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「不老長寿」とは? 意味と語源
「不老」の語源である本来の意味は、いつまでも若く、年を取らないことです。また「長寿」には、寿命が長いという意味があります。
2つを重ねた「不老長寿」は、いつまでも若々しく、長生きすることを表します。老いることなく健康に生き続けることは、長きにわたり人間の夢だといわれてきました。
たとえば、今から約2200年以上前に中国統一を果たした秦の始皇帝は、不老不死を求め、当時仕えていた徐福(じょふく)に薬を探させたとか。古代エジプトの女王・クレオパトラもまた、永遠の若さを得たいと願った1人といわれています。
ふろう‐ちょうじゅ〔フラウチヤウジユ〕【不老長寿】
出典:小学館 デジタル大辞泉
いつまでも年をとらず、長生きをすること。
「不老長寿」を使った例文
四字熟語「不老長寿」は、日常会話で以下のように活用できます。
・これほど科学技術が発達したにもかかわらず、いまだ不老長寿は実現されていない
・実家近くの神社には、古くから不老長寿にまつわる言い伝えがある
・その村の住人は誰もが健康で寿命が長く、まるで不老長寿の村のようだといわれている
・いつまでも老いることなく、健康で長生きできる。不老長寿は人間の永遠の憧れといえるかもしれません
「不老長寿」の類語や言い換え表現
以下の四字熟語は「不老長寿」と似た意味をもちます。
・不老不死(ふろうふし)
・長生不死(ちょうせいふし)
・長生久視(ちょうせいきゅうし)
より的確に状況や気持ちを表現できるよう、それぞれの意味や使用例を確認していきましょう。

「不老不死(ふろうふし)」
「不老不死」とは、いつまでも年を取らず、死なないことです。「不老長寿」は老いずに長生きすることですが、「不老不死」は永遠の命を意味します。
中国の古い思想家「列子(れっし)」の書物にも、「不老不死」という言葉が登場しているようです。古代中国において、理想とされていた生き方のひとつなのだそう。
・国を治めた権力者たちは、あらゆる手を使い不老不死を求めたといわれている
「長生不死(ちょうせいふし)」
「長生」は「長寿」と同様、長生きすることです。「不死」と重ねることで、死なずに生き続けるという意味が強まります。
・祖父母は長生不死を目標に、2人で10年以上ウォーキングを続けている
「長生久視(ちょうせいきゅうし)」
「久視」には、長生きや不老長寿などの意味があります。「長生久視」は長生きのことで、中国の伝説的な哲学者「老子(ろうし)」も「長生久視」について説いています。
古い書物に度々登場することからも、長生きは人類が求める壮大なテーマといえるかもしれません。
・初詣で手を合わせながら、大好きな祖父母の長生久視を願った
「不老長寿」のような長寿に関することわざ
ことわざには、古くからの言い伝えや教訓などが込められています。ここでは、長寿に関することわざについてみていきましょう。
・命長ければ恥多し
・甲斐無き星が夜を明かす
・鶴は千年亀は万年
適切な場面で思い出して使えるよう、使用例も参考にしてください。

「命長ければ恥多し」
「命長ければ恥多し(いのちながければはじおおし)」は、長く生きていれば、それだけ恥をかく機会も増えるという意味のことわざです。
中国の古い書物「荘子(そうじ・そうし)」のなかに、以下の形で登場します。
『男子多ければ則ち懼れ多く、富めば則ち事多く、寿ければ則ち辱多し』
(だんしおおければすなわちおそれおおく、とめばすなわちことおおく、いのちながければすなわちはじおおし)
・久しぶりに会った祖父は、ひととおり自分の生い立ちを話したあと、「命長ければ恥多しだ」と照れくさそうに笑った
「甲斐無き星が夜を明かす」
「甲斐無き星が夜を明かす(かいなきほしがよをあかす)」には、病弱な人ほど、かえって長命であるという意味があります。
「甲斐無き星」とは、光の弱い星のことです。小さな星が夜通し光り続け、朝を迎えるさまを病弱な人の姿にたとえています。
自分が健康だと過信している人は、食事や生活習慣をおろそかにしがちかもしれません。対して、健康に自信がない人ほど体調を崩さないよう、さまざまな面で注意を払う傾向も。
「甲斐無き星が夜を明かす」は、病弱な人でも長生きを諦める必要がないことや、健康を過信しないことの大切さを説いたことわざといえるでしょう。
・生まれつき病弱だった祖母が、今年で90歳を迎えた。甲斐無き星が夜を明かすというように、日頃から健康に気を付けていたのがよかったのかもしれない
「鶴は千年亀は万年」
「鶴は千年亀は万年(つるはせんねんかめはまんねん)」は、長寿でめでたいことのたとえです。鶴は1000年、亀は1万年の寿命をもつという、中国の古い伝説が由来といわれています。
実際に1000年以上生きるわけではないものの、鶴と亀は寿命が長く、長寿の象徴として伝えられてきました。日常生活では、おめでたい場面で以下のように活用できます。
・祖母が100歳の誕生日を迎え表彰された。鶴は千年亀は万年、おめでたいことだと親戚一同喜んだ
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四字熟語「不老長寿」を会話に取り入れてみよう
「不老長寿」は、年を取らずに長生きするという、人間の永遠の憧れともいえる言葉です。長い歴史のなかには、国の皇帝や女王などが不老長寿を求めたという逸話もあります。
四字熟語だけでなく、ことわざにも長寿に関するものが多々あります。それぞれの正しい意味や使用例を参考に、ぜひ会話に取り入れてみてください。
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