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なぜ人はいつも不満を持つの?
・うまくいっていることよりも、足りない部分に目がいく
・ポジティブよりネガティブのほうが記憶に残りやすい
・手に入れた幸せは短期間で慣れてしまう
このような背景もあって、私たちはいつも大なり小なり「不満」を抱えているもの。
不満を感じるのは脳の働きが強く関係しているという説が有力で、自分でコントロールしきれない感情がモヤモヤとした不満となって残りがちです。
不満だらけの人との付き合い方

家族や恋人、同僚など身近な人が「不満だらけ」だと付き合い方が難しいと感じますよね。
振り回されず距離も壊さない“ちょうどいい距離感”を探る付き合い方を解説します。
♦︎その不満は「相手が抱えている問題」だと割り切る
不満が多くても、必ずしも“性格が悪い”とは限りません。
自己肯定感が低くて現状を肯定できないだけだったり、誰かに話を聞いてほしいだけかもしれません。
また、過去の経験が影響して“被害者ポジション”でいることに居心地の良さを感じている場合もありえます。
不満だらけの相手とうまく付き合うなら、不満は“相手の問題”であってこちらが背負わなくていいものだと割り切ってしまいましょう。
一緒になって不満を抱えてしまえば、精神的な負担が大きくなりがちです。
♦︎「共感」は一部にとどめる
とはいっても、大切な人が不満を抱えていれば助けになりたいと思うもの。
でも不満だらけの人の話を真面目に受け止めすぎると、こちらのメンタルが削られます。
そのため、全部ではなく一部だけ共感するスキルを身につけていきましょう。
「そう感じる日もあるよね」「そこは大変だよね」などと、話の一部だけに共感を示し、相手が抱えている問題のすべてを受け入れないように心がけてみて。
共感しすぎなければ、相手の不満がこちらに与える影響も最小限で済みます。
♦︎さらりと聞いてさらりと流す
不満は、聞いている側が相槌を深く打ってしまうほどエスカレートしていきます。
ですので、会話の出口をこちらでつくり不満がストップするよう誘導するのも有益です。
「そういえば、前に言ってたプロジェクトどうなりました?」「さっきのニュース速報、見ました?」など、まったく別の話題を出し、会話の流れを変えてしまうのです。
一般的に、不満が多い人はアドバイスを求めていない傾向も。むしろアドバイスをすると反論されて面倒な展開にもなりやすいため、さらりと聞いてさらりと流すのが効果的なのです。
不満がある人と距離を置くべき5つのサイン

不満がある人と接点があると、あなたの心身に何らかの影響が出るかもしれません。
限界がくる前に、関係をそっと見直して距離を置く選択も必要です。
相手ではなく、あなた自身に現れる“限界のサイン”を解説します。
♦︎サイン1:会った後にいつも疲労感が強い
不満だらけの人との会話では、感情のボールが一方的に飛んでくる状態です。
それを受け止め続けてしまえば、あなたが消耗しても無理はありません。
・会った後に、帰宅してすぐにベッドに倒れ込みたくなる
・話した後に、気持ちを切り替えるのに時間がかかる
・別の楽しい予定があってもテンションが戻らない
こんなサインがあるならば、相手の不満によってあなたのエネルギーが削られているのかも。
そっと距離を置くべきサインです。
♦︎サイン2:相手の名前を見るだけで心が重くなる
SNSや書類などで相手の名前を見るだけで、心が重くなるのはストレスを感じているサイン。
人間関係のストレスは体の反応に現れる場合も多いので、こうなったら“しんどい状況”に陥っています。
無理に関係を続けず、少しずつ距離をあけると◎。
♦︎サイン3:次に会う約束を心のどこかで避けている
相手から誘われたときに「忙しいかも」「まだ予定がわからないんだよね」などと理由をつくって返事をしてしまうのは、本心では距離をとりたいと思っているから。
予定を決めても前日から憂鬱だったり当日になって気分が沈んだりするならば、自分を守るよう優先しましょう。
「ちょっと体調がすぐれなくて」など当たり障りのない理由で、予定をキャンセルしてしまうのもアリです。
♦︎サイン4:話を聞いているうちに、自分までネガティブになる
感情は伝染をするもの。
不満や愚痴を言っている人と話しているうちに、自分までネガティブな感情が湧いてくるならば、悪い影響を受けてしまっています。
・相手の不満を聞いていると、自分までイライラしてくる
・会った後に物事を悲観的に考えるようになっている
・関わりをもつと自信がなくなる
こんな兆候があるなら、自分の感情を守るためにすぐに距離をおきましょう。
♦︎サイン5:仕事やプライベートに影響が出ている
不満だらけの人の話を聞くと、仕事に集中できなくなったり気分が落ち込んだりして本来のパフォーマンスが出せなくなる場合もあります。
これも不満を聞くことによってかなりの負荷がかかっている証で、このまま関わり続けてしまうと限界を迎えるリスクが大です。
ここまできたら、むしろすぐに距離を置くべき危険なサイン。自分の仕事や私生活を守りましょう。
【アラサーのリアル】不満を言う人との残念すぎるエピソード

不満を言う人とのお付き合いでは、残念な展開に見舞われてしまったアラサーも…。
筆者の周辺で起きた、共感によって疲れてしまった経験をもつアラサー世代の体験談を紹介します。
♦︎楽しみにしていたランチで不満の“圧”に巻き込まれた
30代半ばのAさんは、久しぶりに学生時代の友人たちとちょっといいレストランでランチの約束をしました。
しかしメンバーのひとりが“不満屋”だったことでランチは散々な思い出に…。
「気になっていたレストランを予約して、おしゃれをして気分よく出かけたのですが、明るい気分だったのは最初の5分くらい。
メンバーのひとりが不満を口にし始めて、空気が重くなりました。
『仕事がつまらない』『上司がヤバい』と仕事の不満だけでなく『彼氏がウザい』『毎日がストレス』などと不満が続き、みんなで『うんうん…』と聞いてはいたものの、だんだんとランチの味もわからなくなってしまいました。
不満の圧が強すぎて、せっかくのランチだったのに苦い思い出しか残らず。ランチが終わったときにはグッタリでした」
♦︎不満が伝染して職場の雰囲気が最悪に
20代後半のBさんは、転職した職場で「不満の伝染」を目の当たりにし、居心地の悪さを感じたそう。
「転職先では、毎朝の挨拶のときにみんなが不満を口にするのでビックリしました。
『今日は雨で最悪だね』『朝から疲れてるんだよね』『今日も忙しそうでウンザリ』などと、誰もがネガティブな言葉ばかり口にしていたんです。
最初は同情して『大丈夫ですか?』と気遣ってみたのですが、毎朝みんながそんな調子なので、さすがに疲れてしまって…。
結局、その転職先は3ヶ月で辞めて今は別の職場で働いています」
不満だらけの人を変える必要はない
不満の多い人と向き合うときには、優しい人ほど「なんとかしてあげなきゃ」と思いがち。
でも相手の不満は相手自身の課題ですので、あなたが引き受ける必要はありません。
相手を変える必要はなく、もっといえば相手を変えるのはとても難しいので、大人の人間関係では不満がある人とも上手に付き合っていくのがベター。
不満だらけの人に振り回されないように、共感しすぎず・期待しすぎず・距離を調整しながら淡々と接するスキルを身につけてみましょう。
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