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LIFESTYLE

2025.01.13

【坂東龍汰さんインタビュー】迷いを取り去って進む単独初主演という新たなステージ

「気になる俳優」「演技力がスゴい」と、評価急上昇中の坂東龍汰さん。ドラマ『ライオンの隠れ家』でも証明された実力が、今度は映画のスクリーンで見られます。単独初主演映画公開を間近に控えた「今」の頭のなかにズームイン!

自分が30歳になることなんて、考えもしなかったけれど

──俳優として活動を始めたのは2017年。着実に活躍の場を広げてきた坂東龍汰さんですが、特にこの2~3年の変化は目を見張るほど。実力を評価され、ドラマ、映画では欠かせない存在になり…。こんな変化を、自身はどう受け止めているのでしょうか。

演技の仕事を始めたのは二十歳のときなので、どちらかといえば遅めのスタートでした。少しずつ、仕事を任せてもらえるようになって、ドラマの反響が大きくなって、そこから僕自身勇気をもらって。特に『ライオンの隠れ家』(2024年10~12月・TBS系)ではそれをとても感じました。

振り返ってみれば、そのときどきの経験でいろんな学びはあって…のはずだけれど、ただただ必死に食らいついていた、というのが正直な感想です。がむしゃらで、目の前のことに精一杯で。先のことを考えるほどの余裕はなくて。時間の流れがどんどん早く感じるなかで、仕事はしっかりしなきゃいけないし、自分の時間も大事にしたい。これは焦りなのかな。いやそれとも少し違う、あと2年ちょっとの30代までの時間をどう過ごすか、何を優先させるのか、考えるようになったということかもしれません。つい最近までは、自分が30歳になることなんて、考えもしなかったのに。これが、大人になるっていうことなのかな。

いつも迷っていたし、いつも混乱していた

──そんな変化の途上で、映画単独初主演という大きなマイルストーンがありました。映画『君の忘れ方』で演じた森下昴という人物について教えてください。

昴という人物は、朴訥(ぼくとつ)で、まっすぐで、必死に生きてきた人。結婚直前に恋人を事故で亡くし、その悲しみを自分だけではどうすることもできずにいます。それだけ恋人の美紀(西野七瀬)のことがもう大好きなんです。その気持ちとどう向き合っていくのか、時間とともにどう変わっていくのか。監督いわく、「彼女がいなくなったあと、恋から愛に変わっていく過程」が丁寧に描かれていて、そこに彼らしさがつまっています。でも、ちょっと自分勝手なところもあって、そこがまた魅力なんですけどね。

僕自身も、かつて大切な近い存在を亡くした経験があり、どこか他人事とは思えず、昴を演じることは不思議な感覚でした。そのせいなのか、作品が出来上がった今もまだ客観的に見ることはできなくて。自分で評価することももちろんできなくて。こんな経験は、初めてです。もしかして、これが単独初主演ということの重さなのかな。

もちろん主演と聞いたときはうれしかったけど、やってみれば難しいことだらけ(笑)。ずっと迷っていたし、いつも混乱して。それでも、監督をはじめみんなが手をさしのべてくれたので、そこに身を任せて、信用して、みんなで道を見つけていきました。迷いを取り去って、自分に「これでいいんだ」って言い聞かせて。そうやって、昴という人物ができました。

──この「難しかった」経験は、今後の映画制作にも影響しそうですか?

それはもう間違いないと思います。『君の忘れ方』はとても難しい体験だったけれど、思い返してみれば、それ自体がめちゃくちゃ楽しかった! あれだけ議論を交わしたのも初めてだったし、そうしながらも監督は僕の芝居を引き出してくれました。僕が迷っていても、「そのままでいいから」と言ってくれたこともありました。

丁寧に、粘りに粘って、あきらめることなくつくっていけるのが、映画のいいところ。諦めずに必死についていってよかったなと、出来上がりを見たときに納得しました。だから、現時点でこの作品が「いちばんよかった」と言ってもらえることが、僕の目標です。そしてこの経験が、これから作品をつくっていくときの支えにもなることは間違いありません。

積み重ねてきたものが、自然とあふれて

──特に粘りやこだわりが表れていたのが、電車の中のラストシーンでした。監督はカメラの向こうで涙をこらえられなかったそうですが。

あのシーンのためにすべてやってきたと言ってもいいくらい。それまでに苦労したことや積み重ねてきたことがあって、これまでのモヤモヤが晴れて、どこかスッキリした顔の昴。監督は「顔つきが変わった」と言ってくれました。

といっても、すごく意識したわけでもなく、ただここまで積み重ねてきた結果が、自然とあふれてきたもの。本当のことを言うと、その瞬間は深く考えていたわけじゃないんです(笑)。

──と、最後の言葉は照れなのか無意識の天才なのか…。スクリーンに映ったのは、寂しさを完全に払拭していないものの、どこか希望を感じさせる、「優しさと切なさ」の入り混じった坂東さん。これぞ、表情や目線で感情を伝える坂東さんの真骨頂。ぜひ、スクリーンで確かめてください。

<後編>では、『君の忘れ方』がもつ大事なメッセージを坂東さんが解き明かします。さらに、30代を見すえた「歳の重ね方」についても本音が炸裂! どうぞお楽しみに。


坂東龍汰(ばんどう・りょうた)
1997年5月24日生まれ、北海道出身。2017年デビュー。『フタリノセカイ』(22年)で映画初主演を務め、 第32回日本映画批評家大賞の新人男優賞(南俊子賞)を受賞。主な出演作に映画『春に散る』(23年)、『バカ塗りの娘』(23年)、『一月の声に歓びを刻め』(24年)、『若武者』(24年)、『シサム』(24年)、劇場アニメ『ふれる。』(24年)、ドラマ『RoOT/ルート』『366日』『ライオンの隠れ家』(24年)など。25年1月は、映画『君の忘れ方』『雪の花 -ともに在りて-』が公開。


映画『君の忘れ方』

坂東さんが演じる、ラジオ番組の構成作家・森下昴は、つきあって3年になる恋人・美紀との結婚を間近に控えていた。だが、そんなある日、彼女は交通事故で帰らぬ人となってしまう。茫然自失の日々を過ごすなか、昴は自分と同じような大切な人を亡くした経験をもつ人たちと触れ合い、胸の内に封じ込めた思いを少しずつ吐き出すことで、頑なだった心を溶かしていく。

出演:坂東龍汰 西野七瀬
津田寛治 岡田義徳 風間杜夫(友情出演)
南 果歩
監督・脚本:作道 雄
エンディング歌唱:坂本美雨
1月17日(金)新宿ピカデリーほか全国公開

©「君の忘れ方」製作委員会2024
公式ウェブサイト:https://kiminowasurekata.com/
公式X:@kimiwasu_eiga
公式Instagram:@kimiwasu_eiga


シャツ¥33,000・ニット¥50,600(ENKEL<URU>) “ULTERIOR”のジャケット¥107,800・“THOUSANDS”のパンツ¥68,200 (ともにELIGHT Inc.) シューズ¥63,800(Paraboot)
※すべて税込価格。
※問い合わせ先 ENKEL 03-6812-9897 ELIGHT Inc. 03-6712-7034 Paraboot青山店 03-5766-6688


撮影/大月和弘 スタイリスト/李靖華 ヘアメイク/後藤泰(OLTA) 構成/南 ゆかり

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