塩野瑛久がヴィンテージスタイルでお出かけしたら
さまざまな役を演じ分けることから、“カメレオン俳優”とも呼ばれる、塩野瑛久さんの連載。 毎回テーマを設けて魅せるファッションはもちろん、Oggiの読者世代でもある塩野さんが等身大に語るインタビューにもご注目ください!
【Theme#16ヴィンテージスタイル】

――今回挑戦していただいたのはヴィンテージスタイル。茶色のスエードジャケットがとてもお似合いでしたが、いかがでしたか?
色の合わせは普段着るものに近い感じもありつつ、新鮮でした。茶色もよく着ますが、僕が選ぶのはもっとこっくり深い茶色なので、明るめで自分では選ばないトーンだったのも新鮮でよかったです。インナーの首もとのオレンジが差し色になっていたところや、デニムにダメージ加工が入っていたのもかわいかったです。
――今までの人生で励みになった言葉や、生きていく上で大切にしている言葉は?
ハートフルな言葉とは言えないかもしれませんが、“自分を守れるのは自分しかいない”。だからこそ、自分のことは自分がいちばん愛してあげたいと思います。自己肯定感が低いほうだと思っていて、直そうと思う出来事が何度もあって…。調整しようと悩んで、頑張りすぎた結果、「自分」がわからなくなってどう振る舞えばいいのか迷ってしまったこともあります。
それって役づくりにも繋がることで、「自分のものさしで役とこれだけ向き合っています」と宣言しても、外から見たときには伝わらないかもしれない。だから、その変化をにじみ出せるようになりたいんです。自分を曲げるわけではないけれど、「今、こう見えているんだ」というのはわりと気にするタイプ。だからといって、そこに囚われすぎると今度は人間味が失われて、なんだかよくわからない状態になるし…。そう考えていたら、「じゃあ、もう最終的にだれがどう捉えるかなんてそれぞれなんだし、自己ジャッジで自分らしく。己を守ってあげられたらいいんじゃないかな」という境地に至りました。

――自己肯定感が低いとおっしゃっていましたが、自信家な役が来たときはどうやってそのマインドにもっていくのでしょうか?
さっき言ったマインドをより強めに引き出すように、普段の生活から意識します。「誰になんて思われようと気にしない」と自分に言い聞かせて。究極のことを言ってしまうと、「誰かの意見を僕が受け入れたとしても、その人が僕の人生の責任を取ってくれるわけでもない。だったら、僕のスタンスでいくよ」というマインドを強く出す。それってある意味すごく嫌な映り方をするかもしれない。でも、あえての自分本位になることの魅力も僕は知っているんです。そういう方の曲がらない感じを好きだなと思うこともある。だから役が引き立つように、普段からより自分にフォーカスしようと努めます。

――創造性を充電、刺激する趣味や情熱は何ですか?
アニメです! ただただ好きなだけなので、なにか意図して見ているわけではないけれど、感化されることはやはり多いです。最近刺激を受けたアニメは、『アーケイン』(Netflixで独占配信中)。「リーグ・オブ・レジェンド」というゲームを基につくられたアニメーションで、本当にセンスがすばらしいんです。僕がアンバサダーを務めさせていただいた、「グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ」でも、ミュシャから影響を受けた作品として、『アーケイン』の映像が流れていました。世界で大ヒットしているアニメで、日本のアニメーションとはまた違う魅力があります。費用も莫大にかけられていて、センスも抜群によく、物語の展開も天才的で本当にすばらしいアニメーションです。個人的には、歴史に残るであろうと思うくらい感銘を受けた作品です。クリエイターの方々の仕事に対する熱も感じるし、そういったものをキャッチできると刺激になります。

――好きな絵文字を教えてください。
絵文字もスタンプも正直あまり使わないです(苦笑)。使うとしたら、敬礼ポーズと塩マーク。塩マークは署名みたいな感じで、名前の代わりに文末につけることが多いですね。
――ちなみに、SNSのメッセージのやりとりで句読点はつける派ですか?
句読点はきちんとつけるタイプです。えっ!最近の若い人はつけないんですか!?そうだ、マルハラって言葉がありますもんね。僕は点も丸も使います。メッセージのレスは遅いほうかもしれません。応援してくださる皆さんなら僕の性格を知ってくれていると思いますが、もちろん早く返信するに越したことはないのですが、言葉選びに脳のリソースを使って考えすぎた挙げ句、一旦寝かせてしまいます。
そして、そのまま返事をし忘れちゃうこともある…(苦笑)。それなら別に丁寧じゃなくてもいいからすぐ返そうと思ったこともあるのですが、性格上難しいんですよね…。ちゃんと返したいのに、文章だと意図と違うふうに伝わることもあるから慎重になってしまう。そんなわけでメッセージのやり取りはあまり得意じゃないので、電話のほうが気楽です。

