「喜怒哀楽」という言葉は、日常会話の中でも使うことのある馴染みのある表現ですよね。ただ、一つ一つの漢字の意味や使い方について、あまり深く考えたことはないのが正直なところではないでしょうか? 本記事では、「喜怒哀楽」が表す4つの感情の意味や使い方、類語、英語表現について解説します。
「喜怒哀楽」とは
「喜怒哀楽」は人間の持っているさまざまな感情を表す言葉です。
【喜怒哀楽:きどあいらく】
喜びと怒り、悲しみと楽しみ。人間のさまざまな感情。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「喜・怒・哀・楽」それぞれの漢字の意味
「喜怒哀楽」という4つの漢字、それぞれが人間の持っている感情を表しており、喜は喜び、怒は怒り、哀は悲しみ、楽は楽しみになります。ただしこの言葉を使う場合には4つの感情だけでなく、あらゆる感情を含んだ表現として使われるのが一般的です。
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「喜」と「楽」の違いとは?
「喜怒哀楽」の「喜」は喜び、「楽」は楽しみという近い感情を表しています。しかし、まったく違いがないわけではありません。
「喜」は、何かを達成した時や努力を重ねて成果が出た時にこみあげる喜びの感情を表していると考えられます。一方、「楽」は好きな趣味をしている時や心身が満たされている時の快い感情を表しているといえるでしょう。「喜」は達成感、「楽」は快い感覚という表し方もできるかもしれませんね。
「喜怒哀楽」の使い方と例文
「喜怒哀楽」という言葉はさまざまな場面で使われます。感情の起伏が激しい人や、反対に感情の乏しい人を形容する場合に使われるのが一般的です。
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【例文】
・私の恋人は喜怒哀楽の激しい人なので、一緒にいると疲れることもありますが、退屈はしません。
・「最近の学生は喜怒哀楽に乏しくて、何を考えているかよくわからない」と、うちの学部の教授がぼやいていました。
・友人のA君は喜怒哀楽がはっきり出るタイプなので、トランプや麻雀をやっている時にすぐに自分の手を読まれてしまい、負けることが多いです。
ビジネスで使う時には要注意
「喜怒哀楽」という言葉をビジネスシーンで使う時には注意が必要です。悪い意味で使われることが少なくないからです。この言葉を上司や取引先の人に対して使う場合には、一定の配慮が必要になるでしょう。
【例文】
・うちの部署の上司は、喜怒哀楽をほとんど出すことがありませんが、ほめる時もしかる時もとことん話してくれるので、やりやすいです。
・工場長は喜怒哀楽をはっきり出す人ですが、怒る時でも相手に寄り添ってくれていることがわかるので、部下から慕われています。
・自分自身、喜怒哀楽が激しいタイプなので、感情的になりそうな時にはまず深呼吸をするように心がけています。
「喜怒哀楽」の類義語
「喜怒哀楽」にはさまざまな類義語があります。「情感」「心情」「情念」「機嫌」「気持ち」「気分」などが挙げられるでしょう。ここでは「喜怒哀楽」と同じ四字熟語である「悲喜交々」、日常的によく使われる「感情」「情」という3つの言葉を紹介していきましょう。
この3つの語句には微妙なニュアンスの違いがあります。それぞれどのような場面で使われるのか、例文で確認してください。
悲喜交々(ひきこもごも)
「悲喜交々」とはうれしいことと悲しいことを代わる代わる味わうことです。読み方は「ひきこもごも」です。「悲喜交交」と表記することもあります。「喜怒哀楽」と違って、二つの感情が交互に来ることを表している点に違いがありますね。
【例文】
・人生は悲喜交々で、楽しいこともつらいこともあるけれど、全部受け入れていくしかありません。
感情
「感情」とは起こった物事に対して感じる気持ちのことです。外界からの刺激に対する感覚や観念によって引き起こされる主観的なもので、快・不快、好き・嫌い、恐怖・怒りなど、さまざまな心の動きが含まれます。
【例文】
・経営者は一時の感情に流されることなく、冷静な判断を下すことが求められます。
情
「情」とは物に感じて動く人の心の働きのことです。思いやり、情け、恋愛感情などの意味があります。「情」は心の動きに限定されるところがポイントでしょう。
【例文】
・彼女が会社の後輩と結婚したのは、あまりにも熱心にアプローチされたため、つい情にほだされてしまったかららしい。
「喜怒哀楽」の英語表現
ここでは、「喜怒哀楽」の英語表現について、紹介していきます。
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emotion
emotionは、「感情」という意味もありますが、「喜怒哀楽」という意味も持っています。「感情の激しさ」を表現したいなら“intensity of emotion”。「ありとあらゆる感情」と言いたいときには、“a gamut of emotions”。幅広い感情と伝えたいときには、“a range of emotions”が使えます。
(例文)“She experiences a strong intensity of emotion.”(彼女は喜怒哀楽が激しい。)
show one’s feelings
let one’s feelings [emotions] show
「喜怒哀楽を表に出す」という意味では、“show one’s feelings”や“let one’s feelings [emotions] show”が使えるでしょう。以下に例文を紹介します。
(例文)“She showed her feelings for the first time.”(彼女は、初めて喜怒哀楽を表に出した。)
(例文)“After staying silent for so long, he suddenly let his emotions show.”(沈黙を続けていた彼が、突如として喜怒哀楽を表に出した。)
最後に
「喜怒哀楽」とは喜びや怒り、悲しみ、楽しみなどの人間のさまざまな感情を表す言葉だということがわかりました。「喜怒哀楽が激しい」「喜怒哀楽がはっきりしている」「喜怒哀楽が乏しい」などの使い方をされることが多く、批判的なニュアンスを含むケースも少なくありません。ビジネスシーンで使う場合には、一定の配慮が必要ですね。
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