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2025.05.08

「ファッションは〝頼れるツール〟のひとつ」エグゼクティブな働き方から見えてきたこと

日々の装いから部下への接し方、キャリアを重ねていく中で培ったマインドセットまで、リアルな声を聞いてみると… エグゼクティブ派のおふたりにインタビューを敢行。キャリアを重ねることで見えてきたこととは? そこには今の立場だからこそ、確立された自分らしいスタイルがありました!

【エグゼクティブ派インタビュー】キャリアを重ねて見えてきたこと

時代とともに、働き方がガラッと変わってきた昨今、30代でも責任ある立場に就き会社を牽引する役割を担う人が増えてきました。「きちんと感は大事。でも、堅すぎるのはNG」「信頼される存在でいたいけれど、親しみやすさも忘れたくない」——働き方やライフステージの変化とともに、着こなしもモノ選びも「自分の立ち位置」と「自分らしさ」に悩む過渡期。風格はもちろん、親しみも手に入れたい。時代に合わせた軽やかなマインドで仕事に挑みたい。そんなリアルなエグゼクティブ派のお二人にお話を伺いました。

相手に伝わる情報は、視覚情報がほとんど。だからコミュニケーションツールとしてファッションは大切

デロイト トーマツ グループ ディレクター・久保田詩音さん

デロイト トーマツ グループ ディレクター・久保田詩音さん(37)
新卒で入社した大手コンサルを経て、2014年にデロイト トーマツ コンサルティングに入社。ディレクターとしてSAPソリューションを中心に企業のDXを牽引し、テクノロジー分野での女性の活躍促進に尽力している。

なじみの薄いテクノロジー分野に興味をもってほしい

現在の仕事は、製薬業界を中心に、SAP(企業向けのシステムソリューション)をはじめとするテクノロジーの導入、運用、活用までのコンサルティングをしています。まだまだ少ないテクノロジー領域に進出する女性を後押しするために「Deloitte Women in SAP」という組織を立ち上げました。その活動のひとつとして、これからキャリアを考える学生や悩みを抱える女性に向けてワークショップなどを行っています。

コンサル業界を志望していたものの、文系出身なので新卒時はこうしたテクノロジー領域についてはまったくわからないままキャリアをスタート。当時泣きたくなることもあり、ずっと逃げ出したかったです…。それが最初の挫折でしたが、取り組んでみたら印象はがわりと変わりました。というのも、お客様と会話しながら、チームで動き、課題を解決するという工程は他の仕事と変わらなかったからです。いちからテクノロジー分野を勉強しながら、少しずつ仕事を楽しめるようになり現在につながっています。

チームの長として仕事に取り組むうえで、身ぶり手ぶりのコミュニケーションが大事だと、感じています。言葉で入ってくる情報はせいぜい20%ほどで、そのほかの80%は視覚から入ってくるんだとか。そうなるとジェスチャーや、ファッションなど、見た目が重要になってきますよね。たとえば若いメンバーと話すときは、デニムをはいて少しカジュアルに、学生や女性に対するワークショップの機会には、親しみやすさが前面に出るようなファッションを心がけています。一方でお客様とお話しする際には、信頼が得られるようにフォーマルなジャケットを。

ジャケットスタイル

自分らしく振る舞える環境づくりが私の役目

そして何よりも自分らしくいられるように意識。これはキャリアを重ねていく中で大切にしなくては、と気づいた点です。ファッションは、日々の生活でつきあわざるをえないもので、自分らしさに直結するもの。だからこそ無理に着飾ることなく、自分らしくあるということが大事なのではないかと。たとえば、今着てる〝The Row〟のワンピースはとろみ感があって、上品でお気に入り。ただ昔だったら着ないかもしれません(笑)。

アイテム選びは〝長く使える名品〟をモットーに

The Rowのバッグ

「最近は、今も着ている〝GIORGIO ARMANI〟と2年程前に買った〝Saint Laurent〟のジャケットを着回しています。通勤バッグの〝The Row〟は、夫と共用しているもの」(久保田さん)

ルブタンのヒール

足元は赤いソールが目をひく〝ルブタン〟のパンプスで、さりげなく自分らしさを主張。

以前の私は、仕事ではビジネススーツを着ることが多くて、ゆったりしたスタイルを好まなかったんですよね。こうあるべき、という自分に縛られていたのかもしれません。出産を経て、リラックス感のあるものを手に取るようになってから新しい自分に出会えた気がして。ヒールもだいぶ低くなりました。今は、全体的にシンプルなワンポイントでアピールするのが好きです。ファッションも仕事もこうして新しいものを取り入れていく作業って最初はなんだか不安になりますよね。変化する自分に慣れるには、多少時間がかかるもの。それでも試行錯誤して、自分らしさを表現できると、だんだんと楽しめるようになってくる。

そんな自分の経験をふまえると、〝自分らしく振る舞える環境〟が今の会社には必要。私自身は、会社の中で人脈もあり、何かをやろうとすればすぐに支援を受けられる環境に身を置いています。一方で、必ずしも全員がそんな環境に恵まれているわけではありません。リーダーとしてできることは、ひとりひとりが自分らしさを追求して、やりたいことを実現できる環境づくり。そのためにも、メンバーはもちろん、学生や女性に対するキャリアにこれからも寄り添い続けていきたいです。

