「モブキャラ」の意味とは?
「モブキャラ」という言葉、聞いたことがありますか? アニメや漫画に詳しくない人だと耳馴染みのない言葉かもしれません。
「モブキャラクター」の略で、アニメや漫画作品などに出てくる「名無しの群衆」のこと。具体的な役割としては、「道を行き交う通行人」、「学校のその他大勢のクラスメイト」、「コンサート会場の観客」などが挙げられます。
ドラマや映画業界では、「エキストラ」という言葉で表されることが多いです。こちらの言葉は聞いたことがある人も少なくないでしょう。
転じて、最近では「名前はあるが存在感のないキャラクター」のことを揶揄して「モブキャラ」と呼ぶこともあります。劇中で「あの人モブっぽいよね」と、主人公を揶揄する言葉として使われているのを見たことがある、という人もいるのでは?
「モブ」とは、もともとアニメーターの間で使われていた用語。人がたくさんいるシーンを「モブシーン」と呼び、そこに登場するキャラクターのことを「モブキャラクター」、略して「モブキャラ」と呼ばれるようになったそう。
語源は英語の「mob」で、辞書には以下のように書かれています。
【名】
1:暴徒、(暴徒の)群衆
2:(すり・強盗などを働く)犯罪グループ、ギャング;マフィア
3:下層民、大衆、民衆
4:(同種の人の)集団、集まり
5:(ヒツジ・牛などの)群れ
【動】
(興奮して)押し寄せる、(群がって)… を襲う、襲って排除する
(「小学館 プログレッシブ英和中辞典」より)
ここまで意味があると、mob characterという英語から来ている言葉かと思いきや、カタカナあるあるで、これも立派な?和製英語。とはいえ、「モブキャラクター」は語源のmobの「民衆、集団」という意味合いと似ていますね。
また、最近ではアニメ好きの間で「モブキャラ」をもじって「モブかわ」という言葉も生まれました。
これは「モブなのにかわいい」という意味の言葉で、学園アニメなどたくさんのキャラクターが映る場面で、名前のあるメインキャラクターではないのに、やけにかわいい姿をしたキャラクターを見つけたときに使用されています。
モブキャラでかわいいと人気があるのは?
では、実際にどのような作品に「モブかわ」なキャラクターが登場するのでしょうか?
特に「かわいい」と話題になったキャラクターを見ていきましょう。
立花姫子(アニメ『けいおん!!』より)
「モブかわ」と聞いて、まず思い浮かぶのは2010年4月〜10月に放送されていたアニメ『けいおん!!』内に登場する立花姫子。主人公・平沢唯の隣の席に座っている生徒という設定で、アニメ初登場時には名前はなかったものの、生徒名簿が映るシーンなどからファンが名前を割り出し、その後、アニメ内で正式に「立花姫子」という名前であることが判明しました。
このキャラクターをきっかけに、その後『けいおん!!』ファンの間でメインキャラクターのクラスメイトに注目する“モブキャラブーム”が起きたと言われています。
ヒデコ・フミコ・ミカ(アニメ『ラブライブ!』より)
女子高生たちが通っている高校を廃校の危機から救うために、アイドルとなって活動するというストーリーで大人気の『ラブライブ!』。舞台が女子校なだけあって、たくさんのモブキャラクターが登場しますが、中でも最初に人気が出たのは、主人公・穂乃果のクラスメイトであり、ファンとして活動をサポートするヒデコ・フミコ・ミカの女の子3人トリオでした。
ショートカットで背が高く活発な印象のヒデコ、黒髪ポニーテールで文化系な見た目のフミコ、背が低く妹キャラのミカと、全く異なる見た目の3人がいっしょに行動していることで、ファンの間でも印象に残りやすかったそうです。
日下部みさお&峰岸あやの(アニメ『らき☆すた』より)
2007年4月〜9月まで放送されていた、女子高生のゆるい日常を描いた四コマ漫画が原作のアニメ『らき☆すた』。この中に出てくる日下部みさおと峰岸あやのというキャラクターは、原作の漫画では名前がないモブキャラでしたが、アニメをきっかけに人気が爆発。のちにオリジナルのキャラクターソングが作られるまでになりました。
このように、最初はモブキャラだったけれど、ふとしたきっかけで人気が出て準レギュラーにまで至るという例もあります。
最後に
「モブキャラ」について、理解できましたか? 普段、何気なく見ているアニメや漫画でも、画面の端に目を凝らすとかわいいモブキャラがいるかもしれません。モブキャラにまで注目して見ると、さらに深くアニメや漫画を楽しめそうですね!
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