口臭ケアちゃんとできてる? 歯科医師に聞いた正しい口臭ケア
口臭は全身疾患が原因でおこるものと口(口腔)が原因でおこるもの、そしてこれらを複合した口臭もありますが、口腔内が原因でおこるものでは、歯周病によるものが多くを占めています。
虫歯や歯周病は、原因の細菌により口の中の汚れが発酵される際に引き起こされるわけですから、口の中の汚れを効果的に除去することが重要です。
虫歯や歯周病を原因とした口臭の除去は、ブラッシングが基本です。
これまでにも述べてきましたが、細菌自体を完全に除去する事はできませんから、細菌繁殖のエサとなる口の中の汚れをブラッシングによって除去していく、という考え方です。
◆ブラッシング→次亜塩素酸水で洗口
このブラッシングの効果を補助するのに、私がお勧めしているのは、高濃度次亜塩素酸水(ポイック・ウォーター)での洗口です。
次亜塩素酸水は、漂白剤の主成分の「次亜塩素酸ナトリウム」とは、全く異なるものです(注:「次亜塩素酸ナトリウム」での洗口は口の粘膜に害を及ぼし危険ですので、絶対に行わないでください。使用前に成分及び製法について十分にご確認ください)。体内の白血球が細菌を攻撃するのに産生されるのが、この次亜塩素酸。高純度の食塩水を電気分解したもので、余計な化学物質がありません。タンパク質分解作用と高い除菌作用を持っているため、ブラッシングで取りきれなかった汚れを除去してくれます。
更に、細菌だけでなくインフルエンザやノロウイルスにも効果がある事が実証されています。
歯磨き粉や洗口剤にも様々な薬効成分が含まれていますが、体に不要な化学物質が入っていないもので効果の大きいものを選びたいもの。そのため、不純物のない次亜塩素酸水を洗口剤として勧めています。
ブラッシングにより口の中の汚れを除去し、次亜塩素酸水で細菌のいられる場所を制限する、このような形で細菌が悪い事をしにくくする事により歯周病や虫歯予防につながり、結果として口腔が原因となる口臭をなくしていく事が可能になってきます。
このような形で口腔ケアをおこなっても、依然として口臭が続く場合には、全身的な疾患が疑われますので、内科への受診を考えてみるといいかもしれません。
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大岡歯科医院 大岡 洋院長
1991年、慶應義塾高等学校卒業。1997年、東京歯科大学卒業。
2002年、ハーバード大学歯学部・公衆衛生学部大学院(予防歯科学専攻)修了。
日本人歯科医師として初めて予防歯科で理学修士(Masterof Science)を取得。
東京都品川区・大岡歯科医院(目黒診療所・中延診療所)代表。
2003年より東京歯科大学非常勤講師(歯科補綴学)。国際歯科学士会(ICD)理事。
アメリカ歯周病学会(AAP)会員。慶應義塾大学特選塾員。著書に『「歯みがき」するから歯は抜ける』(現代書林)。