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「存じ上げません」の意味とは?「知りません」との違いは?
「存じ上げません」は、「知る」の謙譲表現である「存じ上げる」を否定した表現。
つまりシンプルにいえば「(私は)知りません」を、丁寧にした言葉です。
ただし、単純に「知りません」を敬語にしただけではなく、相手への敬意を示しながらも自分をへりくだるニュアンスが含まれます。
そのため「そのかたは存じ上げません」など、“人”に対して用いられることが多い表現です。
♦︎「知りません」と「存じ上げません」の違いって?
同じ意味として使われている場面も実務上は少なくありませんし、「知りません」は「存じ上げません」の意味としては間違いではありません。
しかしビジネスシーンで「知りません」を使うと、ややそっけなく聞こえやすいだけでなく、強すぎる印象を与えがちです。
つまり違いをまとめると、「知りません」は直接的で冷たい印象を与えやすく、「存じ上げません」は柔らかく丁寧な印象を与えやすい表現として心得ておきましょう。
もう間違えない!「存じ上げません」の正しい使い方

実際のビジネスシーンで「存じ上げません」を正しく使えるよう、この機会にニュアンスをマスターしましょう。
場面別に、例文を交えて解説します。
♦︎人物について知らないとき
<例文>
「申し訳ございませんが、そのかたは存じ上げません」
「担当者について、私は存じ上げておりません」
このように話題になっている対象の人物を知らないときに、丁寧な表現として用います。
なお「存じ上げません」は、実務上で人物に対して使われることが多い表現です。
♦︎情報を把握していないとき
<例文>
「現時点では詳細を存じ上げません」
「その件については私も存じ上げておりません」
相手が情報を尋ねてきた、あるいは情報を共有できている前提で話してきたけれど、自分が知らないことであった場合にも、相手への敬意を込めた表現として用いられることがあります。
ただし基本的には“人物”に対して使うケースが多い言葉なので、情報を把握していないことに対する用法は人物に使う場面と比較すると限定的です。
赤っ恥を回避!「存じ上げません」を使うときの注意点

「存じ上げません」は丁寧な言葉ではありますが、何に対しても「存じ上げません」を使えば良いわけではありません。
Oggi世代がビジネスシーンで特に迷いやすいのは、次のポイントです。
♦︎注意点:「物」や「事柄」には不自然になる場合がある
たとえば、ビジネスシーンでの会話で「そのシステムは存じ上げません」と言ってしまうと、場合によっては不自然に感じられることもあります。
これは「存じ上げる」が一般的には“人”への敬意を含む表現であることから、会話の流れや文章の脈略によっては、違和感を生じやすいのです。
この場合ならば「そのシステムについては、把握しておりません」などと言ったほうが、自然です。
♦︎注意点:「知りません」の敬語としてそのまま使わない
「存じ上げません」は「知りません」と極めて似た意味をもちますが、「知りません」の敬語として機械的に使うのはおすすめできません。
「存じ上げません」は、対象となっている“人”への敬意を含むときに用いると自然な表現です。
したがって、敬意を表す必要がない場面で「存じ上げません」を使うと、不自然に聞こえやすいでしょう。
♦︎注意点:「恐れ入りますが」「申し訳ありませんが」などと合わせて使う
「存じ上げません」を使うときに「○○については存じ上げません」だけでは、きつい印象を与えがち。
実務的には「恐れ入りますが、○○については存じ上げません」「申し訳ありませんが、○○については存じ上げません」などと、クッション言葉を添えるのが一般的です。
「存じ上げません」の言い換え表現をチェック

「存じ上げません」に似た意味をもつ言葉のバリエーションを例文とともにチェックしましょう。
場面や状況に応じて使い分けができると、スマートなコミュニケーションに役立ちます。
♦︎「承知しておりません」
「承知しておりません」は、聞いていない・認識していないときに使える表現です。
<例文>
「その件については承知しておりません」
♦︎「把握しておりません」
「把握しておりません」は、自分は情報をもっていないときに使いやすい言い回しです。
<例文>
「現状については把握しておりません」
♦︎「わかりかねます」
「わかりかねます」は、知らない旨を丁寧に伝えたいときに使える表現です。
<例文>
「現時点ではわかりかねますので、すぐに確認いたします」
「存じ上げません」への迷いを解決! 実務で使えるワンポイント回答

Oggi世代が感じやすい「存じ上げません」への疑問や迷いに、専門家がワンポイントで回答します!
♦︎Q1. 存じ上げません」は、堅苦しい表現ですか?
A1. 場面によっては硬すぎると感じさせます。
基本的に「存じ上げません」は、丁寧な表現でオフィシャルな場でも使える言葉です。
しかし場面や関係性によっては、その丁寧な印象が、かえって堅苦しい印象を与える場合もあります。
♦︎Q2. ビジネスの場面で「知りません」というのはダメなのですか?
A2. 間違いではないけれど…。
「知りません」も、日本語としては間違っているわけではありません。
しかしビジネスシーンでは直接的な表現を避ける文化もあり、そっけない印象や冷たい人だと思われるリスクが伴います。
♦︎Q3.「存じません」と「存じ上げません」の違いって?
A3. 実務上、使い分けをしている人が多い傾向にあります。
「存じません」(または「存じています」)は物事にも使いやすく、「存じ上げません」(または「存じ上げています」)は人物に使う傾向にあります。
「存じ上げません」は相手への敬意を含む表現
「存じ上げません」は、相手への敬意を含む丁寧な表現です。
ただし大切なのは、丁寧であることと自然に聞こえることは別物であるという点でしょう。
敬語を使い慣れないときほど丁寧にしたい気持ちが走りすぎて、不自然な使い方をしてしまいがち。「存じ上げません」は何にでも使いたくなる言葉かもしれませんが、相手への敬意を含むときにだけ用いたほうが自然です◎。
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並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。



