
――想像していなかったまさかの角度からのピンチでした(笑)。かわいいが武器の「たべっ子どうぶつ」ですが、水上さんの武器はなんですか?
インタビューの際、おそらく人が言わないようなことを言っていると思うんです。さっきのエピソードからも感じてらっしゃいますよね?(編集部:はい(笑))コンプラ重視を意識しすぎるとそれはもう無難になっちゃうんです。でも無難を取り続けても面白くないと思いませんか?マンネリしませんか?Oggiの皆さま。(編集部:拍手&爆笑)
インタビューしていて、「あぁ聞いたことあるワードだなあ」とか。別に記者の皆さまの立場になって自分を無理やり変えているわけではありませんが、僕も時に読む側に回ることがあるので、そういうときに「お!おもしろいな」と思ってもらえるほうがいいなと思うんです。
――(拍手)水上さんはエンターテイナーですね。
エンターテイナーなんですかね?(笑)。でも、せっかくのお仕事だし、楽しくやりたいからその武器が諸刃の剣にならないよう、気をつけながらやっていきたいです。
――ありがたいです!
本当ですか?じゃあ〝もよおし〟の話もうちょっとします?(笑)。
(編集部:大きな見出しになっちゃうかもしれませんよ?)
女性誌でなかなかない話題ですよね…(笑)。
――アフレコ経験はいかがしたか?
難しかったですね。僕はレコーディングをひとりでやったのですが、そのときは立木(文彦)さんと間宮(くるみ)さんのおふたりの声が入っている状況だったんです。絡みがほぼないおふたりなのですが、めちゃくちゃお上手で見惚れていたらセリフを逃してNGを出しました(笑)。アフレコは本当に難しくて、正直楽しめる余裕はありませんでした。おふたりの声を聞いたときに「あ、これがプロの感覚なんだな」と感じて、僕が悪目立ちしないように、作品にとって変なことにならないように、と注意を払って演じました。
――アフレコが終わってから上手くいった、やり切ったという感覚はありましたか?
ないです。なんとかやり切った…という感覚です。帰り道は下り坂なのに足取りが重かったですね。「あれ?登ってる?」て思うくらいに(笑)。声優としての仕事は素人同然でしたから、難しさしか感じなくて当然ですね。
周りの方からは「良かったよ」と声をかけてもらったけど、僕はぞうくんと違って捻くれ者なので…(笑)。なかなか正直に言ってくれる大人はいないだろうなと思いますし。でも、そこに僕の感想は関係ないかなとも思うから映画を観てくださった方がどう受け取ってくれるかだなと思っています。

――仲間のためにみんなで協力し合う“友情物語”ですが、これから“仲間”をつくるとしたらどんな仲間をつくりますか?
一緒に映画をつくりたいって思う仲間を増やしたいですね。この業界も人手不足なので、そういった仲間を増やしていけるよう、「この人と一緒に作りたいな」と思ってもらえる活動をしていきたいです。
――働くうえで最も大事にしていることやマイルールは?
挨拶ですかね。目の前に行って「おはようございます」って言っているのに挨拶を返してもらえなかった経験もあります。でも、相手にもいろんな思いがあると思いますし、もしかしたら深い理由がないかもしれませんし、僕が思いもよらず何か傷つけるようなことをしてしまったのかもしれない。いずれにしてもどんな状況でも「おはようございます」と「お疲れ様でした」は必ず言うと決めています。
――これからを見据えた理想像について教えてください。例えば4〜5年後の30歳に向けてなりたい自分像や目標はありますか?
今も変わらずですが、より30代に差し掛かったタイミングでそこまで培ってきた感覚と経験と実績をもとに、「世に出す意味を感じる作品だ!」と胸を張って作品づくりをしていたいです。“ロマン”の部分ですね。具体的に言うと、映画の時代、銀幕の時代と言われた昭和の俳優たちのような環境づくりや労働環境を整えることもしたい。そうしないとこの業界で働く人たちの活力にならないんです。
お金で人を集めようとしても、実際は人情で動く部分が大きいところだから。それで動いていく感覚って日本だからこそ可能なことだと思います。全体的に言えることなので、30代ではそういうことに取り組む準備期間を設けられたらいいな。先輩方もたくさんそういう取り組みをされてらっしゃいますが、それでも難しいお話だと思います。簡単ではないことだけど、せっかくこの世界にいるのだから、素晴らしい人材、直向きに健気に仕事をされている方がたくさんいらっしゃるので、その方々の努力が報われるような世界にしたいです。
――今後はどんな作品をやっていきたいですか?
今は特に決めていません。面白いと思った作品だけをやるわけではないから、たとえば理解が難しい内容だったときにちゃんと申し上げることも誠意だと思うんです。「わかりません。でもこうだと思います」と伝えて、「それでも君にお願いしたい」と言っていただけるのであれば自分も応えたい。30歳になったときに、そう振る舞えるようにしたいです。今、稼いだお金で一生やっていけるかと言ったら無理な話ですし、「20代が華」ではないと僕は思います。20代で勝負をかけて、30代で人生設計していくのが僕にはマッチする気がしているんです。
――最近のTMI(Too much Information=あえていうほどでもない情報)を教えてください。
最近、ポケットモンスター ファイアレッドのゲームを再開しました。僕の人生で初めてのゲームなんですよ。大人になってから、久々に再開して。コイキングをギャラドスに進化させることができて僕は感動しています。本当にハマっていて、2回ほど殿堂入りしました。

映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』

5月1日(木)全国公開
おかしと人間が仲よく暮らすスイーツランドでは、歌って踊るスーパーアイドル「たべっ子どうぶつ」が大人気。しかし、この世の全てのおかしを排除し世界征服を狙う最凶の”わたあめ軍団”によって、ペがさすちゃんが捕らわれてしまった!大切な仲間のため、モフモフカワイイだけで戦闘力ゼロのたべっ子どうぶつたちは、1000%不可能な“ぺがさすちゃん教出ミッション”に立ち上がる。絶体絶命の彼らが見つけた、大逆転の秘策とは!?
松田元太 水上恒司 髙石あかり 藤森慎吾 蒼井翔太 小澤亜李 水瀬いのり 東山奈央 立木文彦
間宮くるみ 大野りりあな 関智一 大塚明夫 大塚芳忠
原作:ギンビス
監督:竹清仁 脚本:池田テツヒロ 企画・プロデュース:須藤孝太郎
主題歌「Would You Like One?」Travis Japan (Capitol Records / ユニバーサルミュージック)
2025年/90分/G/日本
クリエイティブプロデューサー:小荒井梨湖 音楽:羽柴吟
音楽制作:TBSテレビ 音響制作:グロービジョン 音響監督:横田知加子
アニメーションプロデューサー:宇井正人 CGスーパーバイザー:堺井洋介 アートディレクター:亀井清明 ラインプロデューサー:髙橋弘樹
宣伝プロデュース:KICCORIT
アニメーション制作:MARZA ANIMATION PLANET INC. 製作幹事:TBSテレビ
配給:クロックワークス TBSテレビ
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©ギンビス ©劇場版「たべっ子どうぶつ」製作委員会
撮影/黒石あみ スタイリスト/藤長祥平 ヘア&メイク/Kohey(HAKU) 構成/佐々木怜菜、岡野亜紀子
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【問い合わせ先】
スタジオ ファブワーク 03-6438-9575