「若干」の意味とは?
「若干」の意味は知っていますか? 「若干名」や「若干数」など日常生活の中で使われる機会の多い言葉ですが、具体的にどのくらいの数を示す言葉なのでしょうか。今回は「若干」の意味や使い方、「弱冠」との違いなどを解説します。

意味や読み方
「若干」とは、「じゃっかん」と読みます。意味は以下の通りです。
はっきりしないが、それほど多くはない数量を表す。(〈小学館デジタル大辞泉〉より)
「若干」は、それほど多くはない数を表す言葉です。「少し」という意味合いがありますが、具体的にどのくらいの数なのかは示されていません。「若干名」というように人数を表す場合もあれば、「若干寒い」「若干しょっぱい」など、気温や味など目に見えない違いを表す時にも使用できる言葉です。
語源
「若干」の由来は定かではありませんが、「若干」という文字をそれぞれ紐解いていくと、1から10の間の数を指していることがわかります。「若干」の「若」は、年齢が若いという意味ではなく「〜のようだ」という意味の「若し(ごとし)」を指します。次に「千」の文字は、分解すると「一」と「十」になります。
このことから「若干」とは、「一の若く十の若し」を表す語であり、大体1から10の間を指す言葉であると考えられますが、人によって解釈が異なる曖昧な表現です。
「若干」と「弱冠」の違いとは?
「若干」と「弱冠」は、どちらも「じゃっかん」と読みます。そのため、意味を混同している方も多いですが、実は意味が全く異なります。「弱冠」の意味は以下の通りです。
1 《「礼記」曲礼上の「二十を弱と曰ひて冠す」から》男子20歳のこと。2 年が若いこと。(〈小学館デジタル大辞泉〉より)
「弱冠」は元々20歳の男子を指す言葉でしたが、現在は年齢が若いことという意味で使われます。ニュースなどでも「弱冠15歳で優勝」などと報道されることがよくありますね。これは、年齢が若いにもかかわらず、偉大なことを成し遂げた人物を指す場合が多いので、10代〜20代くらいの若者に当てはまります。
つまり「弱冠」は、「年齢が若いこと」を指すのに対して「若干」は「数量」を表すため、全く意味の異なる言葉だということを覚えておきましょう。

使い方を例文でチェック!
普段何気なく使っている「若干」という言葉ですが、具体的にどのような場面で使われるのでしょうか。例文でチェックしてみましょう。

秋が近づいてきたせいか、若干暑さが和らいできた気がする。
「ほんの少し」「数量がわずかなこと」に「若干」は使用します。目に見えるほどの違いはないけれども、ほんの少し今までとは違っているというような場面で使うことが多いようです。
若干名募集という張り紙をみて、アルバイトに応募した。
日常生活の中で、「若干名」や「若干数」という文字を目にする機会は多々あります。仕事の求人欄を見て「若干名」とは何名くらいのことだろう? と疑問に思ったことがある方もいるのではないでしょうか。
先述したように「若干」には、1から10ほどのという意味が含まれた言葉なので大体そのあたりの人数を募集していると考えられます。条件にあう人がいれば何名か採用するといったニュアンスです。
AちゃんとBちゃんは双子だが、Bちゃんの方が若干背が低い。
「若干」は、2つのものを比べた時に少し差や違いがある時にも使われます。例文でいうと見た目はほぼそっくりなのに、よく見るとほんの少し違いがあるという点です。このようによく見ないと分からないようなわずかな差に「若干」は適切です。
類語や言い換え表現とは?
「若干」の他にもほんの少しの量や数を表す言葉はいくつもあります。ここでは、代表的な言葉を3つ紹介するので、それぞれの違いに着目してみてみましょう。
いくらか
「いくらか」は、日常生活の中でも多々使われる表現ですね。意味は以下の通りです。
1[名]あまり多くない数量。いくぶんか。少し。2[副]数量・程度があまり多くないさま。多少。(〈小学館デジタル大辞泉〉より)
「いくらか」も、「数が多くないこと」「少し」という意味です。「昨日よりいくらか調子が良くなったよ」という場合、少しだけ体調が回復したというように捉えられますね。「いくらか」も、具体的な数量が示されていない曖昧な表現といえるでしょう。
わずか
「わずか」の意味は以下の通りです。
1 数量・程度・価値・時間などがほんのすこしであるさま。副詞的にも用いる。2 (多く「わずかに」の形で用いて)そうするのがやっとであるさま。かろうじて。3 ささやかで粗末なさま。(〈小学館デジタル大辞泉〉より)
「わずか」も、「ほんの少し」の量を表します。目に見える物の数ばかりではなく、価値や時間など目でみて数を測れないものに対しても使います。「わずかな痛み」「わずかに息をしている」「わずかなことが原因で喧嘩する」などがその例です。

雀の涙
「雀(すずめ)の涙」も、「若干」の類語の1つです。意味をみてみましょう。
ごくわずかなもののたとえ。(〈小学館デジタル大辞泉〉より)
ほんのわずかなものや数のことを「雀の涙」といいます。雀は鳥の中でもとりわけ小さな生き物ですが、その雀の流す涙は肉眼でやっと見えるほどのほんのわずかなものに違いありません。日常会話の中では、「この間ボーナスが入ったんだけど、雀の涙だったよ」というように使います。
主に、給料やボーナスなどのお金が期待していたほどもらえなかった時に「雀の涙」ということが多いでしょう。
英語表現とは?
「若干」の英語表現には、「some」「slightly」などが挙げられます。「some」は、「少しの」「いくらかの」という意味で、「若干」と同じく漠然とした数量を示す言葉です。「some knowledge of the subject(その問題についての多少の知識)」「You should have some sympathy for me(少しくらい同情してくれてもいいでしょ)」。
続いて、「slightly」は、「わずかに」「少し」という意味があります。「It’s gotten slightly colder(少し寒くなってきた)」「His family then moved to a slightly larger house(彼の家族は少し大きめの家に引っ越した)。
最後に
「若干」とは、「はっきりしないが、それほど多くはない数量を表す」言葉。「若干名」「若干数」など日常的に目にする機会の多い言葉ですが、具体的な数値を示すものではないため、使う側と相手の解釈によって差が出る曖昧な表現です。
日本語には「若干」の他にも、「いくらか」「わずか」など「少しの数量」を示す言葉はたくさんあります。それぞれのニュアンスの違いを覚えて、会話の中でうまく活用してみましょう。



