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「予定調和」とは? 意味をわかりやすく解説
「予定調和」は昨今「最初から結末が決まっていること」という意味で使われていることがほとんど。
でも、本来の意味には少し違った背景があります。
辞書を調べると、次の意味が書かれています。
よてい‐ちょうわ〔‐テウワ〕【予定調和】
出典:デジタル大辞泉/小学館
1 ライプニッツの哲学で、宇宙は互いに独立したモナドからなり、宇宙が統一的な秩序状態にあるのは、神によってモナド間に調和関係が生じるようにあらかじめ定められているからであるという学説。→モナド論
2 (日本社会で)小説・映画・演劇・経済・政治等広い範囲で、観衆・民衆・関係者等の予想する流れに沿って事態が動き、結果も予想通りであることをいう。「勧善懲悪の予定調和を破った時代小説」「予定調和の法案成立」
つまり「あらかじめ決まっていたかのように物事が無理なくまとまること」あるいは「最初から結末が予想できる展開」といった意味が強い言葉です。
でも、本来は哲学者が説いた概念がベースにあります。
現代では、展開が読める映画や想像どおりのストーリー、最初から結論が決まっている会議などを表現するときによく使われています。
「予定調和」は悪い意味? ポジティブにも使われる?

「予定調和」と聞くと「つまらない」と同じ意味だとも思われがちですが、実際には文脈によって評価が変わります。
ネガティブな意味とポジティブな意味について、それぞれ解説しましょう。
♦︎ネガティブな意味で使われる意味は?
ネガティブな意味で使われるときには「予定調和すぎて、途中でオチが読めたよね」や「安全すぎる企画で予定調和になってしまった」などと、“意外性がない”や“刺激がない”といったニュアンスで使われています。
♦︎ポジティブな意味で使われる意味は?
一方で、ポジティブな意味で使われるときには「予定調和だけど安心して見られるドラマだった」など、“期待どおりで満足できた”といったニュアンスで使われています。
安心して楽しめる作品への感想や、王道のストーリー展開、信頼できる仕事の進め方などへの評価に使われがちです。
ビジネスでの「予定調和」の意味は独特?
ところで、ビジネスシーンで「予定調和」を使うときには、少し独特の意味合いが隠れていることも。
たとえば「この会議は、予定調和だったね」と言われた場合には、最初から議論が決まっていた流れや、議論をする意味が感じられなかった結果などへの皮肉的な感想であるケースが多いでしょう。
また、意見交換が形式上のもので終わってしまい、実態がないと感じた会議を「予定調和の会議」と表現する場合もあります。
つまり、ビジネスシーンでは、建設的な議論が行われなかったことへの批判的な意味合いで用いられる場合も多い言葉です。
「予定調和」と似た言葉はある? 違いは?

「予定調和」は独特のニュアンスをもつ言葉ですが、似た意味の日本語はいくつかあります。
代表的なものを整理しておきましょう。
♦︎「出来レース」
「出来レース」は、最初から勝敗や結果が決まっていることを意味する言葉。
似た意味の言葉ではありますが「予定調和」と比べると、「出来レース」はより公平性に欠けるニュアンスです。
♦︎「茶番」
「茶番」は、最初から筋書きが決まっている見せかけのやり取りを指します。
「予定調和」に近い意味ですが、「茶番」のほうがさらに批判的な表現です。
♦︎「王道」
「王道」は、多くの人に支持される定番の展開を意味します。
「予定調和」と比べると、「王道」のほうが安心感のある展開をよりポジティブに表現する言い回しです。
【アラサーの失敗談】「予定調和」を褒め言葉だと思っていたら… 人間関係がギスギスに

ところで、筆者は以前に「予定調和」を褒め言葉だと思って使っている人を見たことがあります。
あるとき、その人の思い込みによって場が凍るシチュエーションに遭遇しました。
仮にHさんとして、エピソードを紹介しましょう。
Hさんは、とあるプロジェクト企画への感想を聞かれたときに「予定調和って感じですね!」と発言。その場にいる人は「王道といういい意味の評価」と「面白みがない企画という意味の悪い評価」に受け取った人とに分かれてしまいました。
すると後日、悪い意味で受け取った企画の発案者が、Hさんに対しては面と向かって厳しい態度をとるように…。
どんどん人間関係がギスギスしてきたために周囲の人が仲裁に入ってみると、その人はHさんが自分の企画に対して「予定調和」と発言したことを根にもっていたのでした。
Hさん自身は「王道」や「安心感」といった意味で「予定調和」を使ったそうですが、企画を批判されたと感じた人は「馬鹿にされた」と感じてしまっていたようです。
このように、「予定調和」は文脈によっても受け取り方が変わる言葉ですので、使うときには相手への伝わり方まで配慮をしたほうが無難でしょう。
「予定調和」を用いる際の注意点

「予定調和」は使いやすいリズムの表現ですが、場面を誤ると誤解を招きがちです。
注意点をまとめました。
♦︎注意点1:相手の作品や企画への意見には慎重に使う
「予定調和ですね」は「つまらないですね」の意味だと受け取られがちな言葉でもあります。
悪い意味に受け取られないよう、感想を伝える場合には「安定感がありますね」「わかりやすいですね」などの別の表現も選択肢に入れてみて。
♦︎注意点2:必ず文脈を添える
ただ「予定調和ですね」とだけ発言してしまうと、批判的な言葉に聞こえがちです。
使うときには「予定調和だけど、安心して見られますね」や「予定調和だからこその魅力があります」など、ポジティブな言葉を補足するようにすると、意図が伝わりやすいでしょう。
「予定調和」って難しい言葉!? 疑問に専門家がアンサー

「予定調和」にまつわる疑問に、専門家がワンポイントで回答します!
♦︎Q1.「予定調和」とは、簡単にいうと結局?
A1.「結末が予想できる展開」という意味が強いです。
昨今の会話では、「あらかじめ決まっていたように物事がまとまること」や「結末が予想できる展開」という意味で使われる機会がほとんどです。
♦︎Q2.「予定調和」をビジネスで使っても大丈夫ですか?
A2. 誤解を招きやすい言葉なので使わないほうが無難かも。
使えるには使えますが、「最初から結論が決まっている」「形だけの議論」という批判的なニュアンスで受け取られることが多いため、誤解を招きがち。
使用できる場面も限られることから、使わないほうが無難かも。
♦︎Q3.「予定調和」は基本的に悪い意味ですよね?
A3. 悪い意味だけではないけれど…
必ずしも悪い意味ではありませんが、悪い意味で使われることのほうが多いでしょう。
良い意味で使うときには「安心感がある」という肯定的なニュアンスですが、使用できる場面はかなり限られます。
「予定調和」は哲学に由来する言葉
「予定調和」は「最初から結末が見えている展開」や「あらかじめ決まっていたように物事がまとまること」という意味で広く使われていますが、本来は哲学に由来する言葉。
Oggi世代は、仕事でもプライベートでもレビューや感想を伝える機会が増える年代でもありますが、曖昧な言葉や誤解を生む言葉はなるべく避けるのが賢明です。
「予定調和」も誤解を招きやすい言葉のひとつですので、使う際には相手への配慮をしながらトラブルにならないよう心がけて◎。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。



