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2023.11.26

大人なら知っておきたい!「ふつつか者(不束者)」の正しい意味や使い方とは? 使うときの注意点や例文、類語・言い換え表現もまとめて解説

「ふつつか者ですがよろしくお願いします」。ビジネスシーンや結婚式など、様々な場面で使われる言葉です。しかし、その意味をあまり理解できずに使っている人も少なくありません。本記事は、「ふつつか者」の正しい意味や使い方、注意点、例文をまとめて解説します。

「ふつつか者(不束者)」の意味や語源とは?

(c)Shutterstock.com

「ふつつか者ですがよろしくお願いします」。一度は聞いたことがあるフレーズではないでしょうか?

「ふつつか者」は、ビジネスシーンや結婚式など、様々な場面で使われる言葉です。しかし、その意味をあまり理解できずに使っている人も少なくないのではないでしょうか。

今回は、そんな「ふつつか者」の意味や使い方、使う際の注意点についてご紹介したいと思います。

◆ふつつか者の意味

「ふつつか者」の意味は、「無作法な人」「未熟者」です。「ふつつか」には、「能力が劣っていること」「配慮や気遣いが不十分であること」を表しています。そこから、「ふつつか者」は「気が利かない人」「未熟で劣っている人」という意味で使われるようになりました。ビジネスシーンなどでは、初めて目上の人に会ったときの挨拶として使われます。

◆ふつつか者の語源

「ふつつか者」の「ふつつか」の語源は、平安時代初期で使われていた言葉である「太束(ふとつか)」です。「太束」は元々、「短くて太い柱」を意味する言葉でしたが、それが転じて「太くて頑強なこと」という意味で使われるようになりました。当時の「太束」は誉め言葉として使われていたんですね。

しかし、それが変化したのは平安時代。平安時代には、細い体型でおしとやかな人が「美しい」という意識が浸透していきました。すると、「太束な人」が「美しくない」「野暮ったい」と評されるようになり、「太束」は「つまらない人」「いい加減な人」を指すように。そういった背景から「太束者」が使われていました。

「太束者」に、「不足している」という意味が込められたのが、今も使われている「不束者」です。

「ふつつか者」を使える場面

(c)Shutterstock.com

「ふつつか者」の意味と語源についてご紹介してきました。「ふつつか者」には「未熟者」という意味がありましたが、実際にどんな場面で使うことができるのでしょうか?

◆結婚の報告をするとき

「ふつつか者」が使える場面の中でも、最も有名な場面なのが、結婚の報告をするときです。主に、女性側の親が結婚相手に対して使います。

◆人に教えを乞うとき

「ふつつか者」は、誰かに教えを乞う場面で、挨拶表現として使うことも可能です。

◆部下を誰かに派遣するとき

「ふつつか者の部下ですが、よろしくお願い致します」といった使い方をします。「迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが」というニュアンスが含まれていますよ。

「ふつつか者」の使い方を例文でチェック

(c)Shutterstock.com

「ふつつか者」を使う場面がわかったところで、実際にどのように「ふつつか者」を使うのか確認してみましょう。

「ふつつか者ですが、ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます」

ビジネスシーンでは、「ふつつか者」は主に自分に対して使います。「未熟者」を意味する「ふつつか者」を用いることで、謙遜の意味を込めることができますよ。

「ふつつか者の娘ですが、どうぞよろしくお願い致します」

「ふつつか者」を使う場面でも紹介した、結婚の報告をする場面で使用する表現です。「至らないところもありますが、末永くよろしくお願いします」という意味になります。

「ふつつか者の私に、ご教授いただけないでしょうか?」

目上の方に何かを教わるときに使う表現です。この表現を使うことで、相手に丁寧な印象を与えることができますよ。

「ふつつか者」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある?

(c)Shutterstock.com

「ふつつか者」にも類語や言い換え表現があります。覚えておくと、ビジネスシーンなどで役立てることができますよ。

若輩者

「若輩者」は、「じゃくはいもの」と読みます。「若輩者」の意味は、「経験がなく、能力不足な人」です。

「ふつつか者」のように、自らを謙遜したり、部下を紹介したりするときに使うことができますよ。

未熟者

「未熟者」は、「学問・スキルなどが身に着いていない人」を表します。「未熟者」は、「ふつつか者」と違い、謙遜の意味を持っていません。そのため、「未熟者ではございますが」といったフレーズで使うことができないため、注意が必要です。

不調法者

「不調法者」は、「ぶちょうほうもの」と読みます。「行き届いていなくて、経験が浅い人」のことを指して使う言葉です。「不調法者ですが」とへりくだった表現として使うことができますよ。

「ふつつか者」の対義語にはどのようなものがある?

(c)Shutterstock.com

続けて、「ふつつか者」の対義語についてのご紹介です。

優秀

「優秀」には、「非常に優れている」「秀でていること」といった意味があります。自身に対して使うことの多い「ふつつか者」と異なり、他人を評価するときに使う場面が多いです。

気が利く

「気が利く」には、「細かいところにまで目が届く」「配慮が行き届いている」という意味があります。「優秀」と同じく、他人を評価するときに使うことが可能です。

機転が利く

「機転が利く」は、「その場の状況に応じて、臨機応変な対応を取ること」「いざというときにすぐ適切な動き・選択ができること」を指します。

今回紹介した対義語は、ビジネスシーンだけでなく、日常会話でも使うことのできる表現です。状況により使い分けてみてくださいね。

「ふつつか者」を使う時の注意点について

(c)Shutterstock.com

「ふつつか者」は、基本的に「ですが」などといった逆接とともに使い、その後に反対・対立の関係にあることを続けるのが普通です。「私はふつつか者です」とだけ言うことはあまりありませんので、ご注意ください。また、誰かを指して「あの人は、ふつつか者だ」ということもあまりありませんね。

「ふつつか者」の英語表現とは?

英語圏では自分を謙遜するような言い回しはあまり使われないため、「ふつつか者」の直訳は存在しません。特にビジネスシーンで謙遜する発言をすると、「自分に自信がない人なのかな」と疑念を抱かれる可能性もあるため、注意が必要です。

「ふつつか者」に意味が近い言葉だと、「無作法」「失礼」を意味する「impolite」があります。ただし、英語を介したビジネスシーンでは、謙遜する言い回しは好まれないため、使う際には注意をしましょう。

最後に

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「ふつつか者」についてのご紹介でした。いかがだったでしょうか? 「ふつつか者」は、「無作法な人」という意味がありますが、ビジネスシーンで使うと、相手に丁寧な印象を与えることができる言葉です。使う場面と使い方をしっかり覚えて、ビジネスシーンで役立ててくださいね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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