擦り傷ができたら! 消毒剤は使わず水洗いプラス高機能絆創膏
まず、擦り傷ができてしまったら、消毒剤は使わずに水で洗い流してください。
消毒薬は、細菌の殺菌のみでなく、傷を再生する細胞も傷つけるので却って治りが遅くなる、またそのための痛みがでるという理由で、昨今「創傷」の治療には、基本的に消毒薬を使わなくなっています。
消毒剤は医師の間でも「絶対使わない派」と「使うことも必要派」に分かれていますが、「使うことも必要派」の場合でもポビドンヨードなど刺激の少ないものを選ぶとされています。
ボビドンヨードは、「イソジン消毒液」などの名称でドラッグストアで購入することができますよ。
深い傷や、炎症が起きている場合、釘など刺さってしまった場合、感染が疑われる場合、動物にかまれた傷などの場合には消毒が必要になりますが、そのような場合には自己判断ではなく、医療機関に受診することが必要です。
軽度の擦り傷程度であれば、水で綺麗に流し、「湿潤療法」に適した高機能絆創膏を貼りましょう。
■傷口から出る体液を最大限に活かす! 湿潤療法に適した「高機能絆創膏」って?
高機能絆創膏とは、傷口を保水性のあるパッドで覆い、傷口を再生させるための細胞の働きを助けて治す「湿潤療法(モイストヒーリング)」としての役割がある絆創膏のこと。
フツウの絆創膏と比べて早くきれいに傷口が治る効果が期待でき、主に擦り傷、刺し傷、切り傷、かき傷、あかぎれ、さかむけ、軽いやけど、靴ずれなどの場合に適しています。
湿潤療法は、傷に消毒液を塗ってその上から絆創膏を貼りかさぶたを作って治す「ドライヒーリング療法」といった従来の手当とは異なり、かさぶたを作らずに傷を治療していきます。
傷口から出る体液にはキズを治す因子が含まれていて、この体液の働きを最大限に活かすことで、傷を早く治します。
高機能絆創膏は、一度貼ったら2〜3日に1回は傷の治りをチェックするために剥がして点検しましょう。
一度はがした絆創膏は使わずに新しいものに張り替え、その際も再度水で傷口を綺麗に洗ってから貼ってください。
高機能絆創膏のゲル部分は、体液を吸って膨らむようになっています。白くふくらんでも心配せず、そのまま貼り続けてください。ただし白いふくらみがはみ出しそうになってしまったときは交換が必要。3日間を超えて貼り続けないようにしてください。
いつまでも痛みが引かない場合や赤く腫れている場合、2週間程度も治らない場合には医療機関を受診するよう心がけてくださいね。
高機能絆創膏は、ニチバンのケアリーヴ™、キズクイック、クイックパッドなど、さまざまなメーカーから発売しています。
できるだけ擦り傷を残さないためにも、早めの対応が大切。傷ができてしまったら、きれいに洗って水気をかるくとり、乾燥しないうちに高機能絆創膏を使うことを心がけて。
初出:しごとなでしこ