妊娠してないのに生理がこない。その原因って?
「生理予定日から1週間経っても生理が来ない…」「次の生理までの間隔がどんどん長くなっていく…」という経験がある方は少なくないように思われます。では、どうして生理は遅れてしまうのでしょうか?
今回は、生理不順のなかでも生理が遅れてしまう原因についてみていきましょう。
◆生理が遅れてしまう原因は…?
生理が来ない時、真っ先に思い浮かぶのは「妊娠」の可能性です。しかし、「生理が来ないので妊娠検査薬を使ってみたけど結果は陰性、病院に行っても陰性だった…」という場合もがあります。
ここでは妊娠以外の理由で生理が来ない原因をみていきましょう。
1. ホルモンバランスの乱れ
生理にはエストロゲンとプロゲステロンという2種の女性ホルモンが密接に関わりあっており、この2つのバランスが乱れてしまうと生理がなかなか来ない… という事態がおこります。
このホルモンバランスが乱れる原因として考えられるのが、「ストレス」と「過度なダイエット」「過度な運動」などです。
ハードワークや人間関係でのトラブル・引っ越しや転勤などの環境の変化によって、無意識のうちにストレスを感じてしまい、生理が止まってしまうこともあります。
また、過度なダイエットによって急激に体重が落ちてしまうと、ホルモンを分泌するのに必要な体脂肪が少ないため、生理が遅れてしまうこともあります。
自分ではからだに負担をかけているつもりではなくても、些細なことでホルモンバランスは乱れてしまいます。生理が予定よりも遅れている場合は、直近1ヶ月の生活リズムに変化はなかったか、先ずは思い返してみてはいかがでしょうか。
2. 婦人系の疾患
生理が遅れてしまう原因として、婦人系の疾患にかかっている場合が考えられます。
代表的なものとしては…
・子宮筋腫
・子宮内膜症
・子宮頸がん
・多嚢胞性卵巣症候群
などがあげられます。
これらの疾患が生理の遅れの原因であった場合、ご自身では調べることができませんので、不安に思われる方は病院の受診をおすすめします。
3. 早発閉経
一般的な年齢(45歳〜58歳)よりも早く生理が終わってしまうことを「早発閉経」といい、これも生理が遅れた場合に考えられる原因のひとつです。
早発閉経になると排卵がおこらなくなり、ホルモンを分泌するはたらきも衰えてしまいます。妊娠をめざす方にとっては今後の妊活プランにも影響がでてしまいますので、3ヶ月以上生理がこない時には早発閉経の可能性を疑い、医師に相談しましょう。
4. 甲状腺の病気
内分泌系の疾患として、生理を遅らせる原因となるのは甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気)です。
しかし、生理が遅れている、というだけで甲状腺の病気であるかどうかは判断しにくいものです。
まずは妊娠検査薬や基礎体温グラフ・日々の生活の見直しからはじめてみて、それでも原因がわからない… という場合には甲状腺の病気の可能性を考えてみてはいかがでしょうか?
◆生理が遅れている… 目安は1週間から
生理周期は人によってさまざまですが、妊娠の可能性がある場合には生理予定日よりも1週間遅れていたら生理が遅れている状態として、病院を受診されることをおすすめします。
病院を受診される前にできることとしては、妊娠検査薬の使用です。妊娠検査薬もまた、生理予定日よりも1週間後でないと正しい結果を出しにくくなっておりますので、使用方法を守って正しいタイミングで検査されることをおすすめします。
また、妊娠の可能性がないが生理が遅れている… という場合には、目安として生理予定日より2か月を超えた場合、病院を受診されることをおすすめします。
その際に、基礎体温の記録をとっておくことをおすすめします。基礎体温も乱れ、生理も遅れている場合には疾患の可能性が考えられるためです。
生理が来ない、という症状は非常にデリケートな問題で、なかには受診しづらいな… と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、早い段階での受診が病気の早期発見につながる場合もあります。不安に思われた場合には病院を受診されることをおすすめします。
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医師 杉山力一
杉山産婦人科院長。不妊治療の名医。日本における生み分け法の権威・杉山四郎医師の孫。
東京医科大学産科婦人科医局では不妊治療・体外受精を専門に研究。その後、1999年より杉山産婦人科勤務。
監修する女性向けアプリ「eggs LAB」では、独自ロジックにより、アプリでの問診で自身の情報を入力することで、これまでにない高い精度での生理日・排卵日予測を実現。不安定な生理周期にも対応した適切なアドバイスや、妊活に関する情報まで、個々の身体の状態にフィットした「あなただけの/あなたのための/今欲しい情報」を発信中。