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LIFESTYLE

2025.03.29

俳優・板垣李光人さんインタビュー「緻密に、丁寧に、積み重ねた感情のレイヤーが僕の覚悟をつくっていく」

「漫画から抜け出てきたような」かわいらしさを見せることもあれば、「クールで冷淡な」役に憑依することもある。その背景には、的確な役の分析と覚悟がある。23歳にして約13年のキャリアをもつ板垣さんならではの仕事との向き合い方、そして今感じている成長の手応えとは。

体重を4〜5kg増やして準備をしました

さかのぼること3か月前、板垣さんはこれまでと違った緊張感を感じていた。それは、地上波ゴールデン帯連続ドラマ初主演となる『秘密〜THE TOP SECRET〜』のクランクインを前にしての、いわば「覚悟」でもあった。

板垣李光人

「情報解禁の前日からドキドキして、あまり眠れなくて。いざ情報が出てみれば、期待の声がたくさん届いて、ありがたい気持ちがあふれてきて。もちろん、人気漫画の実写化ということで、不安に思う方がいるのはわかっています。だからこそ、いっそう身が引き締まります。僕がやるべきことは、しっかりと準備をして、原作を読んだときに受けたのと同じ衝撃を、視聴者に届けること。とても覚悟がいるし難しいことだけれど、難しいことほど腕が鳴ります。そしてクセがある役ほど、〝やりがい〟を感じます」

ドラマ『秘密』で板垣さんが演じたのは、科学警察研究所の法医第九研究室、通称「第九」の室長・薪 剛(まき つよし)。死者の記憶を映像で再現するMRI技術を用いて、解決不可能とされていた事件を解いていく。華奢な体型で30代に見えない容姿に、驚異的な仕事への集中力、と〝クセ〟は強めだが、それだけではない。背景に、壮絶な人生や警察での衝撃的な体験などがあり、それらは徐々に明かされていくことになる−−。

「薪 剛という人間は、強さと弱さ、繊細さと大胆さを併せ持った人物です。そのうえ、だれより孤独でもある。仕事に心血を注いでも、それが正義なのか迷いもあります。壮絶な人生を歩みながら、レイヤーのように積み重なってきた葛藤や矛盾こそが、彼の根幹です。そして、本来強いのではなく、強くあろうとしている人間で、そうでなければまた何かを失ってしまいそうな危うさもある…」

と、板垣さんのキャラクター分析は、まるでその人物の中に入り込んだように的確で奥深い。さらに、銃の扱いを訓練したり、役にふさわしい体型に近づくべく体重を4〜5㎏増やしたりも。緻密に、丁寧に、準備過程を経ることなしに「やりがい」は得られないと、わかっているからだ。

板垣李光人

みんなで一緒につくって、みんなの作品にする

薪 剛という人物を演じて3か月たった今。「魅力的で抱きしめたくなる人物」と表現する余裕もでき、地上波ゴールデン帯連続ドラマ初主演という重圧とも、自分なりにうまくつきあえるようになった。

「僕は、自分がみんなを引っ張るというよりは、キャストのひとりとして、横一列に並んで、足並みをそろえて、作品をつくっていくタイプなのだとよくわかりました。だから、できあがったものは『みんなの作品』。薪は若くして室長になり、権威に立ち向かいながら大胆な行動もするけれど、僕はあんなふうに強く主張したり、叱咤するタイプではありません。

あとで見返して、『もっとこうすればよかった』と思うこともあるし、監督のアドバイスやみなさんの感想で新たに気づくこと・意識が変わることもあります。それができるということは、成長している… いや、まだまだ成長できるということ。そう思っています」

板垣李光人

ドラマ『秘密』では、大人の警視正を演じ、同時に映画では15歳の高校生(映画『ババンババンバンバンパイア』)になったりもする。奥深い人物の理解は、結果として幅広さにも通じている。

「今は歳を重ねることが楽しみなんです。ここまで積み重ねてきた自分が、果たしてどれくらい変わるのか、あるいは変わらず続くのか。そしてどれだけ幅広い役ができるか。そういえば、王道の学園ドラマはやっていないですし、これからまだ可能性があるかもしれない(笑)。

しばらくは変わらず忙しいだろうけど、それも楽しみながら。僕、こう見えてけっこう体が強いんですよ。移動中の隙間時間に寝られるし、ここ数年カゼもひいてません」

さらに、個展の開催で広く知られることとなったアートの才能と実力も、今後の楽しみのひとつ。

「美術館も映画館ももっと行きたいし、自分で描いた服のデザイン画は、いつか形になったらいいなと思います。思い立ったらすぐ行動に移すほうで、映画はもちろん、ディズニーもひとりで行ったし、さて次はどこに行こうかな」

[板垣さん衣装]コート¥649,000・ジャケット¥445,500・ニット¥159,500・パンツ¥170,500・靴¥176,000[すべて予定価格](セリーヌ ジャパン〈セリーヌ オム バイ エディ・スリマン〉)

***

2025年Oggi4月号「この人に今、これが聞きたい!」より
撮影/中田陽子(maettico) スタイリスト/五十嵐堂寿 ヘア&メイク/KATO(TRON) 構成/南 ゆかり
再構成/Oggi.jp編集部

板垣李光人(いたがき・りひと)

2002年生まれ。2012年に俳優デビュー。映画『八犬伝』『はたらく細胞』『陰陽師0』(すべて2024年)で第48回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。昨年はドラマ『マルス-ゼロの革命-』、映画『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』『ブルーピリオド』など6本の作品に出演。俳優業のほか、アートの分野で初個展『愛と渇きと。』(2024年)を開催するなど多岐にわたり活躍の場を広げている。映画『ババンババンバンバンパイア』が近日公開予定。

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