そもそも「半同棲」とは?
〝半分同棲〟状態のこと
半同棲とは一般的に「半分同棲」状態のことを言い、明確な定義はないものの「週に3日以上お泊まりをする」という感覚の人が多いそう。
それぞれに暮らしている家がありながら、どちらかがパートナーの家に私物を持ち込み、週3日以上お泊まりするような状態のことを指すようです。
家賃や光熱費などはきっちり折半せず部屋の持ち主が負担する場合が多く、2人で家を借りる同棲よりも気軽にはじめられるのが特徴です。
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半同棲のメリット
ふたりの時間が増える
半同棲をすれば、パートナーと一緒の時間が増えます。
デート後、一人で帰宅する寂しさを感じる人は多いもの。でも半同棲状態なら同じ家に帰ることができるので、パートナーとの別れを寂しく思うことが減ります。
お互いに忙しくなかなか会う時間が取れないカップルはとくに、二人の時間が増えることで絆も深まるのではないでしょうか。
やめようと思えばすぐに解消できる
二人で家を借りるとなると、手続きが多い分、解消時も大変です。しかし、半同棲は元々パートナーが住んでいる家に転がり込む形でスタートするため、解消するときも手軽。
喧嘩して距離を置きたくなったときや、たまには一人になりたいと感じたときなど、どちらかが望めばすぐに離れることができます。
完全に同棲すると、お互い帰る場所=相手のいる場所になってしまうため、気持ちをリフレッシュさせるのが難しいですが、半同棲なら一緒の時間を増やしたり距離を取ったりといった調整も簡単なので、関係悪化を防ぐことができるのではないでしょうか。
結婚後の未来が想像できる
共同生活を一度も体験することなく結婚した女性に、こんなエピソードを教えてもらいました!
「結婚前には『俺、掃除や片付けは大得意!』って豪語していた我が夫。確かに、独身時代に夫の家に遊びに行くと、いつもキレイに掃除されていたし物も散らかっていなかったので、すっかり信じていたんです。
ところが、いざ共同生活を送ってみてビックリ! なんと、夫の片付けはクローゼットやタンスに物を放り込むだけで、扉を開けると雑然と物が積まれているだけ…。重いものを平気でいろんなところに積み重ねるので、下に置かれている物が潰れてしまっていることも多いです。何度言っても改善されないし、本当に困る!」(29歳女性/小売)
なんと旦那さんは、実は作業が雑な人だったよう…。こういった家事への取り組み方や生活スタイルは、一緒に住んでみない限りわかりませんよね。
結婚前の半同棲によって相手との結婚生活が想像でき、直してほしいところを事前に伝えておいたり、結婚自体をどうするか判断することができます。
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半同棲のデメリット
同棲前とのギャップがマイナスになる可能性がある
お互いデートでは気合いの入ったファッションやヘアメイクをしていても、半同棲すると素顔をさらす機会が多くなります。
普段はかっこいいスーツの彼も、家ではヨレヨレのスウェット姿… 起床時はものすごく不機嫌… など、半同棲前とのギャップにマイナスな印象を持つケースも少なくありません。
また休日の過ごし方についても、一方はだらだら過ごしたいのに、もう一方はアクティブに出かけたいなど顕著な違いがあると、喧嘩のタネとなる可能性が。
それならば日にちを決め、待ち合わせしてデートした方がよかった、と感じる人も多いようです。
家賃などのお金問題が起きる
半同棲は、もともとその部屋に住んでいる人の家にもう一人が加わってはじまることが多いです。いくら毎日泊まる訳ではないにしても、人が一人増えれば水道・光熱費などの生活費もかさみ、その部屋の借主に負担がかかってしまいます。
こういったお金の問題はとてもデリケートなものです。あまりにも負担が増えるのなら、早いうちに平等になるよう話し合っておいた方が良いでしょう。
大きな不満を抱えながら半同棲を続けると、いつか爆発して別れに発展してしまう可能性もあるかもしれません。
家事分担ができない
半同棲する分、家事も分担させたいというのが部屋の持ち主の本音かと思いますが、なかなかそれを提案できずに困っている人も。
自分自身が家事全般を担ってもOKな人は構いませんが、そうでない場合は相手に責任感があるのか、きれい好きかどうかを、半同棲前に見極めておいた方がいいかもしれません。事前に分担リストを作っておくのもいいでしょう。
家事分担ができず日々ストレスが溜まり、結局同棲を解消してしまった人は珍しくないようです。
マンネリする
半同棲後すぐは、お互いの素の部分やライフスタイルなど、様々な局面で新しい発見を楽しむことができます。しかし時間が経つにつれそれもなくなり、魅力的な部分ですら掠れて見えてしまいがち。長く一緒にいると、どうしても慣れてマンネリしてしまうのです。
新しいことに挑戦したり、冒険や刺激を取り入れてみたり、仲良く一緒の生活を続けるにはちょっとした工夫が必要かもしれません。
生活習慣の違いにストレスが溜まる
お話を伺った27歳のアパレルで働くJ子さんは、3歳上の彼との生活のせいで太りはじめたのだそう。
「彼は朝ごはんを食べないとダメなタイプ。しかも力仕事なので、ガッツリした朝食、たとえばカツカレーなんかで1日をスタートさせないといけないんです。朝ごはんを作るのは苦ではないけれど、一緒に食べていただけで、同棲前より私だけ体重が4kg増えました」(J子さん)
また、33歳のエステティシャンL美さんは、寝るときの習慣の違いで寝不足気味になってしまったと言います。
「彼は寝るときに電気を消さず、小さめの電球をつけていないと眠れないタイプ。私は寝るときは真っ暗にしないとダメなのに、我慢して彼に合わせているため、一緒に暮らし始めてから寝つきが悪くなりました。天井にある照明の一番暗いやつをつけて寝るんですけど、仰向けになると光が気になってしまって…。いつも彼に背を向けて、横向きになって寝ています」(L美さん)
ひとつ屋根の下で暮らせる喜びだけでなく、このようにちょっとした苦悩を抱えることも、半同棲にはつきものなのかもしれません。
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半同棲の状態から結婚するには?
