朝ドラ『風、薫る』1週間の見どころと感想をレポ
朝ドラ『風、薫る』、ご覧になられてますか? 明治時代の日本で看護の道を切り拓いた、一ノ瀬りんと大家直美の物語。見上愛さん、上坂樹里さんのダブル主演です。
朝ドラ大好きOggiチームきってのNHK「連続テレビ小説」ウォッチャー、ライター・朝 ドラ子が、毎週グッときたポイントを自由きままに語りたいと思います!
先週のレビューはこちら:りん、新潟へ!直美の大いなる愛が止まらない! “母の謎”にも急展開|『風、薫る』第16週
第17週「脈動」を振り返ります
今週は完全に「直美週」! 瑞穂屋の文さんが自分の母親なのではないか。直美の疑いは確信に変わります。しかし文さんは末期の胃がんと診断を受けており、先は長くありません。真実を語らない文さんに、直美は何を思うのでしょうか。

「母」の選んだ罪と罰
直美の腐れ縁・寛太も調査に協力し、状況証拠から文さん=直美の母と、もはや確定したわけですが…。核心に触れようとすると、時に冷たく、時に飄々と話をするりとかわしてしまう文さん。「私の母親ですか?」直美は思い切ってはっきり聞いてみたものの、取りつく島もありません。
過去を封印しているかのように、文さんは自身のことをほとんど語らないのです。その姿はまるで、かつて娘を捨てた自分に罰を与え続けているようにも見えました。今さら「母親です」だなんて、とても言えない。それが文さんの贖罪なのかもしれないと、ドラ子は思います。
そんな文さんを問いただすでもなく、自宅に通い、ただそばにいて看病を続ける直美。本当は聞きたいこと、言いたいこともたくさんある。「本当に大変だったから。親がいないせいで、あんたがいないせいでって…」。謝ってもらいたい気持ちもある。謝ってさえくれたら、許して次に進むこともできるかもしれないよね。それでも、文さんの意思を尊重して踏み込まないことを決めた直美がいじらしく、切ない。
けれども、文さんの言葉や眼差し、寝顔を見つめる表情からは、直美を慈しむ気持ちがどんどん滲み出ているのだよね。同時に、いつもクールでツンとした直美が、文さんと一緒にいるときは無垢な「娘」の顔になっていくんですよ!! 胸が苦しい!
最後まで母とは名乗らない文さん。それでも、ふたりは確かに母娘だった
いや〜世の中を呪いまくってた、かつての直美だったら、感情にまかせて「母親」に怒りをぶつけていたと想像します。いつしかこんなにも人を想えるようになった直美。彼女自身が幸せになることを諦めなかったこと、そしてりんをはじめ病院の仲間たち、環、美津さん、教会の吉江先生…優しい人々との出会いが、直美をこんなにも変えたと思うと、心が震えます。
思いがけなく再会した娘が、すっかり素敵な女性になっていたこと。良き友人に恵まれていたこと。文さんも、心から救われた気持ちになったのではないでしょうか。でもね、そこで救いを感じてすらいけないと、自分を律してしまうのが文さんなのかもしれない。結局彼女は「直美の母親」であることを、認めることはありませんでした。直美が「おっかさん」と呼ぶことも叶わず。けれども、最期にふたりで穏やかな時間を過ごせたことが、この母娘のすべてなんだと思います。
文さんの最期の願いは、かつて安産祈願をした神社にお参りにいくこと。手を合わせる彼女が何を祈っていたかは、作中では語られません。それはきっと「ずっとずっと、娘を守ってくださってありがとうございました」なんだと信じている。静かに心揺さぶられる、切なくも美しい一週間でした。
直美を取り巻く男子たちも大集合! それでも最強は、やっぱりりんだよね
さて…。今週は「直美週」ということで、直美を取り巻く個性豊かな男子たちがフル出演したのも見どころでした。腐れ縁寛太、芋男・吾郎、吉江先生、チュウに藤田ドクターまで! 前回は「恋愛エンドじゃなくてもいいよね」的なことを語っていたドラ子ですが、やっぱり男性陣が出てくると「恋、始まる?」と気になっちゃいます。男子とツーショットのシーンが多いと、ついつい恋愛リアリティ番組とか恋愛シミュレーションゲームを重ねて妄想してしまう。でも、直美を心配して新潟から飛んできてくれたりんがやっぱり今のところ最強だと思います!
そして次週予告を見ると、今度はりんを取り巻く男子が大集合するようですね。幼馴染・虎太郎、グイグイくる新キャラ・横沢、そしてなかなか一歩踏み出せないシマケン! いよいよ残すところ1か月ほどの『風、薫る』ですが、ここにきて恋が動き出すのか!? それとも予告詐欺なのか!?
次週は「岐路にて」! りん&直美、新たな一歩へ
恋愛模様も気になるところですが、次週はりん&直美の仕事にも大きな変化がありそうです。直美は帝大病院を辞めて、派出看護婦の道へ? りんのもとには黒川医師がやってくるようですが…? まだまだWヒロインの挑戦は続きそうです。
「朝ドラウォッチャー」ライター・朝 ドラ子
NHK「連続テレビ小説」(通称・朝ドラ)をこよなく愛するアラフォー。毎日退勤後に録画をじっくり観るのが日課。会議でのアツい朝ドラコメントが「天才的なウォッチャー」と編集長に認められ、この連載を開始。歴代ナンバーワン朝ドラは『スカーレット』(2019年度後期放送)。



