常にそうとは限りません。
契約によっては、効力の開始を特定の日付や条件の成就に合わせて設定する場合もあり、その結果「締結日」と「効力発生日(または開始日)」がずれることがあります。
例えば「2025年12月10日に締結した契約を、2026年1月1日から運用する」ケースが挙げられますよ。
このように「契約日」と「効力発生日(開始日)」が異なることは法的にも認められており、文書に明記された日付を正確に読み取ることが重要です。

「締結」の使い方と言い換え表現
「締結」の代表的な使い方とあわせて、類似表現について整理します。
「締結」の使い方と例文
「締結」を使用する場面は、ビジネス文書や報道、法的書類などが中心です。以下に例文を紹介します。
例文:
「両国は自由貿易協定を締結した」
「当社は新たな業務提携契約を締結いたしました」
「NDA(秘密保持契約)を締結の上、具体的な商談に進みます」
一方、日常会話では「契約を結ぶ」や「話がまとまった」など、もっと平易な言い回しが用いられることも多いです。
言い換え・関連表現
「締結」と近い意味を持つ言葉として、「成約」「調印」「締約」などが挙げられます。
「成約(せいやく)」
「成約」は、契約が成立すること、あるいは成立した契約そのものを意味します。
例文:「不動産の売買が正式に成約となった」
「調印(ちょういん)」
「調印」は条約や協定の内容が確定した後、それに関わる当事国の代表者が公文書に署名する行為を意味します。
例文:「両国の外相が平和条約に調印した」
「締約(ていやく)」
「締約」は、条約や協定などを結ぶことを意味します。
例:「加盟国との間で協定を締約する」
参考:『デジタル大辞泉』、『使い方の分かる 類語例解辞典』(ともに小学館)
「締結」の英語表現
「締結」の英語表現は “conclusion” です。「条約を締結する」と伝えたい場合には、“conclude a treaty” といいます。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)

「締結」に関するFAQ
ここでは、「締結」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「契約の締結を結ぶ」は誤用ですか?
A. 「締結」も「結ぶ」も同義のため、「契約を締結する」または「契約を結ぶ」のいずれかにしましょう。
Q2. 「締結日」と「効力発生日」が違っても問題ありませんか?
A. 問題ありません。契約書で効力発生日を別途指定している場合、締結日と異なることはあります。
最後に
「締結」という言葉は、契約や条約など、信頼や効力が問われる場面で使う言葉です。その意味や使い方を理解することで、契約文書やビジネスシーンでの表現に、自信が持てるようになります。ぜひ今後の実務に生かしてください。
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