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2025.07.22

「目を通してください」は敬語として正しい? 言い換えや実務での使い方を解説【専門家監修】

職場でよく使われる「目を通してください」。でも、そのまま使うと失礼に聞こえることも…?「上司や取引先にはどう言い換えればいい?」「そもそも敬語として正しい?」と悩んだことはありませんか。この記事では、「目を通してください」の敬語レベルや適切な言い換え、メールで信頼される依頼文のコツまで、誰でもすぐ実践できるポイントを徹底解説します!

「目を通してください」という表現を職場で使う機会は多いものです。しかし、「この言い方で本当に丁寧なのか?」「上司や社外に使っても失礼ではないか?」と不安を感じる人も少なくありません。

この記事では、「目を通してください」が敬語として適切かどうかを文法と実務の両面から解説し、適切な言い換えや使用する際の注意点、実務で信頼を得られる表現方法を具体的に紹介します。

「目を通してください」はビジネス敬語として適切か?

職場で日常的に使われる表現であっても、相手との関係や場面によっては不適切になる場合があります。ここでは、「敬語」としての正しさを文法面と実務面の両面から検討します。

「目を通す」は敬語か? 文法的背景と敬語分類

「目を通す」は「ざっと読む」「一通り見る」という意味の語です。文法上は尊敬語・謙譲語・丁寧語いずれにもあたらず、敬語の性質を持つ動詞ではありません。ここに「~してください」を付けると、依頼の形として丁寧にはなりますが、動詞自体は敬語ではないため、敬意が十分に伝わらないケースもあります。

つまり、「見てください」とお願いする丁寧な言い方ではあるものの、相手の行為を高める尊敬のニュアンスは弱いのです。そのため、目上の人や取引先など、敬意を払うべき相手に使うと、ぞんざいな印象や「見下している」という印象を与えかねません。

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(c) Adobe Stock

上司や社外に使っても問題ない? 誤用と判断基準

社内の同僚や後輩、比較的親しい上司には「目を通してください」でも問題ありません。しかし、取引先や目上の方、「失礼のない表現」を重視したい場面では、より丁寧かつ敬意を表す表現が適しています。

例えば、メールで「お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認いただけますと幸いです」や「ご査収ください」「お目通しいただけますと幸いです」など、ワンランク上の敬語を使うと印象がよくなります。

「失礼にならない」ための前提知識とは?

敬語は、単に言葉を丁寧にするだけのものではありません。相手への敬意や配慮を形にするためのコミュニケーションツールです。大切なのは、「この表現は文法的に正しいか」だけでなく、「相手がどう感じるか」を想像すること。

特に、確認を依頼する際は相手の時間や労力を使うことになるため、言葉選び一つであなたの印象が大きく変わります。

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「目を通してください」は丁寧語ですが、敬語としては不十分な場合があります。

表現が変わると印象も変わる|「目を通してください」の言い換え表現

同じ依頼でも、言葉の選び方ひとつで相手が受ける印象は大きく変わります。シーンや相手によって最適な表現を選びましょう。

やや丁寧に伝えたいときにふさわしい表現とは?

丁寧に述べたいときは
「ご確認いただけますでしょうか」
「お目通しいただければと存じます」
「ご査収のほど、よろしくお願いいたします」

などがおすすめです。ただし、「ご確認のほどよろしくお願い申し上げます」のように過度に丁寧すぎると不自然になる場合もあるため、相手との関係性に応じて適切なレベルを選択することが重要です。

「お目通しください」「ご一読ください」との違いを使い分ける

「お目通し」は「目通し」に敬意を表す接頭語「お」を付けた言葉で、上司や取引先など目上の人にも使えます。ただし「お目通しください」は「一通りざっと目を通す」という意味で、細かい読み込みや確認を求める場面には不向きです。

「ご一読ください」も丁寧語ですが、「一読」という単位が「ざっと読む」を意味し、やや簡潔さが感じられます。読むこと自体を敬った表現で、フォーマルなメールに適します。

両表現とも過剰敬語ではないため、安心して使えますが、「詳しい確認をお願いしたい」ときは「ご確認ください」などを使うようにしましょう。

指さし 女性
(c) Adobe Stock

相手に負担感を与えない言い回しは何か?

