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LIFESTYLE

2025.02.01

【木戸大聖】天才詩人・中原中也役を熱演。ひとりの女性を奪い合う複雑な三角関係に挑む|インタビュー前編

Netflix の『First Love 初恋』や、近年ではフジテレビの月9ドラマ『海のはじまり』などで、ピュアな演技が話題となった注目の俳優・木戸大聖さん。しかしながら、最新作『ゆきてかへらぬ』では一転、若き天才詩人・中原中也を激しく演じます。これまでとはかなり毛色の違う作品に、どう向き合ったのでしょう。

俳優としての経験値の少なさを、逆に武器にして

映画『ゆきてかへらぬ』は、大正から昭和にかけて活躍した詩人・中原中也と、その恋人で女優の長谷川泰子、文芸評論家の小林秀雄の三角関係をもとに描かれた作品です。約40年前に完成した脚本が、このたび奇跡の映像化。作品の中心である中也役に、木戸大聖さんが大抜擢されました。

── 今回主演された映画『ゆきてかへらぬ』では、天才詩人・中原中也を演じられましたが、役づくりにはどういった工夫を?

そうですね。実在した人物を演じるのが、僕自身初めてで。今も支持されている中原中也を演じるプレッシャーみたいなものはすごくありましたけど、 実在しているからこそ、いろんな資料も残っていて。山口県にある中原中也記念館を訪れたりとか、まずは彼を知るところからはじめました。でも知ればでも知るほど、彼の天才ぶり、偉人ぶりに「大丈夫かな」っていう不安が募って(笑)。ただ、これまで中也を演じている人もいる中で、俳優としてそこと並べるという喜びが、いちばんありました。

── 実際に知ってみて、どんな人物だと思いましたか?

天才詩人と呼ばれる裏には破天荒さも、みたいなイメージがあると思うんですけど、 中也を調べていくことで、彼がただただ暴れまくったり、いろんな人にぶつかりまくっていたわけではなく、詩を書くことに命を賭けていたんだなと、強く感じました。行動とか表面的な部分だけを見ると、全然わからなかったりするんですが。ときには恋人の泰子ともフィジカルにぶつかっていましたけど、別れたのちに生まれた悲しい詩が、今も読まれている理由ってそういうところにあると思いますし……。「まっすぐな人だったんだな」という印象ですね。

── 木戸さんと中也の間に、共通する部分はあったでしょうか。

(主要人物の)3人の中では中也がいちばん若いですが、にもかかわらずふたりにぶつかっていくところは、僕自身のキャリアが使えるかなと思いました。今回すごく重要な役をいただけたのですが、自分は(泰子役の)広瀬すずさんや(小林役の)岡田将生さんに比べて経験値が少ない。でも3人の関係をつくるために自分のパワーが弱かったら、確実に崩れてしまうので、もうそこは経験値とかそういうことではなく、同じ目線でぶつかっていこうって思ったところは、当時の中也と通じる部分があったかなって。おふたりがすべてを受け止めてくれるのがわかっていたので、ケンカを売るくらいのつもりでいけました。

中也と小林、言葉で説明できないふたりの愛

── なるほど。おっしゃるとおりこの作品は、中也と泰子、小林の三角関係が大きな軸ですが、 特に気になったのは中也と小林の関係でした。泰子を取り合ったあとも、ふたりに交流があることを、どう解釈しましたか?

うーん、難しいですね。やっぱり小林目線からいくと、泰子を自分のものにしたことも、彼女を通して中也を見たかったところがあるから、中也に対して憧れや 嫉妬、尊敬を抱く部分があったと思うんです。それは中也が亡くなってから、小林が彼の詩集を世に出したことが、すべてを語っているというか。現代の三角関係とは、ちょっと違いますよね。ひとりの女性を取った、取られたことは、ひとつのピースなだけであって、常にふたりはつながろうとしていますし。じゃあ今の時代にこんなことがあるかといわれると、ちょっと思い浮かびません。「親友」とも違う気がしますし、「同志」といった言葉でもくくりきれないというか、くくりたくないっていうか。僕も演じながら「不思議だな」ってずっと思っていました(笑)。でもふたりの間に線が濃く1本あるから、泰子も含めて、ちゃんと三角形なんでしょうね。

── 中也と小林の間に、愛情はあったと思いますか?

愛情はあると思います。なかったら、彼らの行動にいろんな疑問が生まれる気が、僕はしていて。うん、「愛情しか(ない)」って思っちゃうぐらい。劇中では「憎い」という表現もしているんですけど、憎いとか嫉妬という言葉すらも、愛情なのかというふうに思ってしまいましたね。感情をひとつに決めきれない。怒りを、怒りだけでくくっちゃダメだなって思ってはいました。

完成版を観て感じた、今の僕たちが失っているもの

── 確かに、登場人物はみんな感情がむき出しで、モラル関係なく突き進む姿が印象的でした。実際に演じてみて、新しい刺激はあったでしょうか。

今、僕らが失っちゃっているものに、すごく気づく部分がありました。自分を発散する場所というものが、今の時代は散漫というか。最近は、本来見えていないものに対してでもSNSに投げてしまう傾向があるけど、彼らの本能でぶつかる姿を見て、感情をシンプルに表現する場所を失っていることに気づかされたのはありました。それは演じたときよりも、作品の完成版を観たときに感じましたね。

── すべてがストレートで、シンプルですよね。

お互いがバーンってぶつかり合って、飛び散ったものがどこへいくのかわからない感じが、すごくその時代を表しているようで。そのパーツひとつを拾って、詩を書く人もいれば、何かを批評する人もいたり。 拾っていてもそれが何か気づいていない。泰子という女性は、そんなイメージがしました。自分でも自分のことをわかっていないんじゃないかなっていう。でも彼女も正直に生きているわけなんです。

<インタビュー後編>では、作品を通しながら、木戸さん自身のキャリアについて語っていただいています。趣味のゴルフについてのお話も!

PROFILE
木戸大聖(きど・たいせい)
1996年12月10日生まれ、福岡県出身。2017年俳優デビュー。2022年、Netflix オリジナルシリーズ『First Love 初恋』で佐藤健扮する主人公の青年期を好演し、一躍注目を集める。主な出演作に、ドラマ『ドラフトキング』(23年)、『僕たちの校内放送』(23年)、『ゆりあ先生の赤い糸』(23年)、Netflixオリジナルシリーズ『忍びの家 House of Ninjas』(24年)、『万博の太陽』(24年)、『9ボーダー』(24年)、『海のはじまり』(24年)、劇場アニメ『きみの色』(24年)など。現在、NHK夜ドラ『バニラな毎日』に出演中。

INFORMATION
映画『ゆきてかへらぬ』
木戸さんが演じる天才詩人・中原中也と、その恋人・長谷川泰子、中也の才能を見出す文芸評論家・小林秀雄の独特な三角関係を描く。大正から昭和初期を激しく生きたアーティスト3人の、史実に基づいて生まれた脚本が、約40年のときを経て奇跡の映画化。

出演:広瀬すず 木戸大聖 岡田将生
監督:根岸吉太郎 脚本:田中陽造
2月21日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
©︎2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会

▶︎公式 HP
▶︎公式 X
▶︎公式 Instagram

コート¥396,000・Tシャツ¥44,000・パンツ¥143,000・靴¥170,500(ジョルジオ アルマーニ ジャパン<エンポリオ アルマーニ>)※すべて税込価格。

<問い合わせ先>
ジョルジオ アルマーニ ジャパン 03-6274-7070

撮影/高木亜麗 スタイリスト/佐々木悠介 ヘアメイク/石邑麻由 構成/湯口かおり

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