――スマートフォンのホーム画面のこだわりは?
ロック画面は愛犬で、ホーム画面はシンプルに無地に設定しています。機能面は僕好みにカスタマイズしています。よく使うアプリは右下にまとめて、ポイント類はお店でスマートに表示できるように設定。アラームは使う頻度は高いけどホーム画面の1ページ目に置くのは邪魔だからワンクリックで表示できるようにしたり、かなりこだわりが詰まっています。

ジャケット¥132,000(にしのや〈ヘリル〉) シャツ¥45,100(メイデン・カンパニー〈インディビジュアライズド シャツ〉) デニムパンツ¥39,600(イボルブ〈サバイ〉) 靴¥16,500(シップス インフォメーションセンター〈シティ アンビエント プロダクツ〉) Tシャツ/スタイリスト私物
【お問い合わせ先】
・イボルブ 03-6823-5074
・シップス インフォメーションセンター 0120-444-099
・にしのや 03-6434-0983
・メイデン・カンパニー 03-5410-9777
撮影/尾崎玲央(PEACE MONKEY/スチール&ムービー)スタイリスト/飯垣祥大 ヘア&メイク/山口恵理子 撮影協力/界 ポロト 構成/佐々木怜菜、岡野亜紀子

【撮影現場ビハインド♡ 〝しおらしい〟取材メモ】
・今回は特別に東京を飛び出して、北海道ロケを敢行!スタッフよりも早い便で一足先に北海道入りしていた塩野さんは、「北海道へようこそ!(大声)」と言いながらこなれ感たっぷりに現場入りし、その日一番の爆笑をかっさらいました。
・北海道に合うスタイリングは?と尋ねると、「今回のヴィンテージっぽいスタイルが北海道で訪れた場所のどこにもマッチしそうです。特に、馬がいるような自然の多い場所や古き良き趣のある建物がたくさんあるので、そういうところにすごく合いそうなスタイリングだと思いました」。
・ポロト湖のほとりを散歩しながら撮影に臨んだ今回。スマートフォンをセットして撮影できるフォトスポットを見つけるといそいそとセットし、セルフで記念撮影をする塩野さん。その後、みんなで記念写真を撮ろうと並ぶとまたもやセッティングと撮影までのカウントダウン→チェックを贅沢にも塩野さんが率先してやってくださいました。チェックと声がけのスムーズさはプロカメラマンさながら!
・SNSのメッセージで句読点をつけるか否かの話の際、「むしろ何もついてないほうが圧を感じませんか?若い人は違うの?これからどうしよう…(笑)」とやや焦る塩野さん。
・ご登場いただいたOggi5月号本誌について、「メガネ姿がいいですね」と現場が盛り上がっていると、「僕ってやっぱりメガネが似合うなあって思いました(笑)」とちゃめっけたっぷりに感想を述べてくれました。
俳優 塩野瑛久
しおの・あきひさ/1995年1月3日生まれ。東京都出身。【公式Instagram @akihisa_shiono_official】どんな難役も演じ分けることから“カメレオン俳優”と呼ばれる実力派俳優で、話題作に多数出演。2024年は大河ドラマ『光る君へ』で一条天皇を熱演し話題に。その他、ドラマ『無能の鷹』、『天狗の台所 Season2』、映画『チャチャ』、映画『八犬伝』、連続ドラマW『ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』等が放送・公開。2025年ドラマ「五十嵐夫妻は偽装他人」にてW主演。現在放送中のテレビ朝日系 金曜ナイトドラマ「魔物(마물)」に出演。ファッション好きとしても知られ、センスのよさから数々のファッションイベントに呼ばれる今、まさに旬の人。2024年1月より、Oggi.jpでファッション連載中! 2025年4月始まりのカレンダーが発売中。詳細はカレンダー公式X @akijikan_calをチェック!
撮影協力/界 ポロト
北海道の白老町・ポロト湖畔に構え、四季折々に色づく景色を堪能できる湯宿「界 ポロト」。
星野リゾートの温泉旅館ブランドの「界」にとって北海道初の宿として、「ポロト湖の懐にひたる、とんがり湯小屋の宿」をコンセプトに誕生。アイヌ文化を尊重し、異なる民族との共生を体験できるような空間となっています。施設のどこにいてもポロト湖を身近に感じることができるのが魅力。
北海道白老郡白老町若草町1-1018-94
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiporoto/