【目次】
・【呼吸の深さ】いつもの呼吸と腹式呼吸
・【ダイエット】腹式呼吸がもたらす体への影響
・【腹式呼吸のやり方】苦手な人もアレンジもOK
【呼吸の深さ】いつもの呼吸と腹式呼吸
【1】人間の呼吸について
ダイエットトレーナー・メンタルコーチの小山圭介先生著『がんばらなくてもやせられる ほめるだけダイエット』(学研プラス)より紹介。
人間の呼吸には「胸式」と「腹式」の2種類があります。
■胸式呼吸
ろっ骨の間にある助間筋を働かせる呼吸。日中の緊張モード(交感神経優位)のときは、浅く短い胸式呼吸になりやすいといわれています。
■腹式呼吸
横隔膜の上下運動による呼吸。就寝中などリラックスモード(副交感神経系優位)のときは、主に深く長い腹式呼吸をしています。
【2】“いつもの呼吸”に気づいてますか?
教えてくれたのは… 影森佳代子先生
[鍼灸師・心理カウンセラー。鎌倉ひまわり鍼灸院 院長]
なにかとストレスを抱えやすい現代人。仕事・人とのコミュニケーション・SNSなどの情報量…。心と体が緊張状態にさらされることで、睡眠不足や過労を引き起こすことも。
緊張状態で体がこわばっていると浅く・速い呼吸になりがち。こうしたからだの状態が息苦しさだけでなく、心身のリラックスを引き出しにくくしているのです。
ですが、実際は自分の呼吸の浅さに気づいていない人も少なくありません。
【3】疲れを感じたら“呼吸”を意識
息切れが気になるときは、心臓のあたりが疲れているのかもしれません。深呼吸や腹式呼吸で体をリラックスモードに導きましょう。
【4】こんなアイテムでひと工夫
「気づくと呼吸が浅くなってしまう」という人は、香りの力に頼るのもおすすめです。
お好みのアロマオイルを使うことで、自然と深い呼吸に。シーンに合わせて香りを変えるのも楽しいですね。
【ダイエット】腹式呼吸がもたらす体への影響
【1】呼吸とダイエット
また、私たちの体には体内に取り入れた「酸素」の助けで、脂肪を燃やすしくみがあります。呼吸が浅く短いということは、肺の中に酸素を取り入れる量が少ないということ。
深い呼吸を意識的におこなうだけで、エネルギーを消費しやすく脂肪が燃えやすい体に。
【2】腹式呼吸が筋トレに?
“ダイエット”というと、「ガッツリ体を鍛えて筋トレを」というイメージがあるかもしれませんが、激しく体を動かさなくてもOKです。
\教えてくれたのは…/
順天堂大学スポーツ医学・再生医療講座特任教授:齋田良知先生
[いわきFCクリニック 院長。関節痛最先端再生医療の第一人者]
腹式呼吸をするだけでも、立派な腹筋のトレーニングになります。テレビを見ながら10分やるだけでも全然違うんですよ。
日常生活で鍛えづらい筋肉のひとつでもある腹筋。加齢とともに衰えやすくなるのでおすすめです。
【腹式呼吸のやり方】苦手な人もアレンジもOK
【1】まずはストレッチ|おもち呼吸法
体をリラックスさせて心の落ち着きを取り戻す「おもち呼吸法」。イメージしながら、がやりやすい人はこの呼吸法から試してみましょう。
※軽く上半身をストレッチしてから行います。
1. 口をストローを吸うときのようにすぼめて、体の力を抜きながら「ふーっ」とゆっくり長めに息を吐きます。
そのときに頭の上でとろとろに溶けていくおもちをイメージ。全身の力が抜けていき、頭の上でおもちが溶けていきます。ゆっくり時間をかけて少しずつ息を吐きましょう。
2. 息を吐ききったら、お腹をふくらませながら鼻から息を吸い込みます。好きな香りをイメージしながら行いましょう。
十分に空気を取り入れたら1拍おいて、とろとろと溶けていくおもちをイメージしながら、ゆっくり少しずつ息を吐きます。1回につき5分&1日2回を目安に行いましょう。
\POINT/
息を吸うときは交感神経が働き、吐くときに副交感神経が優位になるので、吐く息を長くするように意識します。就寝前に行うのがおすすめ。
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【2】腹式呼吸|基本的なやり方
1. 鼻から息をゆっくり吸いながら、おなかをふくらませます。
2. 口から息をゆっくり「フーッ」と吐きながら、おなかをヘコませます。[1]~[2]を繰り返しましょう。
\POINT/
腹式呼吸は、就寝前などリラックスしたいときにおこなうのがおすすめです。
【3】腹式呼吸がうまくできないとき
腹式呼吸が苦手な人には、懐かしのおもちゃ『吹きもどし』が腹式呼吸のトレーニングに大活躍! 吹くだけで自然と腹式呼吸ができるエクササイズになります。
\POINT/
就寝前や眠れないとき、ベッドに入った状態で行うのがおすすめ。
懐かしいおもちゃ… じゃない!? 実はアソコにめっちゃ効く♡
【4】腹式呼吸で膣トレ
腹式呼吸を取り入れて膣トレーニングをすることもできます。
教えてくれたのは… 関口由紀先生
[女性医療クリニックLUNAグループ理事長。横浜市立大学客員教授。日本泌尿器科学会専門医。日本性機能学会専門医等]
〈トレーニングのやり方〉
1. 腹式呼吸で息を吐きながら、肛門と膣をギュッと締めて、グッと持ち上げて5秒ほどキープ。
2. ゆっくりゆるめるように力を抜きます。
※1日10~50回程度を2~4回に分けておこないましょう。
\POINT/
膣を鍛えながら、腹式呼吸を併用することで後ろ姿や立ち姿が綺麗になるといったメリットも期待できます。
「呼吸に意識を向ける」ことは、「自分に意識を向ける」こと。忙しいとき・ストレスを感じているときは、深呼吸をするだけでも心身がゆるまりますよ。
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