【原因と対処法】歯磨きで毎回血が出るのはなぜ?
歯磨きをしている時に歯茎から出血することはありますか?
出血する原因は大きく4つ考えられます。今回は、原因と対策を紹介していきます。
◆1. 歯茎が炎症を起こしている
出血する原因のひとつに、歯茎に炎症が起こり、炎症部分に歯ブラシが触れて出血を起こすことがあります。
いわゆる、歯肉炎含む歯周病が原因ということです。
歯茎の炎症を改善するには、よく歯磨きをすることが大切になります。
歯磨きよりも歯茎のマッサージが良いのでは? ということを聞かれるのですが、指で歯茎をマッサージすることが歯茎の炎症の改善に繋がるという研究結果や論文はありません。
転んで膝をすりむいたら皆さんは真っ先に膝の汚れを落としますよね? それと同じで、歯茎の炎症部分の清潔に保つことで治りが良くなります。歯茎が炎症している時は、歯磨きで汚れを落としながらマッサージを行いましょう。
また、歯間清掃を行っていなくて、歯と歯の間に物が詰まっている場合も同様に出血の原因となります。詰まり物そのものが刺激になったり、詰まり物が原因で不潔になり細菌が繁殖したり、と結果的に歯茎の炎症に繋がります。
◆2. 強く磨いている、サイズの合わない歯間ブラシで歯茎に傷がついている
歯茎に強く歯ブラシを当てて磨いている場合や、自分の歯間よりも大きいサイズで清掃を行っている場合は、歯茎を傷つけたことによって出血している場合が考えられます。
健全な状態かつ通常の圧で歯磨きをしていて、歯磨きが痛いということはまずありません。歯間の清掃も同じです。
歯磨きで歯茎を傷つけた場合、その後の歯磨きや飲食でも痛い場合が多いです。
歯ブラシの毛先1回が1週間くらいで開いてくる人は特に歯磨き圧が強く注意が必要。鉛筆持ちで歯磨きをしたり、意識して力を緩めて磨くとよいでしょう。
また、歯間ブラシのサイズが分からない場合は、歯科医院で確かめてもらってください。歯間のサイズはお口の中が全部一律ではありません。入らない所もあれば、大きいサイズでなければ綺麗に磨けない所もあります。
◆3. 歯茎にまで達するような大きな虫歯がある
歯茎に到達するような大きな虫歯があると、歯茎にまで細菌が到達し、炎症を引き起こすことがあります。
また、歯茎まで虫歯が到達すると、細菌が歯の神経に到達・感染し、神経が死んで、壊疽(えそ:腐敗するイメージ)している場合が多いです。
すると、歯の先端で、細菌は骨を溶かして膿を溜め始めます。細菌が、どんどん骨を溶かして、歯茎に膿の出口を作った場合にも出血してしまうことがあります。
◆4. 女性ホルモンや体調不調も考えられる
女性は月経や妊娠時にホルモンバランスの不調から歯茎に炎症が起きることがあります。また体調不良や疲れの蓄積でも免疫が下がり、歯周病菌が活動的になり、歯茎は炎症します。
この場合も、出血部位に汚れ・細菌を溜めないことで症状がおだやかになるため、いつもと同じように歯磨きを行って大丈夫です。
歯磨きのプロがいるのが歯科医院
歯科医院には、歯磨きのプロがいます。歯茎からの出血は、お口からのSOSだと思い、1度歯科医院で相談することがオススメです。
1日2回、1回につき5分歯磨きを行っていたとしたら1年間の約60時間を歯磨きに費やしていることになります。
その60時間を誤った方法で歯磨きを行っていたら、もったいない気がしませんか? 健康な状態で正しい歯磨きを続けていると、歯茎から出血しないのが当たり前になります。
これを機に歯磨き時間を意識しておこなってみてください。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
Oggi.jp's 野尻真里
日本審美歯科学会所属の歯科医師。朝日大学を現役卒業後「うずら歯科」に勤務。写真集『美人女医図鑑』を発売中。華道脇教授の資格を持つなど充実した趣味と、美容やファッションにもこだわっているインスタグラム@nojirimari も要チェック!
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