こんにちは、国際中医薬膳師・漢方アドバイザーの大木さと子です。仕事にもプライベートにも忙しい女性のみなさんが自分の変化に向き合うヒントや、毎日を気持ちよく過ごすためのプチ知識を、東洋医学の視点からご紹介します。
天気が悪いと、気持ちだけでなく体もなんだかだるかったり、不調を感じることがありますよね。天気が悪い、つまり気圧が低くなることで、体にはどんな変化が生じているのか知っていますか?
天気が悪いと頭痛がする、ヒザが痛くなる理由
夏も盛りを迎えるとやってくる、台風。台風に限らず雨の日など、低気圧によって体の不調を感じたことはありませんか? 具体的には頭痛・膝などの関節痛・イライラなど。天候が悪いと体を動かすことも減るので、体も気持ちも重だるくなりがち。暑さに加えて、夏バテが加速してしまいます。
体は「山登りでパンパンになったお菓子の袋」状態
気圧が下がることで体調が変化するメカニズムは案外、単純。空気の圧が低いということは、人やモノにかかる圧力が少ないということ。高い場所に行くほどに、気圧は低くなります。山登りをした際にお菓子の袋などがパンパンに膨らむのは、外からの圧力(気圧)と比べて袋の中の圧力の方が強くなってしまうからなんです。大気が低気圧に覆われているとき、これと同じことが体にも起こっています。
気圧が下がると体が膨張する、ということですが、人の体は細胞や血液でできており、その水分が細胞や血管の外に滲み出ることで体に「むくみ」が生じます。これが細胞を圧迫し、頭痛や関節痛の原因になるというわけなんです。
体に余分な水分が停滞することは、様々な不調を引き起こします。重だるさ、むくみだけではありません。体は拡張した血管によって下がった血圧を元に戻そうと、血圧を上げようとするため、興奮を司る交感神経が優位になり、これがイライラや睡眠不良など、自律神経の乱れの原因となります。
天気が悪い日こそ、体を少し動かそう
低気圧による不調を予防するために一番有効なのは、体の節々に溜まった水分を筋肉運動によって動かし、発散させること。ストレッチだけでも、十分に行えば水分の排出は促進されます。また、流すほどの汗をかかなくても、筋肉を動かして体温を少し上昇させることで、体表から常に水分は蒸散されています。夏こそ、エアコンなどで体を冷やさない工夫が大切です。