前回記事:間食はやめないで!「肌の老化」を防ぐのに効果的!?
「ドカ食い」をしてしまうあなたは悪くない
家でリモートワークをしているとついつい甘いものに手が伸びてしまい、気がついたときにはお菓子を1袋食べ切っていてもう手遅れ…。いざ一念発起してダイエットしても、目標を達成したらすぐにリバウンド…。意思の弱い自分が嫌になる。
そんな経験はないでしょうか? なぜそんな「ドカ食い」現象が起きてしまうのか。実はそれやる気の問題ではなく、脳内の「セロトニン不足」が原因なのです。
甘いものを食べると、脳内から幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌され、脳内は幸福感に満たされます。逆に、甘いものを一切やめてしまうと、セロトニンが不足した脳は不安でいっぱいになり、衝動的に甘いものを求めて「ドカ食い」に走ってしまうのです。
おいしい間食がダイエットの味方に!
その悪循環を止めるためには、ダイエット中にも適度な量の甘さ=糖質を摂らないといけません。
そんなことダイエット中には難しいことのように思われますが、いい方法があります。それは「お腹がすいたら高カカオチョコレートを少しずつ食べる」こと!
カカオ成分が70%以上含まれた高カカオチョコレートなら、適度な糖質を摂りながら「カカオポリフェノール」も効率よく摂ることができます。
カカオポリフェノールには、セロトニンの分泌を増やす効果があるため、甘すぎないのに幸せな気分になれる、というダイエットに嬉しい特徴があります。
さらに、チョコレートは食物繊維が豊富。カカオに多く含まれる食物繊維のひとつである「リグニン」は、野菜やきのこなどにも含まれる不溶性食物繊維の一種で、水に溶けずに水分を吸収して膨らみ、便のカサを増やして腸の動きを刺激する働きがあります。さらに、食後血糖値の上昇を抑えたり、血中のコレステロール濃度を下げたりといった、ダイエットに嬉しい作用もあります。
成人女性の場合、1日18g以上の食物繊維を摂ることが推奨されていますが、日本人の場合、6gほど足りていないといわれています。そこで、カカオ成分72%の高カカオチョコレートを1日25g食べると、摂れる食物繊維は3g。これだけで、1日の不足分の食物繊維の半分を補えるのです。
新しい間食習慣でリバウンド知らずの体に
「でも、チョコレートって太るんじゃないの?」そう思う方も多いと思います。
実は砂糖のたくさん入ったチョコレートではなく、甘さ控えめの高カカオチョコレートは、ダイエットにぴったりな「低GI食品」。GIとは、Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、その食品を食べた後にどれだけ血糖値が上がるかを示した指標のことです。
GIが低い食品ほど、血糖値と量が連動するインスリンというホルモンの分泌が抑えられ、食後に脂肪が分解されやすくなるのです。実際に、高カカオチョコレートを継続的に食べた大規模実験などでも肥満になったというデータは出ておらず、むしろ体重コントロールに成功した人が増えています。
「間食=太る」は間違った思い込み。高カカオチョコレートの間食なら、太らない。それが、ダイエットの新常識です。
ちなみに、高カカオチョコレートを苦いと感じるようなら要注意。味覚が甘さに慣れきっている証拠です。食べ続けることで味覚が正常に戻り、自然と砂糖の多い食べ物を欲さないようになるので、体質改善も期待できます。高カカオチョコレートは、普段甘いものを食べ過ぎていないかというバロメーターにもなるのです。
ぜひ、日々の食生活に高カカオチョコレートを取り入れて「ドカ食い」の悪循環を断ち切りましょう!
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医師が教える最強の間食術
著者:鈴木幹啓、出版:アスコム
続けられる健康的な食事術として着目したのが「間食」。適度な量で、さらに健康効果が高いものを食べれば「間食」は食事では摂れなかった、体にいい栄養素を補給する最高の機会となるのです。当然、あまーいケーキや脂っこいポテトチップスをバクバク食べるのはNG。では何を食べればよいのでしょうか。その答えは本書の中にあります! ぜひ本書の間食術で、楽しく間食しながらムリなく健康な体を手に入れてください。
医師 鈴木幹啓
日本小児科学会認定小児科専門医、すずきこどもクリニック院長、株式会社やさしさ代表取締役、株式会社オンラインドクター.com 代表取締役。
自治医科大学卒業。2010年、卒業しわずか9年で現在のクリニックを開業。和歌山県新宮市(人口約2万7000人)の地方都市にもかかわらず、1日200人近く診察し、日本一忙しい小児科医と称されるにいたる。
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