女性社員が少ないからこそロールモデルとして会社のブランドになれるように

株式会社KAAAN 執行役員・永田さおりさん

株式会社KAAAN 執行役員・永田さおりさん(35)
2017年、株式会社THE MOLTSに参画。その後、取締役や子会社の代表取締役などを経て、現在はTHE MOLTSの子会社である株式会社KAAANの執行役員として、デジタルマーケティングを軸としたエージェンシー事業に取り組んでいる。

経営側になって初めて気づいた自分自身のあり方

現在所属している会社は、企業の成果を提供する手段として、デジタルマーケティングの戦略立案や実行を支援するデジタルマーケティングエージェンシーです。執行役員という立場で、自らがプレイヤーをしながら、メンバー育成など多方面で経営に関わっています。会社としてはまだまだこれからというところですが、組織の制度が少し特殊で、〝独立採算制〟という制度を採用しています。簡単にいうと、自分の給料は自分で稼ぐ、という仕組みです。多種多様な業種のお客様を相手に、企業の業績や売上をどのようにして、最大化するのかというところにそれぞれが力を注いでいます。

創業当初からフルリモートであるため、常にメンバーと一緒に動いているわけではありません。そのため、週次や月次でのオンラインミーティングで各々の案件の進捗や目標を確認しています。だからこそ、会社を経営、創っていく立場として、それぞれが考えて動ける知的労働者になれるような、組織づくりを重視していますね。ミッションがあって、それに向かって自走できるメンバーを育てていく必要があるんです。そのために、歩み寄りすぎず、程よい距離感で、ときにハードルを上げて、厳しく接しています。

今の職場は女性社員が少なくて、特にシニアコンサルタントになると私しかいない。だからこそ若い女性社員にとって、ロールモデルになれるような存在になりたいなと。特に女性にとっての30歳前後は、これからのキャリアについてすごく悩む時期。そういうときにモデルケースがいなくては! と思うんです。それが会社のブランド像につながりますから。そんなときに頼れるツールのひとつが、ファッションですね。ダイレクトに自分という〝人となり〟を伝えられます。仕事の姿勢やふだんの所作などは当たり前のこととして、ファッションや肌など、見た目については、お金をかけることは惜しまず、大切にしています。たとえば会社の節目の行事や会食のときには、プロにヘアセットを頼むこともあるんです。

株式会社KAAAN 執行役員・永田さおりさん

お客様にお会いするときは、今着ているような明るい色の服を選ぶことが多いです。私自身、身長が高いので、黒を着るとどうしても圧を感じさせてしまう気がして…。ベージュを着ると「永田さんって明るいですよね」と言ってもらうこともありました。それだけファッションが与える印象は大きいのだと思います。ふだんの業務は、いろいろな業種のお客様を相手にするため、服装もどんどん替えます。最近はSNSなどを使って個人で発信している方も多いので、どんな趣味嗜好がありどのような服装をしているのか、などを事前に徹底リサーチ。その人のパーソナリティにかなり合わせていますね。

YOUNG&OLSENの通勤バッグ

永田さんは〝NOBLE〟のセットアップを着用。自分に自信を持てるのはパンツスタイルだそう。色味を合わせたバッグはPCが入る〝YOUNG&OLSEN〟。

ゴールドのアクセサリー

「アクセサリーはベージュとも相性のいいゴールド一択! ネイルもよく見るとゴールドのラメをちりばめています。手元はPC作業が多い私にとってモチベーションの源なんです」(永田さん)

現状維持は退化常に上昇し続けていきたい

こうしてコミュニケーションを図っていく中で、大切にしなければならないのはやっぱり「素直さ」だと思っています。エグゼクティブという立場とはいえ、30代という年齢は、先輩も後輩もいる。上下関係なく、人として敬うということを意識しています。だれにでも必ず学べることはありますからね。そういう意味でも、いくら年は重ねても、おごらず、素直であり続けて、愛される人になれたらなと。ふだん案件は自分で獲得しなければならないので、人脈がない入社当時は、かなり苦労をしました…。今は、人から紹介していただいた仕事がほとんど。だからこそ、つながりを大切にする必要があり、素直でいて、人から愛されることが大事なんです。

そして忘れないようにしているのは、成長し続けるということ。自分が現状維持しているときには、世の中は変化し続けている。それは相対的に見れば自分は衰退しているということです。これから先、AIがどんどん発展していくようなこの時代に、常に自分自身が上昇し続けて、基準値を上げ続けていく必要がある。そしてその姿をメンバーに見せ続ける。それが上に立つ立場としてのあり方だと強く感じています。

2025年Oggi6月号別冊付録「エグゼクティブOggi BOOK」より
撮影/田中 瞳 構成/旧井菜月、菅 博子、清水紘史
再構成/Oggi.jp

Oggi編集部

「Oggi」は1992年(平成4年)8月、「グローバルキャリアのライフスタイル・ファッション誌」として小学館より創刊。現在は、ファッション・美容からビジネス&ライフスタイルテーマまで、ワーキングウーマンの役に立つあらゆるトピックを扱う。ファッションのテイストはシンプルなアイテムをベースにした、仕事の場にふさわしい知性と品格のあるスタイルが提案が得意。WEBメディアでも、アラサー世代のキャリアアップや仕事での自己実現、おしゃれ、美容、知識、健康、結婚と幅広いテーマを取材し、「今日(=Oggi)」をよりおしゃれに美しく輝くための、リアルで質の高いコンテンツを発信中。
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