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「お勤めご苦労様です」の意味と成り立ち
「お勤めご苦労様です」は「勤務していて大変ですね」や「お仕事、お疲れ様です」といった意味を持つ言葉。
もともと「ご苦労様」という言葉には相手の労をねぎらう意味があり、「お勤め」に「ご苦労様」を付けることで仕事全般への感謝や労いを表す表現として用いられてきました。
しかし「ご苦労様」は目上に対しては敬意に欠ける表現とされていることから、目上の相手に「お勤めご苦労様です」を使うのは避けたほうが無難でしょう。
NGマナーになるリスクも!「お勤めご苦労様です」の注意点

「お勤めご苦労様です」という言葉そのものには“敬意”が含まれているものの、昨今は「ご苦労様です」を使う場面が減っている傾向もあります。
このフレーズを使うにあたっての注意点を解説します。
♦︎目上の人には使わない
「ご苦労様です」は上から目線に取られることがあるなどの背景から、現代では目上の人には使うべきではない言葉という認識が一般的です。
そのため「お勤めご苦労様です」も上司や取引先への使用は避けましょう。
♦︎書き言葉より話し言葉に向いている
「お勤めご苦労様です」は挨拶や口頭のやり取りで使われる実態にありますので、メールや文書では不向きです。
カジュアルなLINEであれば不自然とは受け取られにくい可能性もありますが、この場合も目下や同等の立場にある相手に限られます。
♦︎公的な場面では避けるべき
「お勤めご苦労様です」を自治体や警察といった公的な機関の職員が使用している場合もあるものの、近年ではより丁寧な表現が好まれる傾向にあります。そのため、公的な場面での積極的な使用も避けたほうが賢明でしょう。
「お勤めご苦労様です」が使われている場面は?

最近では耳にしなくなってきている「お勤めご苦労様です」について、現代でも使われている場面をまとめました。
♦︎目下や同等の立場に対する労いとして
職場において、一日の業務の終わりに軽く声をかけるときなどに「今日も遅くまでお勤めご苦労様です。気をつけて帰ってくださいね」などと使われます。
♦︎現場で働く作業員や清掃員への挨拶として
現場で働く作業員や清掃員、施設のスタッフなどに対して、施設の利用者側から感謝の意味で「毎日、お勤めご苦労様です。ありがとうございます」などと用いられます。
♦︎年配者から地域で働く人への感謝として
年配の人から地域で働く販売員や駅員などに向けて、ねぎらいの意味を込めて「朝早くから、お勤めご苦労様です」などと使われます。
【相手別】「お勤めご苦労様です」の言い換え表現

アラサー世代が「お勤めご苦労様です」を使える場面は、極めて限定的です。
基本的には「お勤めご苦労様です」ではない表現を選んだほうが無難でもあるため、相手別に使える「ねぎらいの言葉」について言い換え表現のバリエーションをチェックしていきましょう。
♦︎上司や取引先には
上司や取引先に対しては、感謝の気持ちを強調する「いつもありがとうございます」や、社外でも無難に使いやすい「お疲れ様でございます」が適切です。
♦︎同僚や社内メンバーには
同僚や社内メンバーには、シンプルに「お疲れ様です」や少し改まっているものの柔らかな印象を与える「今日もありがとうございました」が無難でしょう。
♦︎部下や後輩には
「ご苦労様です」は目下に使える言葉なので「お勤めご苦労様です」をそのまま用いても問題はありませんが、部下や後輩をカジュアルにねぎらうなら「お疲れ様、ありがとう」、声かけや締めの挨拶としてのねぎらいであれば「今日も一日お疲れ様でした」が好ましいでしょう。
「お勤めご苦労様です」を使える場面は限られている
ビジネスシーンにおいて「お勤めご苦労様です」を使える場面は限られています。
上から目線や偉そうな印象につながるために、上司やお客様、取引先には使えないフレーズですから、使う相手と場面は必ず確認しましょう。
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並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。