依頼の言葉の前に一言添えるだけで、相手への配慮が伝わり、グッと印象がよくなります。

・「お忙しいところ恐縮ですが、」
・「ご多忙の折とは存じますが、」
・「お手すきの際に、」
・「よろしければ、」


「お手すきの際にご一読いただければ幸いです」
「ご多忙のところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします」

働く女性

相手や場面に応じて、より敬意の伝わる表現に言い換える工夫が大切です。

よく使われるが、実は誤解を招くケース|「目を通してください」の落とし穴

丁寧なつもりで使っていても、思わぬ誤解を生むことがあります。よくある失敗例を見てみましょう。

「軽く扱っている」と思われるリスク

「目を通す」という表現は、「軽く見る」「流し読み」という印象を与える可能性があります。重要な資料や企画書に対してこの表現を使うと、内容を軽視していると受け取られるリスクがあります。


添付の通り、新サービスの企画書を作成いたしました。
お時間のある時に目を通してください。

これを受け取った上司は、「ざっと見ればいいんだな。急ぎでも重要でもないのだろう」と判断してしまうかもしれません。その結果、後回しにされたり、あなたが期待していたような詳細なフィードバックが得られなかったりする可能性があります。

このように、自分の意図と相手の受け取り方にズレが生じることこそ、この表現の最大のリスクといえるでしょう。

「読んでほしい」が本音なのに…という違和感

本当は「時間をかけて熟読し、的確なアドバイスが欲しい」と思っているのに、遠慮や自信のなさから「目を通してください」という控えめな表現を選んでしまうことはありませんか?

この、「本音(しっかり読んでほしい)」と「建前(目を通すだけでいいです)」のズレこそが、相手に違和感を与え、期待した結果を得られない原因になります。


お忙しいところ恐れ入ります。明日のA社への提案資料ですが一度目を通していただけると助かります。

これを受け取った上司は「最終チェックで、大きな問題がないかを確認すればいいんだな」と解釈し、数分で資料を流し読みして、「大丈夫じゃない? 自信持って頑張って!」とあなたを送り出すかもしれません。

遠慮から生まれた表現のズレが、このようなコミュニケーションのすれ違いを生んでしまうのです。本当に助言が欲しいときこそ、「何に困っていて、どうしてほしいのか」を具体的に伝えることが大切です。

メール文全体での文脈バランスの重要性

同じ「目を通してください」でも、前後の文脈や全体の流れで印象が変わります。

例えば、非常に丁寧な挨拶で始まっているのに、依頼部分だけ「添付ファイルに目を通してください。」と書かれていると、その一文だけが浮いてしまい、冷たい印象や高圧的な印象を与えかねません。文章全体の流れや言葉遣いの一貫性を意識しましょう。

現場で信頼を得るために|「目を通してください」を効果的に使う方法

ただ丁寧であればいいわけではなく、仕事の信頼関係を損なわない文面が求められます。実際のメールや会話で信頼を得られる使い方の工夫を紹介します。

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(c) Adobe Stock

信頼される依頼文に共通する言葉選びの工夫

相手が「読みたくなる」心理に働きかける書き方を心がけましょう。

例えば「ぜひご確認いただき、ご意見を頂戴できれば幸いです」や、「ご負担にならない範囲で目を通していただけますと助かります」など、相手への信頼や感謝をひと言添えると、格段に印象がよくなります。

「目を通してください」を自然につなげる前後文の書き方

「目を通してください」が浮かないように自然に組み込むには、前後の文章との流れを意識することが大切です。

例えば「企画書を作成いたしました。お忙しい中恐れ入りますが、お時間のあるときに目を通していただけますでしょうか。ご意見をいただけると幸いです。」など、背景や依頼の理由を簡潔に添えることで、自然な流れになります。

読んでもらえる文面に仕上げる3つの視点

相手に快く協力してもらい、仕事の信頼関係を築くための、効果的な伝え方のポイントを3つ紹介します。

1. 構成:結論→依頼理由→依頼内容→締めの挨拶の順でわかりやすく
2. 語調:丁寧かつ親しみやすく、かつ過剰敬語は避ける
3. 明快さ:依頼事項を簡潔に示し、相手の負担を考慮した表現を用いる

この3点を押さえることで、信頼関係が損なわれず、良好なコミュニケーションが図れます。

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相手に配慮した言い回しや構成を整え、信頼感ある依頼文を心がけましょう。

最後に

「目を通してください」という表現は便利な表現ですが、相手との関係や状況によって適切さが異なります。文法的な理解と実務的な感覚の両方を持つことが、失礼のない円滑なやりとりにつながります。この記事で紹介した判断基準や言い換え例を参考に、より信頼されるビジネスコミュニケーションを目指してください。

TOP・アイキャッチ・吹き出し画像/(c) Adobe Stock

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執筆

武田さゆり

国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。

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