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LIFESTYLE

2026.06.08

明治の人生は厳しすぎる!? 持つ者と持たざる者の差って、なんだろう|『風、薫る』第10週【ライター・朝ドラ子のあらすじ追っかけ!週間レビュー】

NHKの「連続テレビ小説」こと、「朝ドラ」。朝ドラ大好きなOggiスタッフが、その感想を自由気ままを語ります。今回は『風、薫る』第10週をレポートしていきましょう!

「朝ドラウォッチャー」ライター・朝 ドラ子

朝ドラ『風、薫る』1週間の見どころと感想をレポ

朝ドラ『風、薫る』、ご覧になられてますか? 明治時代の日本で看護の道を切り拓いた、一ノ瀬りんと大家直美の物語。見上愛さん、上坂樹里さんのダブル主演です。

朝ドラ大好きOggiチームきってのNHK「連続テレビ小説」ウォッチャー、ライター・朝 ドラ子が、毎週グッときたポイントを自由きままに語りたいと思います!

先週のレビューはこちら:ツンな看病婦たち、ついにデレる!立場が違えど、共に働く仲間たち|『風、薫る』第9週

第10週「疾風に勁草(けいそう)を」を振り返ります

茶色の試薬瓶
小野田さんがこれまためちゃいい人なんですよ!! (C)Adobe Stock 

看護学生のひとり、ゆきが脱落…(涙)。きっかけは、仲良くしていた患者・小野田さんの死です。先週から患者の容態変化に動揺を隠せなかったゆき。心優しく繊細すぎる彼女には医療の現場は酷ではないか?と見ていて心配でしたが、案の定の結果になってしまいました。

ゆきは華族の娘でありながら、ナイチンゲールへの熱い思いと大きな決意を胸に看護学校へ入学しました。けれど気持ちだけでは、どうにも乗り越えられないこともあるのです。つらい。医療の現場にいる以上、きっとたくさんの死と向き合い続けることになるでしょう。だからこそゆきは、看護婦の道を諦めることを、自分で決めました。それが自身のためでもあるし、患者のために誠実な選択であると。悲しいけれど、その表情はどこか前向きです。「患者のために」、いつだってそれがゆきの本心なんだよね。

看護学生ズ、みんなすごくがんばっていたから、全員一緒にやり遂げてほしかったけれど…。「無理をしなくてもできることが、向いていること」とゆきが語るように、どうしたって仕事には向き・不向きがある。人の生死に関わる職ならなおさらです。

やりたいことが得意なこととは限らない、その逆もまたしかり。ゆえに「看護に熱い思いはとくにないものの、仕事としては難なくできる」タイプの直美も描かれる。「生活のため」以上の動機はないけれど、暦10年のしごでき看病婦・フユさんもそうですね。作中ではっきり語られているわけではないのですが、能力と機会に恵まれた者は、それをどのように活かしていくべきか?という問いかけが、さりげなく提示されているように思えます。『風、薫る』が見据えるのは、いつも「社会」のことなんだよなあ、やはり。

ゆきとの別れに、残された看護学生ズは涙、涙。なんだけど、急にゆきの空耳エピソードをいじって笑いにするのやめたげてー!! 空気がしんみりしてくると、逆に茶化したくなってくるやつでしょうか。みんな、きっと悲しみをごまかしたいんだよね。そんななか、バーンズ先生だけは少しも茶化さず真剣なのがグッとくる。「天の声に感謝ですわ!」とあくまで空耳を信じ、泣き笑いで締めるゆきも、なんだかとても素敵でした。ゆきの熱い思いは本物だからこそ、別の道でその志を生かせたらいいのにな、と願わずにいられません。

あの「夕凪」が登場!? 物語は新たな展開へ

そんなこんなで時は過ぎ、永遠に入院しているかのように見えた丸山もついに退院! よく見ると隣のベッドの千葉さんも包帯とれてる〜! よかったよかった。しかしながら丸山改めチュウは退院したあとに頼れる人も住む家もありません。なんやかんやで面倒見のいい直美が、教会のツテで住居のお世話をすることに。教会の吉江さんはいい人すぎるし、長屋のみなさんは気のいい人ばかりでほっこりシーンでもあるのですが、冷静に考えると生活の頼みの綱が周囲の人の善意だけ…ってのは、なんだか厳しいものがあります。今だったらソーシャルワーカーとか、行政とかの介入もあるのだろうけど。明治時代の人生って、やはりなかなかのハードなのではないでしょうか。いや普段なら朝ドラでそこまで考える必要はないのですが、今作ならそういう意図もあるのでは?とつい深読みしてしまうドラ子です。

で、さらに数か月が経過し、直美&りんは外科から内科へと実習の場を移します。そこで早々に大事件発生です! 副毒心中を図った男女が緊急搬送。男性は急いで処置を受けているのに、女性だけ床に転がされ、治療も後回しにされ、病院の扱いの差がどう考えてもひどい…。彼女は、「夕凪」という名の女郎でした。

「夕凪」、それは直美の母親と目される女郎と同じ名前。直美も動揺を隠せません。年齢的にこの女性=直美の母親とは考えられませんが、母の所在に一歩近づくヒントを得ることができるのかもしれない。

一命を取り留めたものの、生き延びたところでまた地獄に戻るだけ…と空虚な表情を見せる「夕凪」。新・夕凪とでも言いましょうか。病院からの対応の差や、女郎を取り巻く環境の悲惨さを思い知り、直美はもちろん、りんも彼女を救いたいと考えます。ふたりの提案は迷わず「逃げましょう!」。逃げた女郎の娘である直美&かつてモラハラ夫から逃げたりんが言うのだから説得力がありますね。ですが、明治の世といえど女郎の足抜けは御法度。見つかったら想像を絶する罰を与えられると、ドラ子も『べらぼう』で履修済みです…。りん&直美、この局面をどのように切り抜けるのでしょうか!?

看護学校、どうなっちゃうの!? 次週は「凪(なぎ)にそよぐ」

新・夕凪の登場により物語がまた動き出しそうですね。次週予告を見るに、看護学生ズで力を合わせて彼女を逃すのでしょうか。あ、危ない橋…! しかし卯三郎さんも言っていたけれど、似た境遇の人が次々現れたら、じゃあ全員救うの?って言ったら難しいわけじゃん? そのアンサーをりん&直美がどう見出すのか、気になるところです。予告では「看護学校が閉鎖」という気になるワードも飛び出し、気が気でありません。青春の終焉は朝ドラにはつきものですが…次週を心して待ちます。

番組公式サイト

「朝ドラウォッチャー」ライター・朝 ドラ子

NHK「連続テレビ小説」(通称・朝ドラ)をこよなく愛するアラフォー。毎日退勤後に録画をじっくり観るのが日課。会議でのアツい朝ドラコメントが「天才的なウォッチャー」と編集長に認められ、この連載を開始。歴代ナンバーワン朝ドラは『スカーレット』(2019年度後期放送)。

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