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2026.07.15

最期の言葉は「助けて」。患者を救えなかったヒロインに異変|『風、薫る』第15週【ライター・朝ドラ子のあらすじ追っかけ!週間レビュー】

NHKの「連続テレビ小説」こと、「朝ドラ」。朝ドラ大好きなOggiスタッフが、その感想を自由気ままに語ります。今回は『風、薫る』第15週をレポートしていきましょう!

「朝ドラウォッチャー」ライター・朝 ドラ子

朝ドラ『風、薫る』1週間の見どころと感想をレポ

朝ドラ『風、薫る』、ご覧になられてますか? 明治時代の日本で看護の道を切り拓いた、一ノ瀬りんと大家直美の物語。見上愛さん、上坂樹里さんのダブル主演です。

朝ドラ大好きOggiチームきってのNHK「連続テレビ小説」ウォッチャー、ライター・朝 ドラ子が、毎週グッときたポイントを自由きままに語りたいと思います!

先週のレビューはこちら:看護婦人生の危機!? 余命幾ばくの患者を病院から連れ出すヒロインが心配|『風、薫る』第14週

第15週「差し出せぬ手」を振り返ります

末期がん患者・山本さんの「家に帰りたい」という願いを叶えるため、病院から密かに彼を連れ出すことを決意したりん。いやいやそれはさすがにまずいって!というところで週をまたいだ今回。どうなるりん! どうなる山本さん!?

先々週・先週、そして今週と、次から次へとりんが困難に直面しています。でも不可抗力な事件に巻き込まれている…というよりは、目の前の人を放っておけず、結果としていつも難しいほうの道を選んでしまう、という感じなんです。

差し出された手
医師メンバーのパーソナリティもじわじわと見えてきた今週でしたね。ずんの飯尾さん演じる万作さんに院長のスパイ疑惑が浮上し、地味にショックです (C)Adobe Stock

「ありがとう」ではなく「助けて」。山本さんの最期が突きつけたもの

山本さんはなんとか自宅にたどりつき、奥さんと再会することができました。束の間、夫婦で穏やかな時間を過ごせたものの、もともと彼は余命いくばくもない状況。ふたたび病院に戻ったときには息も絶え絶えで、りんの目の前で息を引き取ります。そして最期の瞬間に山本さんがりんに残した言葉は「助けて」。

いや〜…。ドラ子はてっきり「ありがとう」って言ってくれると思ってました。こうなることはわかっていたけれど、最期に奥さんと会えてよかったよね、というような。あるいは、奥さんが「あの人は幸せだったと思います」と言ってくれるとか。そんな浅はかな視点に反省しきりです。この物語は、患者の死やヒロインの判断を、けっして美談にしないのだな。

遅かれ早かれ山本さんは亡くなる運命だった。病院のベッドの上でたったひとりで逝くよりは、よかったのかもしれない。けれど、それも遺された側が勝手に見出した意味とも言える。そんなふうに、あれこれ「正解」を考えてしまうけれど…本当のところは山本さんしかわからない。

これまで「支える側」だったりん、今度は立てなくなる

さて、これだけのことをしたりんには当然重い処分が待っていると思いきや、いったんはお咎めなし。意外と寛大…というわけではなく、病院には病院の思惑があるようです。副院長は自主退職を期待しているみたいだけど、院長の本心はまだはっきり見えてこない。医師たちも一枚岩でないことが伝わってきて、なんだか不穏。こうした院内政治の顛末も、今後描かれるのでしょうか。

りんは山本さんの死に激しく動揺し、この日のことがトラウマのように心に残ってしまいました。患者に処置をしようとすると、手の震えが止まらない。直美やシマケンも心配し、しばらく休まないかと提案するものの、「働かなければ生きていけない」とりんはそれを受け入れません。でもでも、現場で全然戦力になっていない姿が悲しい…。やる気があっても体がついてこないのです。絶対に休んだほうがいいのは明白!!

「患者の死に動揺してドロップアウト」は第10週でゆきが、「生活のために無理を押して働く」は第13週でツヤがすでに通ってきた道。まさかここにきてヒロインがそのWパンチに直面するとは思わなかった…。なんなら、ゆき&ツヤのとき、りんは「脱落しない側」だったわけですよ。それだけの経験と能力を持っている人だった。けれども、誰だって何かのきっかけで反対側に転ぶことがあるのです。

「看護婦辞めな」直美の厳しい言葉に込められた優しさが泣ける…

でもさ、物語において同じモチーフが繰り返されるのは、「今度は違うルートを選べる」という分岐点でもあると思うの。だからこそ直美は、強い言葉を使ってでもりんに「看護婦辞めな」とはっきり伝えたのでしょう。今のままではそもそも患者さんに責任を持てないし、今立ち止まれば、りんにとってもまだ、取り返しがつくかもしれない。人生、振り出しに戻ってやり直したっていいじゃない!

直美がこれまたすごく優しくて、こっそり再就職先まで見つけてくるという。あんなに自己中だった直美が…! それだけりんのことを、本当に家族のように大事に想っているのだろうな。でもそんな直美の本心が、りんになかなか伝わらない感じがもどかしい。

そして直美がそこまでしてくれてるのに、りんは転職に難色を示すわけです(泣)。というのも、再就職先は新潟・上越への単身赴任が必須。確かに、すぐに決断できないのはわかるのだけど、もはや背に腹は代えられないのでは!? りんの答えはまだ出ないまま、次週へ続きます。

次週は「新風吹くころ」。りんの新章、スタートか!?

しんどいシーンが続いたこの数週。まさかヒロインのひとりが看護婦を続けられなくなる展開が待っているとは、想像もしていませんでした。りんはよく「(大事な判断を)間違えた」って言うけどさ、本当の正解がわかるのは、もっともっと先の未来なんじゃないのかな。長い時間がかかったとしても、やり直せることを証明してほしいな、と思ったり。

あと、いずれ「上越編」がスタートすることは前情報で把握していたのですが、単身赴任不可避には驚きです。りん&直美は離れ離れになっちゃうの?「Wヒロインのバディもの」として、今後どのようにふたりを描くのか気になるところです!

番組公式サイト

「朝ドラウォッチャー」ライター・朝 ドラ子

NHK「連続テレビ小説」(通称・朝ドラ)をこよなく愛するアラフォー。毎日退勤後に録画をじっくり観るのが日課。会議でのアツい朝ドラコメントが「天才的なウォッチャー」と編集長に認められ、この連載を開始。歴代ナンバーワン朝ドラは『スカーレット』(2019年度後期放送)。

▼朝ドラレビュー過去回はこちら!

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