朝ドラ『風、薫る』1週間の見どころと感想をレポ
朝ドラ『風、薫る』、ご覧になられてますか? 明治時代の日本で看護の道を切り拓いた、一ノ瀬りんと大家直美の物語。見上愛さん、上坂樹里さんのダブル主演です。
朝ドラ大好きOggiチームきってのNHK「連続テレビ小説」ウォッチャー、ライター・朝 ドラ子が、毎週グッときたポイントを自由きままに語りたいと思います!
先週のレビューはこちら:看護学校編スタート! 尖ったナイフ・直美の心をほどくのは?|『風、薫る』第5週
第5週「天泣(てんきゅう)の教室」を振り返ります

真風(まじ)の予言通り、“天からの遣い”・バーンズ先生登場! スコットランドからやってきた看護の先生で、ナイチンゲールの教えを学んだという女性です。看護学校のみんなで「どんな先生なんだろ〜」とウキウキしていたのも束の間(フラグすぎる…)、いかにもストイックで厳しそうな先生が降臨。早速、緊張感あふれる指導が始まります。ウキウキ→緊張の落差、引き締まった空気を表現するかのようなものものしいBGM…この「ベタ」な感じ、けっこう好きです(笑)。
バーンズ先生の指導は学生たちの想像を超えるものばかり。急遽髪型を変えることになったり、ひたすらシーツ交換に取り組んだり、くまなく校舎の掃除をしたり。本当にこれが看護の勉強なの!?と質問すれば、まずは自分で考えなさいとばかりになかなか答えをくれません。
学生たちはそんなバーンズ先生にビビっている…かと思えばそうでもないですね。先生が英語話者であるのをいいことに、「天狗」とか「小姑」とか軽口をたたき放題。とはいえ本気で反発心があるわけでなく、指導はきちんと守りながら学びを続ける看護学生たち。なんやかんや、みんなまじめなんですよね。このへんのキャラ造形はなんだか今っぽいな〜と思います。その結果、ちゃんと先生が「This is nursing.」と認めてくれる流れも安心感があります。
昭和生まれのドラ子はついつい、先生と学生のあいだにもっと軋轢が生じて、激しく反発する子もいて、すったもんだの末お互いをわかりあう…みたいな筋書きを想像してしまったのですが、文句を言いつつも当たり前にまじめに向き合って、少しずつだけどちゃんと前へ進む──それが今らしさなのだと思いました。これまでの流れを踏襲すると、今後もヒロインたちが立ち向かうのは「社会」であり、仲間同士で摩擦を起こしている場合じゃないのかもしれません。
「プロのナース」になるために
今週は「プロのナースとは何か?」を問うターンでもありました。多くの命を救うために、まずナース自身が病気に感染してはいけないこと、患者の思いや背景を「観察」すること。医者と違って直接治療はできないけれど、患者に寄り添い観察することは、ナースにしかできないことです。つい患者に感情移入しすぎてしまうりんや、医者の家に生まれ育った多江の悩み、倒れた多江をみんなで看病する経験を通して、それが描かれていきました。
患者は家族ではない。けれど自身がナースになれば、家族を亡くして悲しむ人を何万人も減らすことができる。その答えにたどりついたりんは、自分にとってこの仕事は天職かもしれない、と思いを新たにするのでした。
先週はギスギスムードだった看護学校の面々も、すっかり打ち解けた様子でうれしい。直美の狂犬っぷりもとんと落ち着き、不器用をいじられるポジションになっているのがなんだか微笑ましいですね。あんなにひねくれていた直美が…きょとんとした顔で…(涙)。りんの家族との交流も経て、「家族がいたらいたで大変なんだね」と、違う立場の相手も思いやる姿勢も。それにしても4年前に数分話しただけの相手をしっかり覚えている直美&母上の記憶力すごくない? お互いよっぽど印象的な出会いだったのでしょうね(笑)。
そして直美の「私は家族がいないから、あなたより長くこの仕事を続けられるかも」という台詞。これ、かえって伏線のにおいを感じます。直美になんらかの家族ができて、新たな悩みにぶつかる展開がありそうだな〜と予想します!
あれもこれもフラグか?と勘繰ってしまいます。次週は「届かぬ声」
看護学校での半年間の学びが終わり、次週からはいよいよ病院での実地研修が始まります。バーンズ先生からは、学生みんなにナース服のプレゼントが♡ そしてここで、じつは先生は日本語ペラペラだった!という事実が明かされます!! 天狗も、小姑も、「意外といい人」も、ぜ〜んぶ先生はわかってたというオチ(笑)。一本とられたみんな、反省しよう!
あと、細かいんですけど今週ひとつだけ、ちょっとしたミステリーがありまして。医者の娘・多江ちゃん、跡取り娘として婿をとらねばならないことが判明したのですが。自己紹介のとき、「兄と弟は医者」って言っていたような。この時代の常識で考えたらお兄さんが跡取りになるのが自然な気もするのだけど…出奔か、死別か、はたまた本当は兄も弟もいない…とか? そこんとこ気になりますが、しれっと迷宮入りする予感もしています。
「朝ドラウォッチャー」ライター・朝 ドラ子
NHK「連続テレビ小説」(通称・朝ドラ)をこよなく愛するアラフォー。毎日退勤後に録画をじっくり観るのが日課。会議でのアツい朝ドラコメントが「天才的なウォッチャー」と編集長に認められ、この連載を開始。歴代ナンバーワン朝ドラは『スカーレット』(2019年度後期放送)。



