人の心を動かすのは人にしかできないこと。
エリザガラコンで改めて仲間たちの魅力を再認識!
2025年に宝塚歌劇団を卒業した、元花組&星組の綺城ひか理(あやき・ひかり)さん。歌で魅了する男役として活躍しました。
ご紹介くださったのは、前回登場された凪七瑠海(なぎな・るうみ)さん。綺城さんと凪七さんは、花組の『エンジェリックライ/Jubilee』でともに宝塚歌劇団から次のステージへ進んだ、退団同期。凪七さんからのメッセージも届いています。
《凪七瑠海さんからのメッセージ》
「あかりちゃん、お久しぶりです。
退団公演では、穏やかでしっかり者のあかりちゃんにたくさん助けていただきました。ありがとう。
たびたび連絡をとり合いSNSを拝見しているので会った気分になっているけれど、実は全然会えてないよね。退団直後、宝塚の家に遊びに来てくれた以来かしら。
学業と舞台のお仕事の両立、本当に尊敬します! お勉強のお話も聞きたいし、久しぶりの舞台もどうだったか感想を聞きたいな。
必ず、退団同期会をしようね。また会える日まで、お互い健康第一で過ごしましょう♪」
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今年2月〜3月に上演された『エリザベート TAKARAZUKA 30th スペシャル・ガラ・コンサート』で久しぶりに舞台に立たれた綺城さん。凪七さんのリクエストに沿って今回は仕事のことや学業のことを軸に、お話をうかがいます。
——凪七さんとのエピソードを教えてください。
綺城さん(以下敬称略):下級生の頃からかちゃさん(凪七さんの愛称)に「すごく似てる」と言っていただくことが多く、研1の組まわりで宙組さんの『クラシコ・イタリアーノ』に出たときから、本当にまったくご一緒できなかったんです。かちゃさんはいろいろな組に特別出演されていたのに。
自分がタカラジェンヌとして経験を重ねてようやくご一緒できたのが、花組全国ツアーの『激情/GRAND MIRAGE!』。そしてその後ともに花組で退団するとなったとき、「こんなことがあるんだな」とご縁を感じました。
宝塚歌劇も時代に合わせて少しずつ変化を遂げていく中で、かちゃさんのように宝塚歌劇を愛して伝統のある男役を体現してくださる方は本当に素晴らしいお手本で、そのお姿を拝見しながら自分も宝塚愛を胸に退団できることはありがたいことだったと思っています。

——たしかにおふたり、似ていらっしゃいますよね。そして凪七さんもおっしゃるように、綺城さんの現在についていろいろお聞かせください。退団後は学校に通いながら、今年は『エリザベート TAKARAZUKA 30th スペシャル・ガラ・コンサート』で舞台にも立たれました。
綺城:学校に行きながら仕事をするということを、自分がどこまでできるのが未知の領域でした。でも、大学生は長めの夏休みと春休みがあるんですよね。
エリザのガラコンのお話をいただいたときもお稽古が学校の授業と重なってしまってご迷惑をおかけするのではないかと心配していましたが、みなさまにたくさん助けていただき幸運にも春休みもやってきて、なんとか乗り越えることができて。
その後もありがたいことにイベントのお声がけもいただいておりまして、学業に支障のない範囲ではありますが、ファンのみなさまにお目にかかる機会がありそうです。

