働く私たちに「セルフ会議」が必要な理由は?
教えてくれたのは… スポーツ心理学者/博士(システムデザイン・マネジメント学)・田中ウルヴェ京さん

たなかウルヴェ・みやこ/1967年、東京生まれ。ソウル五輪シンクロ・デュエット銅メダリスト。日・仏・米代表コーチを10年間歴任。米国大学院にて修士修了(スポーツ心理学)。慶應義塾大学にて博士号取得。IOCの委員。トップアスリートや企業リーダーにメンタルパフォーマンスとウェルビーイングを指導。
Oggi読者の皆さんは日々、いろいろな役割を担っていると思います。職場では上司や部下、家庭では妻や母や娘。その役割に応え続けていると、自分が今、何を感じ、何を考えているのかを確認する時間が、つい後回しに。情報があふれ、スピードも求められる今だからこそ、意識を自分に向ける時間が必要に。そんな「セルフ会議」についてポイントをまとめてみました。
ポイント1|悩みを可視化することで主体的な選択ができるように
セルフ会議とは、自分の心を知って、次の行動を自分で選び直す時間のことです。たとえば「イライラ」「焦り」「不安」を感じたとき、「こんなことを思ってはいけない」と打ち消す必要はありません。まず「私は今、こう感じているんだ」と気づく。そして、「何があった?」「私はどう感じた?」「では、次にどうする?」と自分に問いかけてみます。
大切なのは、ネガティブな感情をなくすことではありません。不安やイライラが残っていてもいい。そのうえで、次に自分がどう行動するかを自分で選べることに気づくことです。
たとえば仕事を頼まれて「本当は断りたい」と思ったとき、必ず断らなければ自分を大切にしていない、ということではありません。「本当はイヤだけど、今回はやる」と決めることも、立派な自己決断です。これを積み重ねることで、主体的な意思決定ができるようになります。
ポイント2|無理にルーティンにする必要はない
「セルフ会議」は、毎日決まった時間に行う必要はありません。短い時間でも自分の状態に気づく習慣をつくることが大切です。
心が少し動いたときに、ノートやスマホに「何があった?」「どう感じた?」「次にどうする?」と書いてみる。「今は行動が見えない」と書いてもいい。それだけでも、自分の心との距離が変わります。心が揺れないことではなく、揺れたときに整え直せる自分を目指しましょう。
みんなの整い習慣を教えて!

「目標ノートと感情整理ノートの2冊を活用」(キッチンブランド経営・有木万美子さん)
「書いたら捨てる!」(モデル・水野夏実さん)
「『楽しかった』『面白かった』以上の言葉を増やしたかった」(「チャプターズ」書店主・森本萌乃さん)

「自分軸になれる感覚がある」(ビームス PR・高橋 咲さん)

「10年日記を30年続けています」(ボルボ・カー・ジャパン マーケティング&PRヘッド・京谷麻矢さん)
「こうなりたいとか、これをしてみたいという願望や目標を書き出すことで、意識がそっちに向いてアクションにもつながる。そうしているうちに、自然と理想に近づいていくと思う」(オッジェンヌ・牛丸麻衣子さん)
2026年Oggi11月号「『セルフ会議』という整い習慣」より
構成/宮田典子
再構成/Oggi.jp編集部



