リビングの縦長と横長のメリット・デメリットは!?
リビングの間取りとして、「縦長」と「横長」という2種類の呼び方を聞いたことがあると思います。一般的に、この「縦長リビング」と「横長リビング」の違いは、バルコニーに対するリビングとダイニングの位置関係。
■縦長リビング
▲杉並区Y様邸
「縦長リビング」は、リビングのみがバルコニーに面していて、ダイニングはリビングと縦方向につながっています。
主なメリットは、リビングとダイニングの壁の面積が大きく、家具が配置しやすいこと。一方、ダイニングやキッチンが奥まっていて光が入りにくいというデメリットも。
■横長リビング
▲江東区O様邸
バルコニーに対してリビングとダイニングが横に並んでいる間取りを「横長リビング」と呼びます。
メリットはなんといっても、リビングからダイニングにかけて光が差し込むこと。明るく開放的な空間になりますよね! デメリットは、壁の面積が少ない分、家具の配置が制限されやすいことなどが挙げられます。
狭いリビングを広く見せるインテリアのコツ
広さは変わらないのになぜか“広く見える部屋”と“狭く見える部屋”がありますよね。この違いは、「目線をあやつれているかどうか」。
「この部屋は広々している」と感じるとき、部屋の奥まで人の目線が抜けています。一方、狭く感じる部屋では、部屋の手前や真ん中くらいで目線が止まってしまっています。
背の低い家具を奥に
目線が邪魔されないと、部屋の一番奥まで見通せますよね。つまり、目の錯覚で奥行きができるのです。美術でいう、“遠近法”。手前にあるモノを大きく、奥に進むにしたがって小さく描くことで、奥行きを表現することができます。
そこで、食器棚や本棚などの背の高い家具を入り口の近くに、小さめの棚やソファなどの背の低い家具を奥に向かって配置しましょう!
ラグを明るい色に
▲横浜市I様邸
床の色味が明るめだと、部屋が広く感じます。こげ茶など床の色が濃い場合は、明るい色のラグを敷きましょう。白やベージュ、ライトグレーなどの色であれば、インテリアの邪魔をしないのでオススメです。
明るい色の面積の割合を大きくすると、部屋に広さが出ます。
床の余白は2/3
▲渋谷区K様邸
家具がたくさん置いてある部屋は、どうしても窮屈な印象になりますよね。広く見せるためには、床の面積に対して家具の占める面積を1/3にするのがベスト。つまり、床の空きスペースを2/3くらい確保するということです。
また、家具が部屋の真ん中あたりに配置されていたら、人の視線はそこで止まってしまいます。特に狭い部屋の場合は、ソファや本棚などの大きめの家具をできるだけ壁際に寄せるようにしましょう。部屋の中央のスペースを空けると、床の面積が広く見えます。
ソファのレイアウトはライフスタイルで決めて!
リビングの家具として中心的な存在となる、ソファ。置き方次第によって、リビングの印象を左右すると言っても過言ではありませんよね。
ソファのレイアウトは、「毎日をどのように過ごしたいか」というそれぞれのライフスタイルによって決めていきましょう。
食事と団欒は別々に:ダイニングに背を向ける
▲横浜市T様邸
食事と団欒を完全に分けたいという場合、ソファはダイニングに背を向けて配置するのが一般的。
ソファによってリビングとダイニングを仕切ることができ、それぞれの空間のインテリアを楽しむことが可能に。特に、1人暮らしやご夫婦で暮らす世帯にオススメです。
会話を生まれやすく:ダイニングに向ける
▲港区Y様邸
お客様をよく招くという家庭や、お子様のいる家庭、家族が多い家庭などは、ソファをダイニングに向けて置くのもあり。
リビングとダイニング間で会話が生まれたり、リビングで遊ぶ子どもが視界に入りやすくなったりする効果も。
眺望を活かす:窓に向ける
▲港区T様邸
高層マンションなどで眺望がよい部屋の場合、窓に向けてソファを配置するのも一つの手。
昼から夜へと移りゆく風景を眺めながら寛ぐ時間は、至福のひととき。その部屋の魅力を最大限に活かすレイアウトを考えましょう!
※実例写真は、荒井詩万先生が手がけたコーディネート事例について許可を得て掲載しています。
取材・構成/川原莉奈
教えてくださったのは… インテリアコーディネーター・荒井詩万さん
インテリアコーディネーター。CHIC INTERIOR PLANNING主宰。日本女子大学家政学部卒。フリーランスのインテリアコーディネーターとして、「友人宅の椅子をひとつ選ぶ」ことからキャリアをスタート。現在までに個人邸のコーディネート、リフォームなど150件以上を手がける。使いやすいプランニング、細かな収納計画、美しい配色にこだわった、住まう人それぞれに合う心地よい空間づくりが人気。インテリアスクールや大学の講師としても活躍。その他、さまざまなセミナーや自宅でのインテリアレッスンなどを通して、今まで4000人以上にインテリアのノウハウを伝える。NHK教育テレビ「資格☆はばたく」、テレビ東京「インテリア日和」、日本テレビ「スッキリ!」など、テレビ出演も多数。
先生の詳細は、こちらから。
書籍『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』(荒井詩万著:サンクチュアリ出版)
センスが無い、お金が無い、子どもがいる、賃貸、狭い、物が多い、でも大丈夫! センス、お金、広さ、全部いらない。4000人以上にノウハウを伝えてきた理論派コーディーネーターが教える、真似するだけの部屋づくり。何も買わずに勝手に部屋があか抜ける! どんな部屋でもあてはまる黄金ルール教えます。
書籍の詳細は、こちらから。