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「存じます」の読み方と意味は?
ビジネスシーンでよく使う「存じます」というフレーズ、きちんと使えると非常に便利な言葉です。使い方がわからない、なんとなく使っているという方、これを機にぜひ正しく身につけましょう。今日は、「存じます」の意味や使い方、注意点や英語表現まで丁寧に解説していきます。
◆存じますの読み方
「存じます」は、「ぞんじます」と読みます。「存」という漢字は、「そん」とも読みますので、読み間違えには注意してください。
◆存じますの意味
「存じます」は、「思う」「知る」の謙譲語「存ずる」に、丁寧語の「ます」を加えた敬語表現になります。目上の人に対して、「思います」や「知っています」と言いたい時に使えるフレーズです。「思う」、「知る」の2つの意味を持つため、場面に応じて使い分けてください。
「存じます」の使い方を例文でチェック
では、「存じます」はどのように使えるのでしょうか? 次は主にビジネスシーンで使われる具体的な例文を用いて説明していきますので、見ていきましょう。
1:「この案件は、一旦保留にした方がよろしいかと存じます」
こちらは、目上の人に対し「わたしは~だと思います」と自分の意見を述べたい時に使えるフレーズです。保留にした方がいいという、少しネガティブで言いづらい意見があるとき。「存じます」という謙譲語を使うことにより、へりくだってはいますがしっかりと意見を伝えることができるので、非常に便利なフレーズになります。
2:「下記候補日程について、ご都合をお聞かせいただきたく存じます」
こちらは、目上の方や取引先に対し、要望を伝える際に使えるフレーズです。「~してください」では直接的すぎ、「~してほしいと思います」ではビジネスにおいては少し稚拙な感じがしますよね。「~いただきたく存じます」とすることで、非常に丁寧な印象を与えることができ、受け手も快く依頼内容に答えてくれるでしょう。
3:「ありがたく存じます」、「光栄に存じます」
ここでの「存じます」は、感謝の気持ちを表したい時に使えるフレーズです。例としては、「この度は弊社の創立記念パーティーにご出席いただけるとの事、大変ありがたく存じます」や、「そのような賞を頂戴できること、大変光栄に存じます」などという使い方があります。
こちらも、「~思います」や「~感じています」という意味を丁寧に表現できますね。ビジネスシーンでは非常に活用しやすいフレーズですので、覚えておくとよいでしょう。
「存じます」の言い換え表現や類語にはどのようなものがある?
「存じます」を別の表現で言い換えるとすると、次のような表現が挙げられます。どれもきちんとした敬語表現になりますので、これらも覚えておくと非常に便利です。
1:「承知しております」
「承知」には、相手の話や情報、状況を理解しています、という意味があります。
例文:「はい、社内規定に変更があった旨、承知しております」
2:「心得ております」
「心得る」は、理解しているよりも程度が高く、物事の事情を把握して引き受けるという意味です。
例文:「新しくリリースされたシステムの扱いは心得ております。お任せください」
3:「お察しします」
「察する」には、相手の気持ちや状況を推し測る、思いやるという意味があります。辛いことや悲しいことがあった相手に対し、優しく寄り添うことができるフレーズです。
例文:「状況お察し致します。さぞかしお辛かったことでしょう」
「存じます」を使う時の注意点について
非常に便利な「存じます」ですが、使い方にはいくつか注意点があります。ビジネスの場面では、間違った使い方をすると逆効果なので一つひとつしっかりと覚えておきましょう。
◆使いすぎには要注意!
「存じます」は、使い勝手がいい言葉だからといって、使いすぎるとよくありません。メール文でよくありがちですが、繰り返し同じ言葉を使っていると、文章が逆に不自然となり、読み手もいい気持ちがしませんので、メールを送る前に、必ず最初から最後まで一通り読んでチェックすることが重要です。同じ意味を伝えたい場合は、言い換え表現や言い回しを変えてみるなど、工夫して文章を作りましょう。
◆「存じ上げます」は、ちょっと意味が違う!
「存じます」と「存じ上げます」、似たフレーズですが少し意味が違います。「存じ上げます」は、「知っています」の謙譲語となりますが、知っている対象が「人」である時だけに使えるフレーズです。混同しないよう、注意しましょう。
◆「所存です」は、決意や意思を伝える時に!
「所存(しょぞん)です」もまた、「存」を使ったフレーズとなりますが、こちらも少し意味が違います。「所存です」は、「したいと思っています」という意味の謙譲語です。自分の決意や意思を伝えたい時に使えるフレーズですね。例として「チーム一同、これからも一致団結し取り組む所存です」や、「新天地にて、日々邁進していく所存です」などが挙げられます。
「存じます」の英語表現とは?
「存じます」の英語表現は、その場面や意味合いによって、「hope~」、「would like to~」、「think~」など使い方が変わってきます。すべて覚える必要はありませんが、英語での表現もこれを機に少しずつ触れていきましょう。
<例文>
“I hope that you are very well.”
(お元気にお過ごしのことと存じます)
“We would like you to attend our wedding party.”
(私たちの結婚式に参加していただきたく存じます)
“Unfortunately, I don’t think I can help you this time.”
(誠に残念ですが、今回はお役に立てないかと存じます)
最後に
「存じます」というフレーズ、上手に使いこなせるようになりましたか? 日常だけでなく、ビジネスでも非常に活用できる言葉です。ただし、使い方には注意が必要な言葉にもなりますので、説明したように使う頻度や似た言葉とは区別して使い分けてください。この言葉の使い方を覚えれば、目上の方や取引先とのやりとりもスムーズになるでしょう。ワンランク上の社会人を目指し、ぜひ活用してみてくださいね!
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