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2022.03.27

「聞く」と「聴く」の違いとは? 使い分け方のポイント、英語表現を解説

「聞く」と「聴く」、正しく使い分けられますか? 「聞く」は自然に耳に入ってくる音。「聴く」は、積極的に耳を傾けることを指します。今回は、「聞く」と「聴く」の意味や使い方、主な熟語、英語表現などを解説します。ビジネスメールなどの書き言葉で使い分けに困らないように、それぞれの正しい意味を押さえておきましょう。

「聞く」と「聴く」の意味とは?

「聞く」と「聴く」、正しく使い分けられますか? 音楽をきく、講演をきくなど日常のあらゆる場面で登場する言葉ですが、意味を曖昧に理解しながら使っている方も多いのではないでしょうか。両者には明確な違いがあるため、押さえておくと役立ちますよ。この機会に正しく意味を理解して、自信を持って使い分けられるようになりましょう。

(c)Shutterstock.com

「聞く」の意味

「聞く」は、自然と耳に入ってくる音に対して使います。例えば、店内で聞こえるBGMや人の話し声など、意識的に聞こうとしなくても耳に入ってくる音には「聞く」が適切といえるでしょう。話を情報として聞きながす場合も同様です。広い範囲で使うことのできる言葉なので、大抵の音に関することには「聞く」を使うことが多いですね。

・授業中に先生の話をぼんやりと聞くなと注意された。
・カフェでお茶をしていたら懐かしい音楽が聞こえてきた。
・先輩の噂話を聞いてしまった。
・教室から生徒たちの騒がしい声が聞こえてきた。

「聴く」の意味

受動的に音を聞いている「聞く」とは違い、「聴く」は、積極的に相手の話に「耳を傾ける」ときに使用します。相手の話している内容を理解しようと、注意を向けて耳をすましているようなニュアンスです。迷った場合は、「聞く」でも代用できますが、積極的に耳を傾けていることを強調したい場合にはこちらを使ってみましょう。真摯に人の話を聞く姿勢が、コミュニケーションでは大切といえそうです。

・私の母は震災で被害を受けた人の話を聴く、傾聴ボランティアに取り組んでいる。
・彼女の演奏を聴いていると自然と心が穏やかになる。
・政治家は国民の声をもっとよく聴くべきではないでしょうか。

「聞く」と「聴く」の違いとは?

(c)Shutterstock.com

先述したように、店内のBGMや自然と聞こえてくる音に対しては「聞く」、熱心に耳を傾けてきくことに対しては「聴く」が適切です。日常生活でよくある場面に「音楽・ラジオをきく」「講演をきく」などがありますが、ただ音や話をぼんやりときいている・きこえてくる場合は「音楽を聞く」「講演を聞く」。

好きなアーティストの音楽や、尊敬している講師の話を積極的にきいている場合には「音楽を聴く」「講演を聴く」が適切です。ただし、どちらの漢字を使ったらいいか不安な場合は、広範囲に使える「聞く」を選ぶのが無難といえるでしょう。

「聞く」と「聴く」に関連する熟語

「聞く」と「聴く」は、日常的な動作を表す言葉なので、熟語としても沢山使われています。ここでは、「聞く」と「聴く」に関する熟語を紹介しましょう。

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「聞く」に関連する熟語

「聞」を使用した熟語は、「見聞」「伝聞」「百聞」など。いずれも自然と耳に入ってくるという意味になります。「見聞(けんぶん)」とは、「実際に見たり聞いたりして、経験や知識を得ること」で、「見聞を広める」という使い方をします。

続いて、「伝聞(でんぶん)」は、「人から伝え聞くこと。また、その内容」。会話では「伝聞するところでは」というように使います。「百聞(ひゃくぶん)」は、「数多く聞くこと」という意味です。「百聞は一見に如かず」という有名なことわざがありますが、これは「人から何度も聞くより、一度実際に自分の目で見るほうが確かであり、よくわかる」ことを表します。

・聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥(知らないことを聞くのは恥ずかしいことだが、聞かずに一生知らないことはもっと恥ずかしい)

「聴く」に関連する熟語

耳を傾けて聞くことを表す「聴く」の熟語は、「傾聴」「聴覚」「視聴」などが挙げられます。「傾聴」とは、「耳を傾けて、熱心に聞くこと」。「傾聴すべき話」「この人の意見は傾聴に値する」というように使われます。悩みを持つ人の話や年配者の戦争体験などに真摯に耳を傾けることを「傾聴」といいます。

次に「聴覚」は、音を感じる感覚のことで、五感の一つです。「視聴」は、文字が示すとおり「見ることと聴くこと」。テレビやラジオ番組を見たり聴いたりする人のことを「視聴者」といいますよね。

・天は高きに居って卑きに聴く(天帝は高い所にいて下界の人間の言葉を聴き、人の善悪を厳しく判断すること)

英語表現とは?

日本語で「聞く」と「聴く」が使い分けられているように、英語でもそれぞれの意味を表す単語があります。「聞く」は英語で「hear」、「聴く」は「listen」と覚えておくと理解しやすいですよ。詳しい意味をチェックしてみましょう。

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「聞く」の英語表現

「聞く」の英語表現は、「hear」です。「hear」は、「音が聞こえる」「~を耳にする」など自然と耳に入ってくる音を表す単語なので、「聞く」の意味とニュアンスがよく似ています。

・I heard my name called.(自分の名前が呼ばれるのを聞いた)
・hear a rumor.(噂を耳にする)
・I have heard nothing about it.(そのことについては何も聞いておりません)
・hear a marching band perform.(鼓笛隊が演奏するのを聞く)

「聴く」の英語表現

「聴く」を英語で表すときには「耳を傾ける」「傾聴する」などの意味を持つ「listen」を用いるのが一般的。日本語の「聴く」と同じように「意識を向けて聴く」ことがポイントです。使い方をチェックしましょう。

・listen to what is being said.(話に耳を傾ける)
・Listen to me carefully.(私のいうことをよく聴いて)
・listen for a well-known footstep.(聞き慣れた足音はしないかと耳を澄ます)
・listen to a lecture.(講演を聴く)

最後に

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日本語の同音異義語である「聞く」と「聴く」。どちらも音にまつわる動作を表すことから、どちらを使ったらいいか戸惑った経験のある方も多いでしょう。聞こえてくる音全般のことは「聞く」、積極的に耳を傾けることは「聴く」と覚えておくとわかりやすいですね。メールでも誤った使い方をしないように、正しく使い分けてみましょう。

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