——学生生活はいかがですか?
綺城:タカラジェンヌとして芸を磨いてきた14年ではありましたが、舞台以外のことを何もわかっていなかったから勉強しようと思ったのが学生になったきっかけではあったものの、本当に世間知らずだったことを今こそ痛感しています。
印象に残っているのはキャリアに関する授業ですね。入学前に仕事の経験をしてきた自分がキャリアについて聞いても…と思ったのですが、タカラヅカを退団してから仕事の場で会うみなさまもこういった学びの道を通ってキャリアを形成されてきたのだなということを意識するようになったというか。
心理学にしてもそうですが、自分たちがタカラヅカにいたときに体を持って会得したものが、知識として教えてもらえることがとても新鮮でした。授業を受けながら「私、これ知ってる。あのときに悲しい思いをしながら学んだことだ」ということを、みんなは知識として学んで世の中に出ていくんですよね。もし今、こんな授業を受けたうえで宝塚歌劇団に入ったら、なにかを解決するにしてももっと近道ができたんじゃないかなと思います。
——たくさんの学びを通じて、今後やってみたいことに変化はありますか?
綺城:今はもうパソコンが使えて当たりまえ、AIが使えて当たりまえですよね。タカラヅカにいた頃よりAIに触れる機会は断然多いです。そんな環境で、AIにはできないことがあるというのを改めて感じますね。
AIを知って便利に使いこなすことはとても有効ですが、でもやっぱり、人の心を動かすのは人にしかできない。その大切さを改めて感じますし、私が言うのもおこがましいですが、みなさんにも知っていただきたいと思っていることです。
——宝塚歌劇もそうですが、舞台で生のパフォーマンスを観ることもそれにつながることですね。
綺城:そうでうね。舞台で表現することとは違いますが、ファンのみなさんと交流するのも楽しいです。現役時よりもっと気軽な交流を大切にしたくて、ガラコンの合間にファンミーティングを2回やったんですよ。
5月3日にはコンサートをやらせていただきます。私がやりたい方たちとやりたいことをやる時間なので責任はとれませんが(笑)、それを楽しんでいただけたらいいなと思います。

——2〜3月に行われた『エリザベート TAKARAZUKA 30th スペシャル・ガラ・コンサート』でのエピソードがございましたらぜひ教えてください。
綺城:楽屋で、「今回はチームワークが特にいい」と自画自賛していたのが印象的でした。公演によって雰囲気も変わるみたいです。私はOG公演は今回が初めてでしたが、プリンシパルのみなさまもお気遣いくださって優しくて、さまざまな方に感謝をしながら舞台に立っていました。公演が終わっても「会いたいな、絶対に会うだろうな」という方がたくさんいるのはすごいことだな、と思っています。御園座の楽屋では、楽屋のみんなでこっそり“推し発表会”をやったんですよ(笑)。
一緒に出演した同期のふたり(元月組の蓮 つかささん、朝霧 真さん)とは組が違ったので、劇団に入ってからはそれほど関わりがなかったんです。若い頃は自分本位の考えが先走って衝突したこともあったけれど、経験を積み軸がきちんとできたうえでひとりの大人として共演できたことがすごく幸せでした。尊重できる大切な仲間がまた増えました。
——今東京では花組が公演されていますが、トップの永久輝せあさんも同期ですよね。
綺城:そうなんです。宝塚で1回観劇しました。そして5月23日には、読売旅行の花組観劇ツアーにゲストとして同行させていただくんですよ。
花組の次の大劇場公演が『エリザベート』なので、ガラコンの楽屋では配役予想で盛り上がりました(笑)。

凛とした聡明さとユニークさを併せもつ綺城さん。さまざまなことを流れるように話してくださり、常日頃から物事を深く追求されていることが感じられました。
次は綺城さんのオフの姿に迫ります。お楽しみに!
撮影/黒石あみ ヘア&メイク/加藤志穂(PEACE MONKEY) スタイリスト/北村 梓(Office Shimarl) 構成・文/淡路裕子

綺城ひか理
あやき・ひかり/7月14日生まれ、千葉県出身。2011年に97期生として宝塚歌劇団に入団、花組に配属される。2016年『ME AND MY GIRL』、『金色の砂漠』で新人公演主演。2019年『Dream On!』でバウホール公演のメインキャストを務めた後、星組へ組替え。2023年に再び花組所属となり、2025年『エンジェリックライ』『Jubilee』にて退団。5月3日に『綺城ひか理CONCERT 2026 「Take it Easy Vol.2」』を開催予定。9月27日には花組の上級生である羽立光来さんの1st ディナーショー『Link -Premium Night-』にゲスト出演。
Instagram:@hikari___ayaki



