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「お手数おかけして申し訳ありません」の意味とは?
まずは、基本的な意味をチェック。
「お手数おかけして申し訳ありません」の「お手数」とは相手に手間や労力をかけることで、「申し訳ありません」は謝罪や恐縮のニュアンスをあらわす丁寧語です。
つまり、相手に負担をかけた(かける)ことに対する謝罪の意味をもつフレーズです。
誤解しがちな点は「申し訳ありません」が感謝ではなく「申し訳ない」という謝罪の気持ちがメインであることです。ここを間違えると、ふさわしくない場面で使いがちです。
【ビジネスマナー】「お手数おかけして申し訳ありません」が適切な場面

「お手数おかけして申し訳ありません」は、正しく使えば周囲への配慮ができる印象につながります。
よく使われる適切なビジネスシーンを整理しましょう。
♦︎修正依頼をするとき
相手に再作業をお願いするシチュエーションで用いるのは、適切な使い方です。
〈例〉
「お手数おかけして申し訳ありませんが、こちらの数値をご修正いただけますでしょうか」
♦︎相手の対応に対するお礼と謝意を伝えるとき
相手になんらかの負担をかけてしまったあとの言葉としても、適切です。
〈例〉
「お手数おかけして申し訳ありません。迅速なご対応ありがとうございます」
♦︎イレギュラーな対応をお願いするとき
急ぎの確認や資料の差し替えなど、イレギュラーな対応をお願いするときに用いるのも適切です。
〈例〉
「お手数おかけして申し訳ありません。本日17時までに資料の差し替えをお願いいたします」
「お手数おかけして申し訳ありません」が不適切になりやすい場面

便利な言葉ほど、使いどころには気をつけたいもの。
「お手数おかけして申し訳ありません」は不適切だと感じさせるリスキーな場面を解説します。
♦︎NGの可能性:日常的な軽いやり取り
日常的な軽いやり取りで「お手数おかけして申し訳ありません」を用いると、重すぎる場合も。
普段の関係性にもよりますが、タメ語で話すような間柄であれば、あえてこのフレーズを使う必要はないでしょう。
たとえば「今日のランチは、私がまとめて買ってくるね!」と言ってくれた同僚に「お手数おかけして申し訳ありません」ではバランスの悪い返答になってしまいます。
♦︎NGの可能性:何度も連呼(連発)する
相手に手間をかけてしまう謝罪を込めたいからといって、1通のメールに何度も「お手数おかけして申し訳ありません」と繰り返してしまうと、不自然な印象を強めます。
最大でも1回のメールには3回程度までが限界で、できれば2回以内にとどめたほうが良いでしょう。
♦︎NGの可能性:相手の業務範囲内での依頼
シチュエーションにもよりますが、通常通りの仕事で、なおかつ相手の業務範囲内における依頼であれば「お手数おかけして申し訳ありません」を伝えることによって、逆に不可解な連絡になってしまうことも。
本来ならば通常の業務連絡で済むはずなのに謝罪の言葉が入ることによって、仕事を振ることに罪悪感があるようにも見え、自信がなさそうな印象を醸しがちです。
「お手数おかけして申し訳ありません」を多用する背景

アラサー世代には「お手数おかけして申し訳ありません」を多用する人も少なくない印象です。
その理由には、心理的な背景が関係している可能性も…。
それぞれ解説していきましょう。
♦︎上にも下にも気を遣っている世代だから
アラサーは、上司にも後輩にも配慮しなければならない世代。
そのため、仕事では「とりあえず謝っておけば安全」といった心理も働きがちです。
普段から謝るクセがある人ほど、必要のないときにまで「お手数おかけして申し訳ありません」を使ってしまいます。
♦︎失礼になるのを恐れているから
いわゆる「炎上」的なトラブルを避けたい心理が強いほど、自分が発する言葉への恐れも強くなりがち。
すると、失礼にあたらない言葉を意識的に選ぶようになっていきます。
少しでも「失礼になったらどうしよう…」という心理が働くと、「お手数おかけして申し訳ありません」とまずは謝罪をしてしまう傾向も見受けられます。
♦︎自己評価が下がっているから
アラサー世代は、自己評価が下がりやすい年代でもあります。
頑張っていて責任も増えているのに、結果が伴わなかったり自信が失われていたり。
自己評価が下がってしまうと無意識に謝罪を含む言葉が増えるため「お手数おかけして申し訳ありません」も多用しがちです。
「お手数おかけして申し訳ありません」のスマートな言い換え方

「お手数おかけして申し訳ありません」は、他の言葉に言い換えることができます。
ビジネスシーンで使いやすい言い換え方を整理しましょう。
♦︎すでに相手が対応を終えてくれた場面では…
「ご対応ありがとうございます」
「お時間いただき、ありがとうございました」
このように「申し訳ない」という謝罪は入れずに、感謝の気持ちだけを伝えたほうが自然な場面も少なくないでしょう。
♦︎軽い依頼の場面では…
「恐れ入りますが〜」
「念のためご確認いただけますと幸いです」
「お手数おかけして申し訳ありません」よりも軽いレベルでの恐縮で済みそうなシチュエーションならば、不自然な印象を避けるためにも、あえて軽いフレーズを選びましょう。
♦︎急ぎの対応が必要な場面では…
「急なお願いで恐縮ですが」
「ご無理のない範囲でお願いいたします」
急ぎの対応を求めるシーンでは、謝罪よりも相手への配慮を重視した言い回しが適切でしょう。
「お手数おかけして申し訳ありません」はバランスが求められる言葉
「お手数おかけして申し訳ありません」は美しく丁寧なフレーズではありますが、むやみに使うべきではありません。
ビジネス上のコミュニケーションでは、ときに丁寧であることよりも適切であることが優先されますので、内容や感謝の気持ちとのバランスを考慮しながら、使いすぎない意識も大切でしょう。
定型句のように多用されがちではあるものの「お手数おかけして申し訳ありません」には謝罪の言葉が入るため、使うのにふさわしい場面なのかを見極めながら上手に言葉を選んでいきましょう◎。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。