そもそも結婚願望のないパートナーとは半同棲しない
ライターの安本由佳さん曰く、結婚願望のないパートナーに「家庭的アピール」をしても何の効果もないのだそう。
「時々、結婚願望のない彼に結婚を意識してもらうため、家をせっせと掃除したり手料理を披露して『家庭的アピール』をしている女性の話を聞きますが… これにはほとんど効果がないどころか、逆効果にすらなると思います。
彼女が家を掃除してくれたり、料理を作ってくれたら、もちろん彼は喜ぶでしょう。ラクできるんだから当たり前です。
相手が結婚願望のある男性であれば、結婚後のイメージが湧くなどしてプロポーズに近づく可能性もなくはないと思います。しかしながら、そもそも結婚願望のない男性は『頼んでもないのに家事をしてくれるいい子』としか受け取ってくれません」(安本さん)
半同棲は結婚への第一歩だと考えがち。しかし、結婚願望がない相手と半同棲すると、逆に結婚が遠のいてしまう可能性があるのかもしれませんね。
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プロポーズされたいなら今すぐ見直したい10の行動習慣
彼女にはなれても、妻にはなれない… そんなアラサー女性が増えているよう。結婚したいと望んでいるのに相手から「結婚はちょっと、まだ考えられない」と言われてしまうのはなぜなのでしょう?
どうすれば半同棲から結婚につなぐことができるのか…。関係が停滞してしまっている理由に心当たりはあるのでしょうか。まずは男女双方の考えをインタビューで聞きました。
女性側の意見
「3年半同棲している3歳年上の彼から、結婚は子どもができてからと言われました。1年以上レスなのに…」(35歳・派遣社員)
「4年以上付き合っていて、彼の家で半同棲状態なのに、結婚の話を避ける。私より5歳も年上なのに結婚願望がないみたいだし、最近、浮気をしている様子もあるんです」(33歳・IT関連会社勤務)
男性側の意見
「結婚したくないわけではないけれど、もう少し自由でいたい」(35歳・商社勤務)
「結婚するなら2年同棲している彼女しかいないと思っているけれど、もう少しいい子がいそうな気もして」(38歳・不動産関連会社勤務)
中には10年以上同棲していて、籍を入れていないという人もいました。
ライターの沢木 文さんが、こういった女性の共通点を探ったところ、10個の共通点が浮かび上がったそう。それが以下です。
□ 掃除、洗濯など彼の身の回りの世話をしている
□ 結婚=胃袋をつかむことだと料理を頑張っている
□ 将来に保守的であり、彼の転職や独立を支持しない傾向がある
□ 彼のグチを聞いてあげることが多い
□ 彼の面倒くさい部分、ダメなところを“かわいい”と思い込むようにしている
□ 彼が不機嫌になると、とたんに機嫌をとろうとする
□ 自分よりも彼の好みを優先することが多い
□ 彼に対して「自分は我慢している」ことを言動でアピールする
□ 彼の前ではなるべく笑顔でいるようにしている
□ 彼に「重い女」と言われないように、気持ちを押し殺している
5個以上当てはまったら「彼女止まり」どころか「便利な女」になっていたり、お母さんでありながら恋人であるという「疑似母彼女」になっている可能性があるのだそう。
もしあなたがパートナーの身の回りの世話をしているのに相手が結婚に積極的でないのなら、関係を一刀両断、終わらせてしまうこともひとつの手かもしれません。
一度このように硬直した関係になってしまうと、恋人同士という、いい意味で揺らぎ感のある関係に戻れないことが多いのだとか。
もしまだそうでないのなら、上記に当てはまる状態にならないよう注意したいですね。
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