現役歯科医師はやらない、4つの食事法
食事を摂るときに、みなさんは意識していることはありますか? ダイエットのため、健康のためなど様々な観点から、食事にこだわりがあるかもしれませんね。
今回は現役歯科医師である私が、歯の健康の観点から、普段の食事でやらない食べ方を紹介したいと思います。
◆1. 野菜が少ない食事はしません
食前の野菜の摂取は、血糖値の上昇を穏やかにするという話は聞いたことがあると思いますが、健康効果はそれだけではないんです。
野菜やキノコ、梅干しなどは、清掃性食品と呼ばれ、口の中を洗い流す作用があり、逆に主食(ご飯やパン、パスタなど)は停滞性食品と呼ばれ、歯にくっついて口の中にとどまりやすいとされています。
そのため、食前の野菜摂取は、よく噛むことで唾液の分泌を促し、その後に摂取する主食が歯に停滞しにくい環境をつくることができるのです。
食前だけでなく、主食と一緒または後に食べる野菜は、野菜に含まれる繊維の働きによって、食べかすや歯垢を歯から取り除いてくれる効果も!
食事のときは、いつ野菜を摂取してもメリットがあるため、献立に野菜を多めに入れることを心がけています。
◆2. 食事のときお水やお茶は欠かせません
食事にも水分は含まれていますが、水やお茶をお食事と一緒に摂ることで、口の中の食べかすや歯垢が洗い流されます。
しかし、水分ならば何でも良いというわけではありません。砂糖の入ったジュースだと、逆に歯垢が口の中に付きやすい環境をつくってしまうのでお水かお茶がベスト。
私が食事中・食後に飲んでいるのは、主に緑茶または紅茶。どちらも、虫歯予防に効果があるとされる成分“フッ素”が含まれているので欠かせません。特に緑茶のフッ素含有量は他の飲食物より多いとされているんですよ。
口の中の洗浄効果、飲み物自体に含まれる虫歯予防効果を飲み物から得るようにしています。
◆3. 食後とデザートの時間の間隔をあけないようにしています
食後のおやつやデザートの間隔はあけないようにしています。
食後に時間をあけてデザートを摂取すると、食後すぐに摂取した場合より虫歯がつくられやすくなると言われています。
食後もダラダラと何かを食べながら過ごすことは、虫歯の発生リスクを高めるため、食べる時間はしっかりと決めて食べるようにしています。
◆4. 早食い、咀嚼回数の少ない食事はしません
上記でダラダラ食べは良くないとしましたが、時間を短縮して食べたら良いというわけではありません。
歯科医の観点から、よく噛むことのメリットは多いのです。
・唾液の分泌が多くなり、虫歯や歯周病の予防になる。
・よく噛むことで肥満の予防になり、結果、歯周病予防にもなる。
肥満がリスクファクターとなる糖尿病や慢性腎臓病などでは歯周病を進行させます。また、肥満自体も歯周病を悪化させるとする研究結果も発表されています。
・味覚の発達になる。
特に子供にとって味覚の形成に咀嚼は重要です。
・口周りの筋肉を使う
頬や顎の筋肉が動き、発音や表情が豊かになります。
・脳に血液が送られる
咀嚼によって脳に血液が多く送られ、頭が働きやすくなる。
などなど、良く噛むことは、全身に良い影響をもたらします。私も咀嚼回数を気をつけています。早食いが癖になっている人はよく咀嚼しているとは言えないため、気をつけて食事をしてみてください。
4つの注意で食事を楽しく食べましょう
食事のときに歯科医がやらないことを4つお届けしました。これらをおこなったからと言って、歯磨きが不要になるわけではありません。食後の歯磨きもあわせておこなうことで、トラブルも回避できますよ。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
Oggi.jp's 野尻真里
日本審美歯科学会所属の歯科医師。朝日大学を現役卒業後「うずら歯科」に勤務。写真集『美人女医図鑑』を発売中。華道脇教授の資格を持つなど充実した趣味と、美容やファッションにもこだわっているインスタグラム@nojirimari も要チェック!
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